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日記・雑感

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どうでもいい日々の雑感
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2020年9月の記事一覧

封蝋(シーリングワックス)

引越の断捨離で引き出しを整理していたら、封緘を蝋でする封蝋(シーリングワックス)が出てきた。旅行先のイタリアの文房具屋で買ったものだ。 ドロシーと二人で封蝋にトライしたことを思い出した。 六畳にも満たないアパートのキッチン横のテーブルで、夜遅くに蝋で封緘なんて、「なんてゴージャス、王侯気分」のはずだったが、蝋燭であぶってシーリングワックスを溶かすとどうしても煤が混じってしまう。上から、麺棒の先につけた火を近づけてみたりいろいろするが、あまりうまくいかない。結局Webを検索

富士日記

日記や手紙を読むのは嫌いじゃない。小説やノンフィクションにはない楽しみがある。その中でも武田百合子の「富士日記」が好きだ。 日記とは本来、本人以外にはどうでもよいものだ。どうでもよいことがら、どうでもよい思い、どうでもよい記憶。でもそれがその人なのだ。 どうでもよい日常の大切さを取り戻そう。

縷紅草 (ルコウソウ)

君は可憐な花なのに、難しい感じの名前だからか、ちょっと寂しそうだ。だからなのか、手元にある本に出ている俳句もちょっと寂しげだ。 季語としては夏。でもなぜか多摩川台公園のヤブランと多摩川の黄花コスモスと一緒に思い出す。そうか、途中の住宅地で君を見かけたからか。 私は引越してしまったけれど、また別の場所で会おう。

上期の歩数

4月から本格的にテレワークが始まり、上期も残すところ来週の3営業日となった。このままの予定でいくと上期に事務所に行った回数はゼロとなる。 家にいる時間が多く、しかも暑い日が続いたので外に出ることもほとんどなかった。今日は雨だったので家にいたがスマホに記録された歩数は148歩。この数字に半年を掛けると27,000歩ということになる。 外食が極端に減ったので体重は特に増えていない。しかし歩く力は極端に下がった気がする。「いつまでもデブと思うなよ」どころではない。生物としてヤバ

彼岸花

花の時期、彼岸花には葉はない 花が終わり、冬に向けて葉ができる 春から夏にかけて、葉は枯れる リコリスは学名 曼珠沙華は和名 8月に咲くのはキツネノカミソリ アレロパシーはギリシャ語からなる合成語 αλληλων (allēlōn 互いに) + παθος (pathos 感受) 毒によって他の植物の生育を抑制する 毒は主に根から出る 栄養は冬の間に鱗茎に蓄え、種はない キツネノカミソリには種がある

コッコッコッ

岡田、怒ってる? 怒ってないす。3歩あるけば忘れます 嘘である そんなに簡単に怒っていることは忘れられるはずがない きっちり「恨みますノート」につけておきます 嘘である 人の心はゴムのように柔軟で関心は移ろいやすい 確かにちょっとムッとしたがアニメかなにかを見たら忘れてしまう 嘘である 金属でもおきる金属疲労は心でもおきる ゴムも時間とともに弾性力を失いひび割れていく 願望なのだ 3歩あるけば忘れるような そんな風に生きたい はぐれ雲のように何も気にせずふわりと漂って

土偶:スーパーインクルーシブ

人は誰でも心の中に「願い」を持っている。今とは違う自分、これまでとは違う未来。その願いが叶わないと感じれば、今の自分と願いの中の自分とのはざまで誰だって辛い気持ちや悲しい気持ちにもなる。 でもね、もうひとつ方法があるのかもしれない。RUN伴(とも)で走ってみるように「まさか自分がさぁ」と思うことをやってみることで人は自由な気持ちになれる。 そして、たとえば、人は誰でも『土偶』になれる。タイムマシンを発明する必要はない。縄文の時代に少しだけ思いをはせ変身ベルトを身につけるよ

