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アラン・ドロンの『太陽がいっぱい』解説・決定版!

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アラン・ドロン主演の名作映画『太陽がいっぱい』(監督:ルネ・クレマン)を徹底解説してみました。
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#ツルガキ

ツルでもガキでもわかる『太陽がいっぱい』の解説【決定版!】<vol.5>「ガブのすべて」

ツルでもガキでもわかる『太陽がいっぱい』の解説【決定版!】<vol.5>「ガブのすべて」

【vol.4はこちら】

おかえもん、なんで大天使ガブリエルとイエス・キリストが争うんや?

そうだよ。ガブリエルはわざわざ神様のメッセージをマリアさんに伝えに来たんでしょ?

超いい人じゃんか!

ナンボク、ええじゃろう、その通りだ。ガブは天使界きってのイケメンでナイスガイだよね。

でも君たち、ガブの本当の気持ちを考えたことあるかい?

本当の気持ち…?そんなもん考えたことないな。

てか、ガ

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ツルでもガキでもわかる『太陽がいっぱい』の解説【決定版!】<vol.4>聖フランシスコと受胎告知の謎

ツルでもガキでもわかる『太陽がいっぱい』の解説【決定版!】<vol.4>聖フランシスコと受胎告知の謎



さあ、第4回だ。

第1回は、映画と原作の違い

第2回は、原作にはあった同性愛描写が無くなった謎

第3回は、ディッキーがフィリップに改名された謎

そして今回は、サンフランシスコと受胎告知の謎だよ。

原作ではニューヨークやったよな。

マット・デイモン主演『リプリー』でも、そのまんまニューヨークやった。せやのになんで『太陽がいっぱい』でクレマンはんは、わざわざサンフランシスコにしたん?

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ツルでもガキでもわかる、アラン・ドロン主演作『太陽がいっぱい』の解説【決定版!】<vol.3>

ツルでもガキでもわかる、アラン・ドロン主演作『太陽がいっぱい』の解説【決定版!】<vol.3>



さあ、いよいよ謎解きをするよ。

ここまで来るのに随分時間かかったな。ちなみに前編はコレ、中編はコレや。

オイラわくわくすっぞ!

まず最初に「ディッキーからフィリップ」名前変更の謎から行こう。

原作の壮大なドラマを約2時間という映画の尺に収めるのは大変だ。映画を観る人のほとんどは原作を知らない。だからと言って登場人物の背景をいちいち説明的に描写するわけにもいかない。しかも、原作の同性愛要

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ツルでもガキでもわかる、アラン・ドロン主演作『太陽がいっぱい』の解説【決定版!】<中編>

ツルでもガキでもわかる、アラン・ドロン主演作『太陽がいっぱい』の解説【決定版!】<中編>



さて、前編で提示した謎を解き明かしていこう。

よっ!待ってました!

ディッキーからフィリップへの名前の変更、そしてNYからSFへの場所の変更…

名匠ルネ・クレマンが仕込んだ「神と子と天使」の愛憎物語の仕掛けを説明するよ。

そもそもパトリシア・ハイスミスの原作自体もそうなんだけど、この頃の小説は聖書をストレートに題材にしたものが多い。今みたいに情報があふれている時代じゃないから、訴えたい

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ツルでもガキでもわかる、アラン・ドロン主演作『太陽がいっぱい』の解説【決定版!】

ツルでもガキでもわかる、アラン・ドロン主演作『太陽がいっぱい』の解説【決定版!】



まいど!ワイは鶴や!ツルヤナンボクや!

ええじゃろうだよ!

やあ、君たち。今回はアラン・ドロンの代表作『太陽がいっぱい』の話だ。

アラン…ドロン…?誰?

ええじゃろはんはガキやさかい、アラン・ドロン知らんのやな。

アラン・ドロンちゅうのは、1960年代から80年代にかけて一世を風靡した元祖イケメン俳優や。当時の日本での人気は、ほんまドエライもんやったで。全盛期のキムタクとヨン様を足し

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