いいおじいさんと犬と近所の話
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いいおじいさんと犬と近所の話

ワダシノブ/イラスト・マンガ

アパートのウチの真下の階に優しいおじいさんと奥さんと黒いブルドッグが住んでいた。

いつ会っても子どもを気にかけてくれる良いおじいさんだった。

「うるさくてすみません。」と口にするたびに「子どもは遊ぶのが仕事。」「うるさくない子どもなんていないよ。みんなそうやって大きくなるのだから」と言ってくれた。前に住んでいたアパートでは近所付き合いでいろいろあったので、この言葉には本当に救われた。

3年も経つと季節ごとにお菓子を持って行ったりする間柄になって、会う度に軽口を叩いて別れるようになった。

2016年の末「2〜3日見かけないな」と思っていたら、おじいさんは肺炎で入院していた。そして、そのまま帰ってこなかった。おじいさんは死んでしまった。

教会のお葬式には近所中の人が集まった。

それからは夕方になると、近所の別のおじさんがやってきて、犬の散歩をするようになった。そのおじさんは死んだおじいさんの友だちだった。おじいさんは近所の人に分け隔てなく親切にしている人だった。ずっと同じところに住んでいて、子どもも孫も近くに住んでいる。こんな人はイタリアには結構たくさんいる。

そして、今朝、クラスメイトのお父さんがおじいさんのブルドッグを連れていた。「あれ どうしてその犬を?」と聞くと、「毎朝、散歩してるんだよ。」と言う。たまたま私とは時間帯が合わなくて、見たことがなかっただけで、毎朝散歩をしているのだという。

多分クラスメイトのお父さんもずっとここに住んでいる人で、おじいさんとも長い付き合いだったのだろう。もしかしたら、おじいさんの息子の同級生かもしれない。

ということで、おじいさんが死んだあと、黒いブルドッグは近所の誰と毎日 散歩をしている。

なんて、こんなほっこり話しを書いてみたけど、近所付き合いは苦手です。イタリアでうまくやっていけてるのは、外国人枠にいるからだということは自覚しております。思春期の頃は近所の人に対して、見てないフリで挨拶をバックれていたくちです。

「おかえりー」と声をかけられると、返すべき言葉がわからなかった。「あなたの家に帰るわけじゃない。なんて答えるべきなの?」とか、考えていました。今でもなんて返事するべきなのかよくわかりません。

日本語にもチャオ的な、おはようもお帰りもさよならも一緒になったような便利な言葉があればいいのに。

挨拶には防犯効果もあると知ったので、それで意識を変えてするようになりましたとさ。いい歳になってからの変更です。だから、今の若い人は挨拶もできないとか聞いても、「そりゃそうだろ。」と思うのです。

と、今回もまとまりなく

おわり

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