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【レシピ】イタリアンメレンゲで作る基本のマカロンの作り方|初心者のための徹底解説読本

こんにちは、こんばんは、おはようございます。

おかともひこです。コックさんをしています。

あと、1909日です。

今日はイタリアンメレンゲで作る基本のマカロンを作り方をご紹介します。

めちゃめちゃ丁寧に書きました。5000文字越えですがウザかったらごめんなさい。暇だったんです。

さて、レシピについてあらかじめお断りしておきます。

マカロンというのは伝統的なお菓子ですので、こうすればグッと美味しくなる!みたいな秘伝の宝刀的なレシピでもなければ、誰でも簡単に作れる!みたいなレシピでもありません。

マカロン難しいんだぞ。簡単なわけないだろ。結局、簡単なレシピはそれなりの味だし、上手に作ろうと思ったら何回も練習あるのみだからな。ぼくたちが何回挑戦して失敗してを繰り返してきたと思ってんだ!

という本音をグッと堪えつつ、今日は誰でも作れる簡単なマカロンの作り方です!(キリッ

本当に(道具と才能と技術と知識さえあれば)誰でも簡単に作れます!

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前書き

※作り方が早く知りたい方はすっ飛ばしてね。

伝統的なお菓子のレシピというのはとっても簡単でシンプルに構成されています。例えばパウンドケーキ。カトルカールとも言ったりします。
『カトル』っていうのがフランス語で『4』って意味なので、つまり、バター、砂糖、卵、小麦粉を1/4ポンドずつ使用して作る焼き菓子を意味しています。

でも、有名なお菓子家さんやレシピ作家さんが公開している配合を見てみると、決してその通りではありません。そりゃそうですよね。みんな同じレシピになっちゃいますもんね。食感を良くするためにアーモンドプードルを入れたり、コクを出すのにリキュールを入れたり、少しずつ配合を変えてオリジナルのレシピとなっています。

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マカロンの基本的なレシピ構成

マカロンの特徴は、粉糖とアーモンドプードルを1:1で混ぜ合わせたタン・プール・タン(TPT)を主軸に構成されている点です。

この1:1っていうのがなんとも分かりやすいと思いませんか?昔の人はきっと、重さを測るのに天秤とか使ってたでしょうから、その名残でしょうか。歴史あるレシピはお菓子に限らず、あらゆる料理において割合で考えることができます。和食でも二杯酢とか三杯酢とかありますよね。それです。

以下、ぼくが考えるマカロンの基本的なレシピ構成です。

材料A
(生地)

【粉糖:アーモンドプードル】
=【1:1】=『TPT』

【TPT:卵白】
=【6:1】

つまり
【粉糖:アーモンドプードル:卵白】
=【3:3:1】

材料B
(イタリアンメレンゲ)

【砂糖:水分:卵白】
=【3:1:1】

備考
【卵白(生地):卵白(イタメレ)】
=【1:2】

これに、お好みのバタークリーム、ガナッシュクリーム、コンフィチュールなどを挟んだものがマカロンとなります。

作り方(マカロンコック編)〜めっちゃ丁寧ver.〜

1)材料を計量しましょう。

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大きめのボウルに、粉糖、アーモンドプードルを合わせてザルでふるっておきます。アーモンドプードルは粒子が大きいため、粉ふるいよりザルがオススメです。生地用の卵白は小さめのボウルに入れましょう。
イタメレ用の卵白は大きめのボウルに。キッチンエイドを使う方は専用のやつに計量しておきましょう。
グラニュー糖と水分になるものは鍋に合わせておきましょう。
※ぼくはリキュールを使うことが多いため、アルコールを飛ばす際に蒸発することも考えて少し多めに計量しています。

2)イタメレを作ります。

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グラニュー糖と水分になるものを火にかけてシロップを作ります。同時にイタメレ用の卵白を低速で泡だてはじめましょう。

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117℃まで加熱すると良いんですが、ここは慣れた方が話は早いです。初めての方や不安な方は温度計で測りましょう。でも、この温度まで耐えられる温度計ってそうそう家にあるもんじゃないので、やっぱり慣れたほうが早いです。失敗しやすいポイントはここもそうなんですが、それよりもこの次です。

