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栗麻呂ノ暗号

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第一部<栗麻呂ノ暗号> 第二部<銀河鉄道クリストファーの城>
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#クリストファーノーラン

「さよならの夏」~映画『インターステラー』深読みネタバレ解説:後篇

じゃあ続きを始めようか… ちょっと待って!前編を未読の方はコチラをどうぞ! ついでに登場人物紹介も貼っとくで。 お前たち、肝心の歌を忘れてるぞ。 では映画『インターステラー』にとって最重要な3番を見ていこう。 ブラックホールから脱出した後の物語が、ここにすべて凝縮されている… ビックリしても知らないよ… <続きはコチラ!>

「さよならの夏」~映画『インターステラー』深読みネタバレ解説:前篇

『さよならの夏』来たァ! 君もコクリコわれもコクリコ! ちなみにパリで「コクリコ」の短歌を詠んだ与謝野晶子は、ドーバー海峡を渡りロンドンへ向かった。 もしかしたらダンケルクも訪れたかもしれないね。 僕、文学部なんでアキコ・ヨサノの名前は聞いたことあります。 ところでダンケルクって日本でも有名なんですか? あ~!何でもない何でもない! これ以上未来のこと知らなくていいから! へ? さて、映画『コクリコ坂から』にも使われたこの『さよならの夏』という歌は、『イ

<ノーランと宮崎駿>最終章⑤「take me home...」

これまでのあらすじ 1989年のロンドンから現代にタイムスリップして来た大学生クリストファー(19歳:以下「過去クリ」)は、自分が未来の世界で映画監督となり、自身の作品において「俺のジブリ美術館計画」をはじめとする3つの計画を実行していることを知らされる。それらの計画は、深い宮崎駿愛と、彼自身の目標でもあったジブリスタジオへの思いを込めたメッセージでもあったのだ。しかし、壮大すぎた計画は彼の作品に複雑で難解というイメージを与え、興行収入は減少の一途に。過去クリは「俺のジブリ

<ノーランと宮崎駿>最終章④「りぼん」

これまでのあらすじ 1989年のロンドンから現代にタイムスリップして来た大学生クリストファー(19歳)は、自分が未来の世界で映画監督となっていることを知らされる。若くして数々のヒット作を生み出すその原動力は、少年期からの憧れ「宮崎駿」への複雑な思いだった。懐古的なジブリ美術館や安易な世襲を否定し、自身の作品内で宮崎映画を創造的に再現するという「俺のジブリ美術館計画」は、クリストファーの深い宮崎駿愛と、彼自身の目標でもあったジブリスタジオへの思いを込めたメッセージでもあったの

<ノーランと宮崎駿>最終章③「コンクリート・ロード」

これまでのあらすじ 1989年のロンドンから現代にタイムスリップして来た大学生クリストファー(19歳)は、自分が未来の世界で映画監督となっていることを知らされる。若くして数々のヒット作を生み出すその原動力は、少年期からの憧れ「宮崎駿」への複雑な思いだった。懐古的なジブリ美術館や安易な世襲を否定し、自身の作品内で宮崎映画を創造的に再現するという「俺のジブリ美術館計画」は、クリストファーの深い宮崎駿愛と、彼自身の目標でもあったジブリスタジオへの思いを込めたメッセージでもあったの

<ノーランと宮崎駿>最終章②「I'm in the mood for . . .」

前回までのあらすじ 1989年のロンドンから現代にタイムスリップして来た映画好きな大学生クリストファー(19歳)は、自分が世界的映画監督となっていることを知らされる。現代の巨匠とまで呼ばれるクリストファーの映画作りの原動力は、少年期からの憧れ「宮崎駿」への複雑な思いだった。懐古的なジブリ美術館や安易な世襲を否定し、自身の作品内で宮崎映画を創造的に再現するという「俺のジブリ美術館計画」は、クリストファーの深い宮崎駿愛と、彼自身の映画作りの原点ともいえるジブリスタジオへの暗黙の

<ノーランと宮崎駿>最終章①「BACK TO 1989」

これまでのあらすじ 1989年から現代へタイムスリップしてきたクリストファーは、自分が未来において映画監督となり世界的巨匠とまで呼ばれることを知る。しかもその原動力となったのは、少年時代からの憧れ「宮崎駿」そして「ゲド戦記」への想いだったのだ。クリストファーは未来において『俺のジブリ美術館計画』と『俺のゲド戦記計画』を実行することを知らされる。すべての謎は「7つの歌」の中に隠されていた。「ルージュの伝言」から『インセプション』の物語を、「やさしさに包まれたなら」から『インタ

