一般企業×IT専門家がタッグを組み“コロナ禍を乗り切る新事業”を生 み出す 「DXO ESCORT 伴走支援プログラム」始動
近年、SNSをはじめとしてITが活用される場面は急速に増えました。コロナ以降その傾向はますます顕著です。
ITの可能性を生かし事業を推進したい、新規事業を展開したいと考える人も少なくありません。
しかし、「WEBのことはわからないから…」「デジタル方面は難しくて…」と、苦手意識を持ってしまう人も多数存在しています。
色々なSNSを試したけれどイマイチ成果がでなかったり、アイデアはあるのにその実現方法がわかならかったり。ITに対するハードルが高く感じられるのは、相談できるプロが身近にいないという現実もあります。
そこで誕生したのが DXO(Digital Transformation Oita)の 「ESCORT(エスコート) 伴走支援プログラム」。
IT初心者や興味があるけどどうしたらよいか困っている企業と、IT専門家がタッグを組み、コロナの影響を見据えた新ビジネスを構築しようという試みです。
DXO の詳細はこちら
DXO ESCORT の詳細はこちら
ここでは、2020年9月18日にOita Co.Lab Loungeにて開催された「DXO(Digital Transformation Oita)ESCORT 伴走支援プログラム」キックオフミーティングの様子をレポートします。
“withコロナを見据えたITビジネス”を大分から生み出したい
まだ少し暑さと明るさの残る午後6時、開会の様子です。30名ほどが会場に足を運びました。みなさん緊張する様子もなく、リラックスムードです。
大分県経営創造・金融課課長 馬場真由美さんによる、開会のあいさつが始まりました。
「withコロナを見据えたITビジネスを推進し、日本全国のロールモデルになる新ビジネスが生まれることを期待しています」
続いて、事務局である 株式会社コラボ Co-Founder 後藤洋介さん からの事業説明です。
DXO ESCORT 伴走支援プログラム」には19社エントリーがあり、選ばれたのは6社。これから6ヶ月間、22回程度話し合うことにより、ITを活用したビジネスプラン企画書を作ります。
はっきりしたビジョンをもっている企業、計画から一緒に考えたい企業、それぞれ状況は様々です。
「期間が決まってはいますが、プランができてしまえば開発業務に入っていただいて問題ありません。事務局と相談しながら進めましょう。
とはいえ、開発業務には資金が必要です。そんなときはこの人」
後藤さんが紹介したのは、株式会社ASO 代表取締役 シニアインキュベーションマネージャーの宮井 智史さんです。経営と資金調達のサポートを行います。
登場するやいなや、映し出された写真にケチをつけて会場をわかせました。
続いてIT専門家としてサポートする側の企業、サポートを受けたい企業、各6社の紹介です。それぞれ壇上に立って、短いスピーチが行われました。
「プロデューサーとなるサポート企業の選定基準は、経営経験が豊富でIT関連分野に精通している、または知識が深いこと。新規事業創出やサポート経験、プロデュース経験などがあること。
そして、私自信が信頼していて、いいヤツであることです!」
と、後藤さんからの説明もありました。
アイデアをカタチにして、困りごとを突破する 新しいIT事業の種
ひとりずつの紹介が終わり、いよいよIT専門家と一般企業のマッチング「伴走支援」パートナーの発表です。
マッチングされた企業同士が同じテーブルにつき、名刺交換やあいさつ、今後についてを話し合います。
ここからは、各企業の様子をお伝えしましょう。
職人技が光る高級家具店「ベストリビング」 × ブランド力を構築するデザイナー「Design totte」
ベストリビング株式会社
日田市にある、公共施設や企業など、プロ向けのソファを企画・製造する会社。1980年創業
越田 剛史 さん
大分県デザイン協会会長/株式会社Design totte 代表取締役
ブランド力を築く、デザイン経営のパートナーとして活躍。
ベストリビング・中村広樹さん
「コロナを機に事業の転換を考えました。自己満足や夢物語で終らせないために、ITやWEBを活用したいけれど、知識もなく難しくて。そこで今回手を挙げました。
今はワクワクしています。コロナで時間ができたからこそ、考えるきっかけができました。“やりたいことができる会社”に近づく第一歩だと思っています。
職人さんが主役の会社なので、職人さんも自分自身もワクワクできる状況になりたいですね。今後が楽しみです」
中村さんは、早くも手応えを感じている様子でした。
野菜で人をつなぐ会社「村ネットワーク」 × 全国から注目を集めるITベンチャー企業「イジゲン」
株式会社村ネットワーク
豊後大野市にある、野菜カット・野菜ペースト、カットフルーツなどの製造加工販売事業を行う
