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【開催レポート】ダンテ『神曲』を語る読書会地獄篇 2023年8月21日(土)
水野ゼミの本屋の書店主、itatana(イタターナ)さまが主催するイタリア文学の課題本型読書会。主催者が背水の陣で臨む連続読書会。地獄篇、煉獄篇、天国篇の3回に分けて行います。
参加者は主催者を含め11名。告知後すぐに満員札止めになりました。
『神曲』の人気の高さが伺えます。
挨拶もそこそこに、各々感想を言っていきます。
さっそく「おもしろくない」という意見が。地獄がイメージできない、キリスト教の知識がないとわからない、感情移入できないなど、面白くないポイントは次から次へと出てきます。
一方で地獄をテーマパークのように捉えて、ツアー感覚で楽しむ読者も。怪獣や蛇の登場シーンは映画にしても面白そうと盛り上がりました。
作中では、ダンテの政敵や異教徒が地獄で責め苦を味わっています。この様子にやりすぎではないかと引き気味の方が多い印象でした。責め苦にもバリエーションがあり、印象に残った責め苦を語る場面も。蛇にかまれたり、首が反対を向いたり、とっても生々しい拷問を語りました。
『神曲』をとっつきにくくしているのは、言葉の難しさにもあるようです。itatanaさま曰く、13世紀から14世紀のトスカーナ語で書かれた『神曲』は古文のようなもので、イタリア人にとっても難しいそうです。そう聞くと、日本語で読む私たちのハードルも下がります。翻訳者のスキルが試される分、翻訳するのが楽しそうという声も。
叙事詩である本作は、イタリア語で読むとちゃんと韻が踏まれています。ここでなんとitatanaさまに第一歌を朗読する無茶ぶりに応えていただきました。言葉の意味は分からなくとも、リズムのよさに一同拍手喝采。
『神曲』を読むためにはキリスト教、当時のフィレンツェをはじめイタリアの政治状況など幅広い知識が必要なことを再確認した参加者一同。再読からが本格的な読みになる、と一同納得の様子でした。
『神曲』は名作古典のため、多くの翻訳が出ています。参加者のみなさまはどの版を読まれたのでしょうか。
山川丙三郎訳 3名
三浦逸雄訳 1名
原基晶訳 4名
平川祐弘訳 3名
寿岳文章訳 1名
三浦訳と平川訳は挿絵もついていて、イメージしやすいとオススメでした。原訳は参考書のような文章ですが、より正確な訳を読みたい方におすすめです。
どの訳を手に取るかの参考になれば幸いです。
【次回開催案内】
ダンテ『神曲』を語る読書会 煉獄篇
2023年10月21日(土) 14時~15時30分
水野ゼミの本屋
【これまでの開催レポート】
2022年8月21日(日) 「ピノッキオ」を語る読書会
2022年10月8日(土) 『クオーレ』を語る読書会
2022年12月17日(土) 『ジャン・ブラスカの日記』を語る読書会
2023年2月18日(土) 『まっぷたつの子爵』を語る読書会
2023年4月15日(土) 『木のぼり男爵』を語る読書会
2023年6月17日(土) 『不在の騎士』を語る読書会
文責:青谷夏野
以上
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