クリストファー・ノーランの映画を理解する上で重要な「7つの歌」~まとめ~

ノーランシリーズ再開かと思ったら、なんや「まとめ」か。 7つの歌も全部紹介したし、前回から10日間ほどあいてしまったのもあるしね。 確かに流れを忘れちゃったかも。 まず1曲目はコレだったね。『インセプション』の元ネタになった歌。 『ルージュの伝言』松任谷(荒井)由実  歌:まりっころポン まさかこの歌からインセプションが出来上がったとは驚きやったな… そして2曲目はコレ。 『インターステラー』の物語の大枠を作った歌だったね。 『やさしさに包まれたなら』松

ノーランと宮崎駿を結ぶ5つの歌【第9話】紺色のうねりが④「インターステラーと法華経・中編~仏陀の生涯~」

前回までのあらすじ 1989年から現代へタイムスリップしてきたクリストファーは、自分が未来において映画監督となり世界的巨匠とまで呼ばれることを知る。しかもその原動力となったのは、少年時代からの憧れ「宮崎駿」そして「ゲド戦記」への想いだったのだ。クリストファーは自身の映画において「俺のジブリ美術館」計画と「俺のゲド戦記」計画を実行することを知らされる。すべての謎は「5つの歌」の中に隠されていた。「ルージュの伝言」から『インセプション』の物語を、「やさしさに包まれたなら」から『

ノーランと宮崎駿を結ぶ5つの歌【第8話】紺色のうねりが③「ノーランと ジブリと賢治と 法華経と」

前回までのあらすじ 1989年から現代へタイムスリップしてきたクリストファーは、自分が未来において映画監督となり世界的巨匠とまで呼ばれることを知る。しかもその原動力となったのは、少年時代からの憧れ「宮崎駿」そして「ゲド戦記」への想いだったのだ。クリストファーは自身の映画において「俺のジブリ美術館」計画と「俺のゲド戦記」計画を実行することを知らされる。すべての謎は「5つの歌」の中に隠されていた。「ルージュの伝言」から『インセプション』の物語を、「やさしさに包まれたなら」から『

ノーランと宮崎駿を結ぶ5つの歌【第6話】紺色のうねりが①(『コクリコ坂から』より)

前回までのあらすじ 1989年から現代へタイムスリップしてきたクリストファーは、自分が未来において映画監督となり世界的巨匠とまで呼ばれることを知る。しかもその原動力となったのは、少年時代からの憧れ「宮崎駿」そして「ゲド戦記」への想いだったのだ。さらにクリストファーは、自分が将来『インセプション』と『インターステラー』という映画において、「俺のジブリ美術館」計画と「俺のゲド戦記」計画を実行することを知らされる。すべての謎は「5つの歌」の中に隠されていた。『インセプション』の土

ノーランと宮崎駿【第3話】テルーの唄、前篇(『ゲド戦記』より)

あと3曲ほどあるんだ。 『インターステラー』を完成させるために必要な歌が… さ、三曲も…? あ、あの… いったい皆さん、さっきから何の話をしてるんですか…? …… えーとね… 君が未来において作ることになる映画の話だよ。宇宙物の映画なんだけど、日本以外の世界中で大ヒットして750億円くらい稼ぐ。 あ"あ"あ"~~~!!!少しは躊躇せえ!タイムトラベル物の基本中の基本! ボ、ボクが…映画を…? しかも世界的大ヒット…? うん。2010年代において、君は

ツルガキ!天才クリストファー・ノーランの「クーパー三部作」解説決定版!/『INCEPTION(インセプション)』前編

まいど!ワイは鶴や!ツルヤナンボクや! ええじゃろうだよ! どうも、おかえもんです。 天才クリストファー・ノーラン、通称ノークリの「クーパー三部作」解説シリーズの第2回は、レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、トム・ハーディと大スターが共演した話題作『インセプション』です。 今回も引き続き「ノークリ」と呼ばせていただくよ。フルネームだと面倒だし、ノーランって言うと弟もいるんで紛らわしいからね。 <ノークリ> 待ってました! 前回を読んでない人は「クーパー三部作」