E208: いずれ、あなたも、そうなる
喫茶店で、近くの若者が「自分の父親のおっさん臭」について、熱弁をふるっていた。
(君は息子である以上、35年後、そのお父さんと同じ臭いがするかもしれないよ?)と思いながら、密かに笑いを堪えていた。
若者だっていつかは「おっさん」になる。
枕が臭う…
私の場合、初めて公式に「おっさん」と呼ばれたのは
33歳の時。
駅前を普通に歩いていたら、
後ろから怒鳴り声がした。
「おりゃ、どけや、おっさん!」
え? と思って振り返ったら
目の尖った女子高生が自転車でこちらに向かって突進してきた。
ぼーっとしてたらひかれそうだったので、慌てて避けたが、その少女が猛スピードで走り去ってから、怒りがこみ上げてきた。
(いや、こっちはまだ「お兄さん」だからね!)
今はちゃんとおっさんの自覚はあるが、33歳当時は納得がいかなかった。
次の日、同僚にこのいきさつを話したら
「源太さん、怒るポイント、そこじゃないよ」
と大笑いされた。
言葉遣いや交通マナーについて
怒らなきゃ……と。
でも、「おっさん」って
どういうつもりで言ったのだろう?
私は、そっちの方に興味があった。
そんな言葉を平気で相手に向けられる
その感覚がよくわからなかったのである。
(ねえ、あなたも、やがて、確実に、「おばはん」になるんだよ…?)
ちなみに、この少女が、当時17歳だったとして
現在、当時の私の年齢を上回ったことになる。
彼女が若い人から
「どけや、おばはん!」
って、言われていたら、かなり笑えるが
同時に少し胸が痛い。
ほら、あなたも「おばはん」になったよ…とう?
そんなこと言ったら、もっと怒鳴られたりして…
うるせぇ、じじぃ! ってか?
じじぃ、ばばぁ、おっさん、おばはん、
あと「老害」
これらを自分で使うのは、かまわないが、
相手への「悪口」として使う、若い人がいる…
その感覚が怖いな、と思う。
「あなた、もう老害っすよ!」
なんて、そんなこと、よく人に言えるなあ…
もう少し敬意を持って接した方がいいと思うんだけどなぁ…
【連続投稿: 129日目 ライランⅡ: 40日目】
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