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(41) AHAWI を徹底批評! ストーリー編

どうも、翔太郎です。

今回は映画『AHAWI』におけるストーリについて批評してみます。ストーリーと言っても、このお話のココがおかしい!・これはあり得ない!とかって話ではありません。むしろ、”そもそもこの映画にはストーリだけしかないよね”って話です。

どういうことか 

ではいってみます。

※前回記事「キャラクター編」をまだ読んでない方は是非👇

※映画『AHAWI』をまだ見ていない方はこちら👇

■ 「お話を作る=ストーリーを作る」 だけじゃない

「映画『AHAWI』にはストーリーだけしかない」。これはつまり、「この映画には目で見てもらうお話以上の情報が映像に含まれていない or 少ない」という事を指しています。ちょっとまだ分かりにくいと思うので、段階を踏みますね。

ストーリーとは物語の筋書きです。ただ作り手から見ると、少し認識は異なります。ストーリーが担っている役割を正確に捉え直すと、それは「作り手が観客にどうやってそのお話を見せるか」という事で、ある種演出上の一部なのです。この辺の言語化をしっかり行えていることが非常に作り手にとって重要だと思います。

一方物語を考える上で、ストーリーとは別に無くてはならないものがあります。

それが”プロット”です。

これは物語全体の設計図や、構想、仕組みを意味するのですが、これ無しに面白い作品を作ることは難しい。なぜなら、プロットがストーリーの基盤を作り、また物語全体に深みを与えるからです。

ストーリーとプロットは具体的にどのように違うか 実際に例を使って説明しましょう。

{ストーリー}

「ある日、オリバーは森で狩猟をしている。そこで見つけた鹿を殺そうとするが、惜しくも仕留め損なってしまう。地面に落ちていた鹿の血に触れ、傷を負わせた事を確信し後を追おうとするが、白い服を着た女が突如オリバーの目の前に現れる。その女はすぐに消え去るも、オリバーは左手に異様な痣が出来ていることに気づき、猛烈な痛みが彼を襲い始める。」

{プロット}

「森で狩猟をしていたオリバーは遭遇した一匹の鹿を森の神AHAWIだと知らずに撃ってしまう。そのせいで呪われてしまい、激しい痛みと共に左手に痣が現れる。」

どう違うでしょうか?

ストーリーはプロセスを順次詳細に説明し、プロットは単に因果関係を説明します。ストーリーが「どう見せるか」ならプロットは「何が、なぜ起きたかを語る」です。もしストーリーではなくプロットをそのまま観客に話してしまうと、ネタバレを含んじゃうからダメな訳ですね(笑)

さて、このプロットに対する熟考が映画『AHAWI』には欠けていると思います。

■ 「プロット」の力 ー 物語に厚みが増す

プロットはさっきあげた例の様に、実際に映画内で起きる物事をカバーするだけでなく、その物語が始まる前や各キャラクターや舞台の過去についての構想も含みます。

何度もしつこいですが、ストーリーというのは「どう見せるか」です。逆に言えば、これはあくまで全体の時の流れの中の一部を切り取り、ある1つの視点から物事を見せただけに過ぎない。

オリバーは『AHAWI』の物語が始まる前から生きており、サロニタは『AHAWI』の物語が終わった後も生き続けるのです。映画『AHAWI』にはオリバーやサロニタの人生、舞台となる森や自然の歴史などが語られていない。つまり、プロットの片鱗が見えない。

プロットにまつわる非常に興味深い話があります。

それは倉本聰さんがドラマを作る上で、まずストーリーを作る前に「登場人物の履歴書を作る」というエピソード。人物像をや物語に厚みを作り出す為、実際のお話では一切語られないような設定や過去を長い時間かけて練り上げる。これもまさしくプロットの一環です。

👇 登場人物の履歴書を作る [13:36~18:43]

記事を読んでいる方はこう思ったかも知れません。

「もし仮にそんないろんな情報を詰め込もうとしたら、映画が20分じゃ収まらないよ。2時間の映画やドラマだから出来る話だよ」と。

でもそれは違います。新たにシーンを加えたり、尺を伸ばしたり、台詞を増やして長々しく語るようなことをせずとも、プロットの要素をストーリーに取り入れる事は出来ます。

キャラクターが着ているコスチュームに手を加えたり、小道具・大道具の1つ1つをもっと凝ったり、キャラクターの動作1つや顔の表情、台詞をほんのちょっと変えるような事で、ストーリー以外の”何か”がある事、”プロット”がある事を匂わせるのは十分に可能なのです。そうする事で、ストーリーはより何層も深みを増します。短編・長編は関係ありません。

”語られないストーリーを描いてこそ、語られるストーリーが活きる”

その語られるストーリーの良し悪しを左右するのが、”プロット”がどれだけ綿密に作り上げられたかという事なんです。

ここにもっと時間を使うことが出来たら更に良いものが出来たと思う、今そんなことをプロデューサーとしては反省しています。。。今日は以上です!

ではまた!
With Nature!

[AHAWI Member]
以下のメンバーは、「AHAWI製作スタッフ」や「寄付をして頂いた方」、
「AHAWI Facebook Groupに参加されている方」を限定とした「計71名」の方のお名前です。新たに人数が増え次第、順次名前を記載させてもらっています。ここにあるお名前は”AHAWI Member”として完成した映画のエンドロールにも載せます!本当に有難うございます。これからもどうぞ宜しくお願いします!


Shotaro Kanari, Shotaro Oiwa, Yuki Higashi, Keisuke Hoshino, Tomoya Sakurai, Blake Dean Allen, Bronson Crabtree, Casey Floyd, Ec Haynes, Elizabeth Rushing, Gary Anderson, Graham Vowell, Harrison Turnipseed, Jack Barr, Joanna Mayall, Kristin Barker, Takashi Uneda, Timothy Morrison, Tamao Suzuki, Casey Hubbard, Marty Lang, Bernard Vignarath, Ryota Hayashi, Shohei Yamashita, David House, Sarai Camarillo, Tyler Kelly, Dewey Farmer, Avery Rudolph, Amielynn Woodall, Takumi Mori, Paul Suskie, Zoe Cotten, Cole Arnett, Marisa Perry, Gyamtso Sherpa, Subas Aryal, Makoto Nakao, Masashi Tsuda, Ronda Schilling, Remington Gonser, Hazuki Sakamoto, Cady Chumley, Benjamin Favorite, Lydia Julian, Kyle Felton, Madalyn Derrick, Mir AK Talpur, Izumi Liss, Steven Lance, Chris Churchill, Risa Ozeki, Ryuichi Suzuki, Masamune Ishibashi, Fujiko Oiwa, Akio Uchibori, Chiemi Shimizu, Takashi Ueda, Hidefumi Oiwa, Hayato Nakamura, Susan Barron, Yasuma Tachi, Norifumi Oiwa, Ryota Hayashi, Takaharu Hata, Ensei Miura, Nobuaki Higashi, Tizu Fukui, Mako Matsumoto, Kana Sakata, Paul Hester, Kazumi Mase, Tsutomu Matsunaga, Ann McSwain, Yoko McSwain

現在アメリカで短編映画”AHAWI”を製作しています!
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