【第4期_第8・9講義】地方発プロジェクト・アイデアソン
皆様こんにちは。
1月7日と8日の2日間にわたって行われた第8・9回講義のレポートを学生受講者の大庭が担当させていただきます。
今回は合同会社ADTI代表、大分大学経済学部講師の碇邦生氏をお招きして、地方発プロジェクト立案とアイデアソンというテーマで講演していただきました。
〇革新的な事業アイデアの生み出し方
今回の講義では、まず革新的な事業アイデアの生み出し方として、広く使われているシュンペーター理論と課題解決型理論について学びました。
・シュンペーター理論…既知のモノと既知のモノを掛け合わせて新しいモノを創り出す理論のこと。成功した事業アイデアは、既存のモノと既存のモノを掛け合わせて生み出されたものが多く、新しい組み合わせを考えることが重要だとする。
・課題解決型理論…顧客の課題解決を重点的に新しいモノを創り出す理論のこと。論理だったアイデアを出すことが得意で、確実性を重視する。反面、課題解決という答えを重視してしまい、アイデアの独創性が制限され、スケールが縮小することが課題としてある。
紹介した2つのアイデア創出の理論のほかにも、世の中には無数の理論があります。碇先生の講義では、このようなアイデア創出の理論には基礎となる古典的理論があると言います。
アイデア創出の理論の起源として紹介されたのは、「ギルフォードの知能構造モデル」でした。ギルフォードは、人間の知能構造について分析する中で、創造性の発揮が大事であるとともに、これらは誰でも発想することができるということを説きました。中でも、多種多様なアイデアを出す拡散思考と正解を論理的に導く収束思考をバランスよく発揮することが大切で、2つの思考は特別なことをしないと反比例するために意識をして訓練することが重要だと言います。
〇革新的な事業アイデアを出す4つの理論
この知能構造モデルを理解したうえで、革新的な事業アイデアを出す4つの理論をご説明いただきました。
「問題解決思考」は、問題解決のプロセスにおいてブレインストーミングの手法を用いて解決策を発見する理論です。よく知られた既知の問題を自分の問題として言い換え、事実確認を行うために情報収集を行い、問題点を再認識し、独自性の問題意識の深堀を行っていきます。
「デザイン思考」は、デザイナーの思考方法を取り入れたアイデアの発見方法です。IDEOの5ステップモデルが良く知られ、問題を探索し、本質は何かを理解し、そのうえで出たアイデアを試作によって具現化して、テストを繰り返すことで洗練させていきます。特に理論では、スケッチングでアイデアの粗い段階から見える化を行い、プロトタイプを作成することが重視されます。
「コーゼーション」は、最初にゴールビジョンを描き、そこから逆算して実現のための筋道を考える理論です。今回は、KGIとKPIという指標を用いながら、ゴールを明確化することで、KPI→解決策のアイデア→実行計画という一貫性を図る方法について学びました。
「エフェクチュエーション」は、熟達した起業家によく見られる思考パターンのことです。熟達した起業家は新規事業を考えるときに、①手の中の鳥(持っているリソースを活用してアイデアを考える)②損失の許容ラインを決める、③クレイジーキルト(パートナーシップの構築)、④レモネード(ピンチをチャンスと捉える)、➄飛行機の中のパイロット(動きながら計画する)という5つの特徴があります。熟達した起業家の特徴であるため、学生起業のような初心者には難しいところもありますが、できそうなところは部分的にでも積極的に取り入れていきたいと思える内容でした。。
〇グループワーク
今回のグループワークでは、問題意識からビジョンを描くために、以下の手順でグループワークを行いました。
特に、解決策をストーリーに表す時間では、話し合いだけでは見えてこなかった発見や新たな課題が次々に出てきました。人に伝えるという行動1つでも手段が違えば見えてくる結果も変わってくることを学ぶことができました。
〇受講後の感想
今回のワークショップを通して、私たちのグループが生み出すアイデアに、誰に、どのような感じで、何を目的にという様々な肉付けをすることができました。革新的なアイデアという1本の柱に、いろいろな手法を用いてさらに具体化させるという作業がとても重要であると同時に、私自身、様々な視点を学ぶことができとても面白かったワークショップとなりました。
今回の講義レポートは以上となります。
次回は、私たちの考えた事業アイデアを発表する最終プレゼンになります。ほかのグループがどのようなアイデアを考えているのかとても興味があり楽しみです!
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