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水深800メートルのシューベルト|第992話

時間がかかるとは僕たちの任務の長引くのだろうか? 自然と背筋が真っ直ぐに伸びていた。戦争にはならないよな? 大尉にそれを訊くと愚か者に思われそうなので黙っていると、心を読んだかのようにドビーが言った。
「奴ら、俺達と遭遇した時に沈めるなんてことはしないし、できないですよね?」


 大尉は、にっこりと笑って言った。
「彼らの手口は、いつも既成事実を作る事と、相手が引くか引けなくなる所までの巧妙な駆け引きだよ。しかし、個々の艦や兵士に犠牲が出るかどうかは運に任せるしかない。事態は偶発的に起きるものだよ」


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