豊穣のブランデンブルク

「あれぇ、この曲のこの演奏、こんなによかったっけ?」と買った時には気づかなかった良さを、買ってからかなり経って気づくことがある。ホグウッドのこのCDもそのひとつだった。 レコードに代わってCDにが普及しはじめて既に40年以上になる。うちの子どもの世代にとってはレコードもCDも既に過去の遺物だ。 引越によって古いCDが見つかったり見つからくなったりする。上記のCDも気に入っていたが見つからない。しかたがないのでYoutube Musicで"The Brandenburg C

トマソン判定と相談ネズミ

この定義に照らせば、路上に描かれたこのバッターボックスは【超芸術トマソン】ではない。道路の路面を不動産というかどうかが不明だし、美しく保存されている無用の長物でもない。 しかし、その存在がまるで芸術のようでありながら、その役にたたなさ・非実用において芸術的な価値がないかというと、この点については議論の余地がある。 路上で遊ぶ子供たちにとっては、確かに実用的な意味がある。しかし、こんなものを朝からみつけ、愉しそうにバッターボックスに立ちキャッチャーミットを構えてしまう40年

象形文字の翻訳の価値

グーグルが象形文字の“Google翻訳”を可能にするために、ヒエログリフの解読補助ツールをつくったという。面白い取り組みだなと思う。一般の人の興味を惹くし、直接的に私たちの生活に何かを与えるわけではないが歴史的・文化的にも意味がある。 この技術をどのような分野に応用していくかはGoogleは明らかにしていないという。シンプルには暗号解析だろうがもっと奥深いかもしれない。ヒエログリフには終止符が使われず、文章の始まりと終わりがなく、左から右、右から左、上から下などさまざまな

大学生とのかかわり「京都ソリデール×町田の団地」

京都の学生が高齢の地域住民宅の空室に同居する次世代型下宿プロジェクト『京都ソリデール』を知っているだろうか。 京都ソリデールとは、一人暮らしの大学生などの若者に、低廉で質の高い住居を自宅の一室として高齢者が提供することで相互の交流を図る京都府の事業だ。 認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ(DFJI)のZoomの定例練習会で何回か話を伺う中で町田市の松本礼子さんが「同じことが町田市の団地でもできないのかしら?」と言った。 もちろん、京都ソリデールの枠組みと団地での取

三沢川

新しく引越した先のすぐ近くを多摩川の支流の三沢川が流れている。三沢川は、町田市から川崎市麻生区黒川地区、稲城市市街地を経て、川崎市多摩区で多摩川につながっている。町田・稲城・川崎は三沢川にとっては一つの流域といえる。 引越した先は京王線の稲城駅と京王よみうりランドの中間で、このあたりの三沢川は1kmほどサクラ並木が続く。 新型コロナの影響で4月からテレワークが始まり、以来、まだ一度も事務所に行っていない。通勤がなくなったので時間には余裕ができたが、一日あたりの歩数も激減し

時間における作用・反作用

時間には質量がない、と思う。速度・加速度という考え方もそぐわない、たぶん。だから、時間における作用・反作用もない、はず。しかし、主観的にはそうとも言い切れない。 誰も悪くはないのに引越で冷蔵庫が壊れてしまい、保守部品もないため買い換えることに。しかし、新しい冷蔵庫が配送されるのは未来の9月25日。反動で我が家は氷で食べ物を冷やす昭和へと戻ってしまった。 そういえば子どもの頃、冷蔵庫は氷で冷やしていた。氷は氷屋で買っていた。氷屋は牛乳とヨーグルトも売っていて、買い物のときに

ヴィンセントのようにやさぐれる

子どもの頃に意地悪ばあさんに憧れていた。いまも憧れているかもしれない。ああいう頑固で皮肉屋でいつもやさぐれている者に私はなりたい。 映画『ヴィンセントが教えてくれたこと』でビル・マーレイが演じる主人公ヴィンセントは彼女に似ている。隣人としてもベビーシッターとしても最悪だ。そういえば『愛と追憶の日々』でジャック・ニコルソンが演じた隣人も最悪だった。最悪の隣人はひとつの憧れのテンプレートなのだ。 悲しいことはいつもある。でもそれを乗り越える方法はひとつではないかもしれない。