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O.Jなんです。 ポップカルチャーについて書いていこうと思います。

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アークティック・モンキーズはなぜすごいのか!?シリーズ⑦<2018年宇宙の旅6thアルバム『トランキュイリティ・ベース・ホテル・アンド・カジノ』>

リリース年は2018年。『AM』をリリースした2013年以上にロック・バンドにとっては辛い時代だった。ヤング・サグやフューチャー、フランク・オーシャン、ケンドリック・ラマーなど挙げればキリがないほどにラップ・ミュージックとR&Bの時代だった。そんな中、あのアークティック・モンキーズがアルバムをリリースするというニュース。前作から5年というアークティック・モンキーズ史上最長のブランクを経ての新作だ。『AM』にて見事に時代を反映させたサウンドにアップデートした作品を繰り出したアー

    • アークティック・モンキーズはなぜすごいのか!?シリーズ⑥<1stアルバムを凌駕する傑作5thアルバム『AM』>

      1stや2ndアルバムで成功したバンドにはつきまとう呪いがある。それは最新作を出すたびに出る「で、結局のところ1st、2ndより良いの?」という問いだ。最も有名な例がオアシスやウィーザーだろう。もしかしたらザ・ストロークスもそうかもしれない。事実1stアルバム、もっと言えばシングルだけの成功だったいわゆる一発屋バンドも少なくない。 このアークティック・モンキーズも例外ではない。最新作で毎回新たな挑戦をして傑作を作ってきた彼らだが、「結局のところ1stが一番」 という1stア

      • アークティック・モンキーズはなぜすごいのか!?シリーズ⑤<太陽いっぱいに浴びた4thアルバム『サック・イット・アンド・シー』>

        リリース年は2011年。本作がリリースされる前、アークティック・モンキーズは先行曲として"ブリック・バイ・ブリック"を、その次に"ドント・シット・ダウン・コーズ・アイヴ・ムーヴド・ユア・チェアー"を公開した。 この2曲はファンを大きく動揺させた。「前作の延長線かつ更にわけがわからなくなっている!?」といった印象を与えたのだ。筆者自身"ブリック・バイ・ブリック"を聴いたときは「ジェットみたいだな。。。アクモン次はこれか。。。?」と動揺した1人だ。しかもボーカルをとっているのは

        • アークティック・モンキーズはなぜすごいのか!?シリーズ④<魅惑の森を巡る3rdアルバム『ハムバグ』>

          さて”問題作”と言われる『ハムバグ』である。リリース年は2009年。まずはこれまでのアークティック・モンキーズの魅力とは何だったのか、ざっと振り返ってみよう。①アレックス・ターナー独自のフロウと歌詞による青春群像劇 ②若さあふれる性急なビート ③ソリッドなリフ主体のソングライティング、などではないだろうか。 そしてこの『ハムバグ』、それら全てを放棄していると言っていい。まずアレックス・ターナーの歌い方が変わった。これまでの捲し立てるような歌い方はなくなり、どっしりとセクシー

        アークティック・モンキーズはなぜすごいのか!?シリーズ⑦<2018年宇宙の旅6thアルバム『トランキュイリティ・ベース・ホテル・アンド・カジノ』>

        • アークティック・モンキーズはなぜすごいのか!?シリーズ⑥<1stアルバムを凌駕する傑作5thアルバム『AM』>

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          アークティック・モンキーズはなぜすごいのか!?シリーズ③<悪夢さえ楽しんでみせる2ndアルバム『フェイバリット・ワースト・ナイトメア』>

          アークティック・モンキーズの2ndアルバム『フェイバリット・ワースト・ナイトメア』。なんとも不思議なタイトルと感じるだろう。筆者自身、当時は「何これ?」と考えすらしなかった。今になってみればその真意がわかる。まずはそこからときほぐしていきたい。 リリース年は2007年。1stアルバムの翌年だ。アークティック・モンキーズは1stアルバムの成功によりUKでNo.1のバンドとなった。そしてそれによる期待は当然の如くどんどん膨れ上がっていった。「次は何をするのか!」でファン、批評家

          アークティック・モンキーズはなぜすごいのか!?シリーズ③<悪夢さえ楽しんでみせる2ndアルバム『フェイバリット・ワースト・ナイトメア』>

          アークティック・モンキーズはなぜすごいのか!?シリーズ②:<土曜の夜から日曜の朝までを描いた傑作1stアルバム『ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット』>

          ここからは各論に入っていこうと思う。大まかな総論は最後にし、曲の魅力がどこにあるのか個別で解説していきたい。重要曲と思うものを主観で選別した。これがみなさんのアークティック・モンキーズに触れる最初の入り口となれば幸いだ。 1.The View From The Afternoon 完璧なオープニング。ヴァースが始まると冒頭の重い歪みは途端になくなり、軽やかなギター・リフに乗ってアレックス・ターナーが歌い出す。「期待はいつだって君をわくわくさせる/夕方のエンターテイメントに

          アークティック・モンキーズはなぜすごいのか!?シリーズ②:<土曜の夜から日曜の朝までを描いた傑作1stアルバム『ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット』>

          アークティック・モンキーズはなぜすごいのか!?シリーズ①<プロローグ:アークティック・モンキーズはどういうバンドなのか>

          アークティック・モンキーズは2005年10月に1stシングルをリリースしてデビューしたバンドだ。このバンドを全く知らない人のために簡単な紹介から始めようと思う。 アークティック・モンキーズは10代でデビューしたイギリスはシェフィールド出身の4人組のバンド。ボーカル、ギター、ベース、ドラムというオーセンティックな編成のバンドである。ギター・サウンドに乗せてヒップホップの影響下のフロウを活かしたボーカルで唯一無二のバンドとして有名になった。トップ画像はデビュー当初のものだが、再

          アークティック・モンキーズはなぜすごいのか!?シリーズ①<プロローグ:アークティック・モンキーズはどういうバンドなのか>

          真造圭伍「ひらやすみ」がとにかく素晴らしい

          真造圭伍という漫画家が書いている「ひらやすみ」という作品をご存知だろうか。週刊スピリッツで連載されており、今はまだ2巻までしか出ていないのだが、これは既に傑作認定していいであろう作品だ。漫画家界の石黒正数や田島列島なども賛辞を送っている作品で、今注目すべきに値するものに間違いない。 主人公である生田ヒロトは東京・阿佐ヶ谷に住む29歳のフリーター。山形県出身で俳優をしていたものの、今はフリーターとして平家の一軒家に住んでいる。そこにいとこの小林なつみが大学上京に伴い住み込むこ

          真造圭伍「ひらやすみ」がとにかく素晴らしい