詩 『あべこべ』

奇妙なアタマをした若者が月に向かって笑ってる。
月の上の若者も地球に向かって笑ってる。
そのまま笑顔のままゆっくりピストルを出して
お互いの頭を撃ち抜いた。

月の向きがおかしい夜に
誰にも伝わらない恋の物語が始まる。
25:00に夢の中で彼は
月まで届くナイフのはしごを登りきって笑顔で
エイリアンのどろどろしたアタマをさすっている。

ナメクジの上にロココ様式の三角フラスコを置いて
イスラエルの19歳の声帯を燃やす儀式に
意味を感じない、彼は本当に変わり者。
政治家の頭を粘土にした。

空の向きがおかしい夜に
誰にも伝わらない博愛物語が始まる。
儀式の煙が海を超えて空を超えて夜に溶ける。
スマホに答えを聞いたら端末の側面からミミズが出てきた。

今は、美味しくないブーツを履いて
地上絵を消すことに80年を使う人々が
2024年ぶりに泣いている。
僕はただ月をおっぱらって、
アラビアの金貨を燃やそうと思っている。

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