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シロップを完成させるまでにメレンゲを8分立て程度にしておきます。ウィスク(ミキサーの回ってる金属の部分)を中速で回転させながら、糸を垂らすように加えていきます。
ここで一気に加えてしまうと失敗する可能性がありますが、逆に遅すぎてもメレンゲの温度が下がってしまい、後々失敗につながります。結局は慣れるしかないですね。

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シロップを入れ終わったら、しっかりツノが立つまで高速で泡立てましょう。

3)マカロンコックの生地を合わせましょう。

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はじめにTPTと生地用の卵白を混ぜ合わせます。結構かたいので、カードを使ってしっかり練り混ぜるように、均一な状態になるまで頑張ってください。特にグルテンだとか温度がどうということはありませんので、丁寧にやりましょう。キッチンエイドでメレンゲを作る間に行っても良いですし、ハンドミキサーの方は最初に混ぜ合わせておいても構いません。その場合は乾燥にだけ気をつけて、ラップをかぶせておくことをオススメします。

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イタメレを加えていきます。ぼくは3回〜5回に分けて加えることが多いです。初めからメレンゲを多く入れすぎてしまうと、硬いTPT+卵白と柔らかいメレンゲがうまく混ざり合いません。はじめは生地と同量程度のメレンゲを加えるとスムーズかと思います。

4)マカロナージュ

これが結構クセ者です。気温や湿度によって生地感を見極めなきゃいけません。また、メレンゲの立ち具合によっても変わってきますので、慣れてください。

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カードで生地を叩くように混ぜ合わせましょう。生地を持ち上げて落とし、リボン状に流れたら完了です。

※写真↑はマカロナージュが少し足りませんでした。あと2回ってところでしょうか。立ち上がりはとっても綺麗で食味も最高でしたが、絞った痕が残ってしまったのが悔やまれます。未だに失敗したりするので、やっぱり慣れるしかないですね。
写真↓が中央に痕が残ったマカロン。過去にうまく行ったときの写真がその次の写真です。

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慣れるまでは、少し硬いかな?ぐらいで絞り袋に入れて絞ってみましょう。

マカロナージュは、メレンゲの気泡を潰しながら生地を緩めていく作業です。絞ってみて生地が硬いようであれば、再度ボウルに出して2,3回マカロナージュして調整可能です。しかし、緩めすぎてしまうと後戻りできません。

マカロナージュで緩めすぎると、乾燥させるときには生地が広がってしまい、焼いても綺麗にピエ(フチのモコモコしたところ)が出ません。

慣れてきたら、マカロナージュの時点で絞った時の生地の広がりが想像できるようになりますよ。

とにかく慣れましょう!

5)絞り袋に入れて絞りましょう。

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ぼくはいつも6号の丸い口金を使っています。真上から絞りましょう。絞る最中は高さを変えないように。絞り切った後に生地から口金を話すイメージで。

写真↑は真ん中にツンとしたやつが最後まで残ってしまいました。

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上手にマカロナージュの見極めができていれば、しばらくすると平らになってツルンとしてくれます。

6)乾燥させます。

目安はとりあえず30分。軽く触れてみて、生地が手にくっついてこなければ乾燥終了です。ここで乾燥させすぎも注意してください。あまりにも時間がかかりすぎるのも良くありません。どちらにしてもうまくピエが出てくれません。

夏場は扇風機などを使うと良いですが、風で生地が流されないように弱風で。

7)予熱したオーブンで焼きましょう。

ぼくはいつも160℃で30分以上予熱し、140℃で10分〜15分で焼きます。生地をしぼり終えてから予熱を始めると良い具合です。

焼成温度と時間は湿度や気温で変わりますし、乾燥具合でも変わってきます。とりあえず10分で様子を見るように心がけていますが、オーブンによっても変わってきますから、ここも慣れるしかありません。

焼きすぎてしまうと、マカロンコックの底面がシートにくっついて割れてしまいます。逆に焼きが足りない場合、イタリアンメレンゲで作るマカロンの特徴であるサク感が出てくれないので見極めが難しいところです。

