流れに伏す倒木【奥入瀬 23/12/9】
奥入瀬渓流は安定した流量のおかげで、川の中の倒木や流木などがそのままにしてあります。
水の増減を激しく繰り返してしまう河川では、安全管理の都合上、倒木をそのままにしておくことはできません。
川の流れの中に樹が横たわる風景は奥入瀬渓流の日常的な風景でありながら、他ではあまり見ることができない特別な風景でもあるのです。
この倒木は野生動物達が川を渡る為の橋としても活用されています。
夏の間は分かりませんが、冬の間は積もった雪に足跡が残るので、ちゃんと使っているんだということが目に見えて分かるんです。
その模様もいつかご紹介したいと思います。
一番奥にある特大サイズの倒木、別角度から撮影しているのが冒頭の写真なんですが、実は去年の8月に倒れた、比較的新しい倒木なんです。
青森県で初めて線状降水帯が確認された時の大増水によって、根元から倒れてしまいました。
おそらく寿命を全うできずに倒れてしまったと思うので残念ではありますが、橋として活用されたり、奥入瀬渓流の一部として残り続けます。
冒頭の倒木で、特に気になったのは根元の部分。
身体のサイズに対して、根の張り方が浅過ぎるように感じるんです。
もちろん千切れてはいると思いますが、樹木側、地面側共にとてもフラットに見えるので、浅く広く根を張っていたのかなと推測しています。
元々、奥入瀬渓流はその成り立ちの都合上、土壌が分厚くないので、そもそも深くまで根を張りにくいという事情がありますが、それを考慮しても、浅過ぎるように感じます。
そんな根の張り方でその巨体をどうやって支えていたの!?というのが率直な疑問。
ちなみにこの倒木は私の大好きなカツラなんですが、この倒木のおかげで、生きているカツラの巨木を観る時の目線が変わりました。
目に見える地上部だけでなく、見えない地面の下の方まで気になるようになっちゃいました。
いつか透明の土が発明されないかなぁ…
なんて、ひっそり期待しています笑
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