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選評*春燈やペン持ちてより岡田耕

春燈やペン持ちてより岡田耕  岡田 耕
 岡田耕は俳号。本名は●●●●である。「耕」の俳号は氏が俳句を始めて間もない頃、新築なった私の家で新年の俳句会を催した折に土生重次先生から頂いた名である。耕は●●を●●●●と音読すれば音も繋がるし、●の田を耕す意味にも繋がり、田を耕して作物を稔らせるごとく己を大いに耕すようにと付けて頂いた名だ。
俳句を作るというのは、日常の世界へ精神を移す事。逆に言えば非日常の世界から日常を眺めること。芭蕉の言う「虚に居て実をおこなふ」に近いだろう。この日常から非日常への精神の飛躍が少ないと、得てして句も平板な報告句や説明句に終ってしまう。
 掲句の「ペン持ちてより岡田耕」というのは、サァこれから日常の世界に身を置く●●●●から、非日常の世界の住人たる岡田耕となって句作りに挑むのだという決意であり、自己暗示でもある。俳号は単に伊達を気取っているのではないのだ。

俳句雑誌『風友』令和四年七月号「ー風紋集・緑風集選評ー風の宿」磯村光生

※●は発表誌では表記されています。

【スキ御礼】「選評*春暁や眼開きしぬひぐるみ

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