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ピエが上手に立ち上がらないとこんな感じ。

8)あら熱が取れたらシートから外して2枚1組にしましょう。

作り方(クリーム編)〜サックリver.〜

マカロンの中のクリームは、その味によってコンフィチュールだったりガナッシュだったりしますが、今回は基本的なバタークリームの作り方をご紹介します。ここはお好みのクリームを使っていただいて構いませんので、あくまでも、ぼくはこんな感じで作ってるよ〜っていう紹介です。
カスタードクリームの仲間になるのかな?でも小麦粉入ってないからアングレーズソース?かな?
こういうとき、調理師学校出てないのつらいなぁ〜と思うんですが、ちゃんと調べようと思います。
一応レシピは終盤で。
使用する材料(割合)
卵黄(1)
砂糖(1)
生クリーム(2)
バター(4)
※おおよその主観です。その他のレシピ同様、ここから足したり引いたりしてオリジナルのレシピが完成するので、覚えておくと将来役に立つかも?

1)少し大きめの鍋で生クリームをとろ火で温めます。

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沸騰させないように。また、熱すぎると卵黄に火が入ってしまうので、砂糖が溶ける程度の温度で構いません。

2)1)の最中に卵黄と砂糖を混ぜ合わせます。

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ブランシールって言うらしいです。白っぽくなるまで擦り混ぜましょう。ちなみにブランってブランマンジェとかのブランです。白って意味らしい。

3)2)に1)を少しずつ加えながら混ぜましょう。

一気に入れてしまうと卵のタンパク質に完全に火が通ってしまいます。混ぜながらゆっくりを意識しましょう。

4)鍋に戻して混ぜながら、とろ火で加熱していきましょう。

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鍋の底から固まっていきますので、終始ゴムベラで混ぜながら。

ここでの目的は殺菌とトロミをつけること。殺菌に関しては60℃で3.5分以上加熱すると、サルモネラ菌を大幅に減少させることができるようです。また、とろみについては料理人の数だけ決まった温度が謳われますが、ぼくはいつも84℃を意識しています。でも、毎回温度計を使うわけではないので、少し固まってきたな〜?ぐらいで火から外します。

5)綺麗なボウルを用意して濾しましょう。

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どうしても鍋のふちに付いたやつとか、火が通り過ぎてしまう部分が出てくると思うので、面倒でもしっかり濾しましょう。2回濾すと非常に滑らかになりますが参考までに。

6)氷水に当てて急冷させます。

せっかく殺菌したものの、多くの菌は常温に近い温度帯で活発に繁殖してしまうことが多いです。生菓子を扱う場合は気をつけましょうね。

7)常温に戻しておいたバターと混ぜ合わせます。

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もし分離してしまうようであれば、ボウルのまま一瞬コンロの火にかけて、ちょっとだけバターを溶かしてあげるとうまく馴染んでくれます。でも、これは禁じ手なのであまりオススメはしません。

8)絞り袋に入れて組み立てに移ります。

組み立て〜ひとことで終わらせます〜

大きさを合わせたマカロンコックの片方にクリームを絞り、もう片方を合わせて挟みます。

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レシピについて

大変長らくお付き合いくださいましてありがとうございます。

ここまで読んでくれたモノ好きのあなたに多大なる感謝を。

肝心のレシピです。

ここからは有料記事になりますが大したことは書いてません。

むしろ無料でも良いんですが、レシピのベースは今の職場で教えてもらったものなので、マナーとしてこういう記事にさせていただきました。

でも、作る過程で、(味に変化がないように)ぼくなりの配合に少しだけ変えてるし、それに関してはみんな気付いてさえいないし、注意されるのは見た目のことばかりなので、むしろこれはぼくのレシピだ!と言っても良いほどではあるんですが、まだクビにはなりたくないもので。

冒頭でも述べたように、歴史あるお菓子ですのでネットに転がってるレシピと大差ありません。むしろそれをレシピとして、今回できる限り細かくお伝えした作り方を参考に作ってみてはいかがでしょうか。

※ここまで書いてきた面倒な説明は、8割は自分で試行錯誤して気付いたポイントです。マカロンに関しては、まるっきり初心者だったからこそ、見つけることができたポイントだとは思いますが、まだわからない!ってところがある方はぜひご一報ください。一緒に理由を考えましょう。

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レシピ

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今回はプレーン、ラズベリー、緑茶の3種類をご紹介します。
応用していろんなマカロン作ってみてくださいね。

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