「中国を想定しているのだろうね、ドビー君。インド洋に中国海軍が進出してきているから、抑止力としてオーストラリアに頑張ってもらうつもりだよ。あの国が原潜を持てるように、我々が手伝うことになりそうだ」
「へえ、俺たちがオージー達に原潜の扱い方を教えるんですか?」
兵曹長の言葉に大尉は首を振った。
「技術は提供するらしいな。しかし、時間がかかる。しかも中国は中部太平洋まで進出するつもりらしい。それで、当面対抗するために我々が盾になるのだろうね」
彼の言葉で周辺の空気が凍りついた。艦長は「それほど長期の配備にはならない」としか言っていなかった。
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