鶴岡 英明 さん
イジゲン株式会社 取締役CEO/GUGEN株式会社 代表取締役社長CEO
DXを推進するサービス「DX STUDIO」をイジゲンで展開中。GUGENはデザイン・ブランディングに特化した、イジゲンの子会社
受託加工業務における受発注を含めたオンラインシステムを作りたい、との思いから参加した村ネットワーク。
そしてイジゲンは、アイデアとスピードを持って様々な自社サービスを展開し、「農業DX」にも注力しているスタートアップ企業です。
お互いが相乗効果を生み、豊後大野から「農業DXのモデルケース」になることを期待されています。
制作体験が大好評のアクセサリーショップ「マリーヤン」 × SNS運営のプロ「モアモスト」
株式会社マリーヤン
大分市のアクセサリーショップ。体験工房やオーダーメイドアクセサリーの制作を行う
河野 忍 さん
株式会社モアモスト取締役会長/株式会社PetRibbon 代表取締役
モアモストはホームページ、通販、システム開発、WEBマーケティング、SNS広告運用などのIT事業を展開
マリーヤン・木本涼介さん
「今回は、予約方法について相談しています。おかげさまで今、電話やメール、SNSなどいろんなチャンネルから予約があるんですが、その対応業務に追われてしまっているんです。そこをITのチカラでなんとかできないかな、と。
いい解決方法が見つかれば、全国の同じような状況の人にも役立つんじゃないかなと思います」
河野さんも感心してしまう実行力と熱を持つという木本さん。的確なアドバイスがあれば、さらに事業が飛躍しそうです。
新規事業で全国展開を目指す「Free living.」 × 新規事業創出のプロフェッショナル「LAUNCH CRAFT」
株式会社Free living.
大分県でアパレル店・エステを運営
勝河 祥 さん
LAUNCH CRAFT合同会社 代表/OITA CREATIVE ACADEMY 校長
LAUNCH CRAFTはホームページ、アプリ制作をメインに行う会社。OITA CREATIVE ACADEMY は大分のクリエイターを育てる私塾
Free living.の田口和恵さんが目指すのは、「アパレルブランドサーチプラットフォーム事業」。まったくの新規であり、全国的に普及する可能性のある事業です。
この度、本業のアパレル事業から Free living. というIT会社をたちあげました。
プロデューサーである勝河さん、そして田口さんの事務所は同じ五番街。商店街からITに取り組むモデルケースとして、全国に先駆けた展開が期待されます。
大分の特産品を斬新なアイデアで打ち出す「クロメカンパニー」 × IT活用のプロコンサルタント「Think do be.」
クロメカンパニー株式会社
大分県の特産品である“くろめ”のたこ焼き製造販売、海産物加工販売などを行う
松田 史郎 さん
株式会社Think do be. 代表取締役
ITを活用した新しい働き方を提案する、企画経営コンサルティング会社
クロメカンパニー・宮田淳さん
「最先端のたこ焼きを作ったり、ドローンで運んでみたり、そんな誰もがしないおもしろいことをしたいです。
DXとは、ITとは何ぞや?という状態でわからないことばかりだけど、ITのチカラでアイデアを実現したいですね。目指すは世界です!」
楽しそうに夢を語る宮田さんと、そのアイデアに身を乗り出して賞賛する松田さん、とっても息のあったコンビです。
ヨガ・瞑想の心地よさを届けたい「Suku yoga space」 × 地方ならではのアイデアで課題解決する「HAB&Co.」
Suku yoga space
ヨガ、瞑想、呼吸法などのレッスンを行う
森 祐太 さん
株式会社HAB&Co. 代表取締役
新規事業開発、コンサルティング業務、マーケティング業務、WEB制作、システム開発、デザイン制作などを行う
Suku yoga space・佐々木一誠 さん、櫻井まみ さん
「まだ立ち上げたばかりなのに、コロナで状況が一変してしまいました。今後はオンラインなども積極的に取り入れたいです。
しかし色々なことが漠然としていて、相談できる人がいたらいいなと思い参加しました」
竹田に縁のある3人のコラボレーション、地方発の新しいヨガビジネスモデルが誕生するかもしれません。
まとめ
初顔合わせにもかかわらず、大いに話が盛り上がり、会場は賑わいをみせました。
各テーブルからは真剣に議論する声や楽しそうに弾む声が聴こえたり、お互い画面に見入る様子が見られたりして、それぞれの想いを存分に伝えあえたようです。
大分県の企業から発せられた悩みの声や課題は、全国で同じように困っている人たちがたくさんいるであろう問題。それぞれの企業とIT専門家がどんな解決方法を見つけるのか、どんな事業計画を立てるのか、今後の展開に目が離せません。
大分発・IT活用のロールモデルが誕生する日も、そう遠くはなさそうです。