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【コラム】あと、1940日。

この度、わたくし、おかともひこは、本を出版することになりました。

本の内容は、レシピ本みたいな、生活や暮らしの雑誌みたいな、料理や盛り付けのフォトブックみたいな感じ。

出版予定日はだいぶ先です。ちなみに2020/05/10現在、出版予定日まであと1,940日です。

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っていうのを、今日決めました。この写真は全く関係ないカモミール。

あと1,940日

ちなみに今日から数えて1940日後は、2025/09/01。

何曜日かは知らないし、どんな病気が流行ってるのか、iPhoneのカメラは何個ついてるのか、ぼくは何の仕事をしているのか、借金は返済できているのかはわかりません。

そんなことより、5年後の9月1日が何日後なのか、ネットで調べたらすぐ出てきたことに対して、何の驚きもなく普通に感じていることに、時代の流れを感じます。

誕生日が9月だからなんとなく9月にしました。

どうやって本を出版するのかは知りません。

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でも、ちゃんとしたやつ(語彙力)がいいなぁ。
写真はまたもや関係のないカモミールミントティー。おいしかった

大卒、元農家、今はなぜか三つ星ホテルのコックさん

物心ついた頃から要領のよかったぼくは、勉強もまあまあできたし、学級委員長とか生徒会長とか、先生に褒めらることは一通りしてきました。

じいちゃんからは医者になれと言われ、ばあちゃんには天気予報士になれと言われ。お母さんからは教師に向いてると公務員に誘導され、お父さんは、なんか言ってたっけな?

とにかく愛想のよかったぼくは、高校生で堕落するよくあるパターン。数学のテストで人生初めての0点を取ったときには勝手に早退して、昼間っから学校近くの温泉にぼんやり浸かってたようなやつです。

どうにか地元の国立大学に進学するも、1年生での取得単位数はたしか6単位とかだった気がします。尊厳ある自主休講。『俺たちは周りのアホな学生とはちゃうんや。学術というものに興味があって大学に来たんや。授業中に携帯いじったりベラベラ喋っとる奴らとおんなじ空間におんのが耐えられへん。この崇高な耳を汚されたくないんや。やから授業には出ん。』という謎理論を説くサークルの先輩に感化されたせいです。ぼくにとっての教祖でした。
その先輩が大学を中退してから目が覚めて、必死に単位を回収し、なんとか無事卒業。

農学部に進学したので、授業の内容は幅広くてとっても楽しかったです。(尊厳ある自主休講の前に気がつくべきでしたね。)

そんで、色々理由はあるんですが、就職活動を全くしなかったぼくは晴れて農家になりました。当初は稼げる農家になろうと、日々計画を立てながら茄子を育ててました。

農家っていうと、やっぱり自然相手だし、稼ぐには厳しい職業なのもあって、国とか市町村からいろんな補助制度があるんです。例えば新規で農業始めた人には条件をクリアすると年間150万支給とか。色々ある中、無利子で多額の借り入れができたりする国の資金枠がありまして、申請してたわけです。新卒の春から準備して、その融資があとハンコ一つで通りますよ。ってなったのがその年の年末ぐらいだったかな?
そこまできて『あれ、こんな多額の借金したくない……』と怖くなって家出。4日間の車生活を経て家に帰り、親族に農家やめる宣言をして、一緒に農業してたじいちゃんからは勘当同然で、取引のあった飲食店のオーナーさんに拾われて飲食の世界に入りました。

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写真は初めて挑戦したカンパーニュです。むずかしい。

結論:楽しいことが好きなこと

最近やっと気がついたことなんですが、料理って本当に楽しい。

今回のコロナの影響で、わりとゆっくりしている厨房では、みんな料理の試作をしたり、まかないを本気で作ったり、ぼくに至っては全く関係ないパン作りに没頭しています。

全く関係ないことをしてると怒られちゃうので、『ぼくがパンを上手に焼けるようになればパン屋さんとの取引がなくなって経費削減になると思います!』なんて見え透いた大義名分を振りかざして。

ここまで読み進めてお分かりの通り、ぼくは『飽き性日本代表選手権』があれば、間違いなく決勝リーグまで残れるぐらいの素質は持ち合わせていると自負しております。

でも、料理の素晴らしいところは、分野が幅広すぎるところ。

ぼくの今までの遍歴で言えば、ただひたすらクッキーを焼き始め、焼き菓子にハマり、タルトやパイに夢中になりました。そこからお菓子じゃなくてごはんも何かやってみたくなって、一時期は毎食パスタばかり作って食べてたし、煮込み料理にどっぷりな時期もありました。最初の店が街中の裏路地にある小さなカフェだったので、フルーツやチョコを使ったカフェドリンクを試作しまくって材料代がもったいないと怒られたり、コーヒーが好きすぎるあまりキッチンカーを自作して移動販売の珈琲屋をしてみたり。今の職場はフランス料理で、今まで知らなかったことばかりだから勉強し直すこと自体が面白かったし、実践して試作して華やかな料理が美味しく出来上がった時はそれはそれは嬉しいもんです。で、今はそれがパン。

いろんなジャンルで全然違う作業だけど、全部料理。飽き性のぼくにぴったりな世界だなぁとしみじみ感じるわけです。

でも、こんなご時世になる前はどうだったかというと、目の前の仕込みに必死で、楽しいって感覚を、つい忘れていたような気がします。

好きなことだから楽しいんじゃなくて、楽しいから料理が好きなんだなぁと最近気がつきました。

だからぼくは本を出すことにしました。

いろんなことをやってきたぼくだからこそ、それぞれの楽しい部分を伝えれる気がしてならないのです。

実際に今の厨房でも、パンを作る人がぼく以外にいないもんだから、パン作りの醍醐味を知ってるのはぼくだけ。料理長はいつも『楽しそうなことしよるなぁ』と近づいてきてくれますが。

どんなにおいしいレシピが載っていても、表紙がおしゃれで見栄えが良くても、有名なシェフが書いたとしても、レシピ本の時点で買わない人は買いません。

ぼくの本では、この楽しさをもっとわかりやすく、専門誌とは対極のアプローチで、雑誌感覚で伝えられたらと思います。


そんな感じの本ありそうだけどね。

※このnoteはフィクションです。

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