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「芝うらの風景」−ゆりかもめも芝肴で海水を嗜んでいる、、笑−『名所江戸百景』

今日は久々に一日中家にいました。いつぶりだろうとカレンダーを見返すと、3月16日以来。あの日のnoteを振り返ると、花粉に悩まされた日だったみたい笑。

今日は雨で外出てカフェで勉強なんてできませんでしたけれど、フランス語の勉強が一段と捗りました!

4月に入って明日からはバイトも軽めの時間帯にして、就活最中や社会人一年目の友人たちとの約束も一切ないので勉強と息抜きを交互に組める期間に入っています。行きたい候補の研究室の教授の著書をAmazonで一気に購入したので届いたら熟読したいと思います。

そんな気合の入った休日も広重。今回は『名所江戸百景』「芝うらの風景」です。

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◼️ファーストインプレッション

芝浦というとモノレールのゆりかもめ芝浦ふ頭周辺のことでしょう。お台場に行くまでのレインボーブリッジを渡ってからのいくつかめの駅ですね。

この絵で描かれている海も江戸湾でしょう。右の岸は汐留や新橋あたりの岸だと予想します。堀の上に松が生い茂っていますが、どこかの武家屋敷のような格式ある建物でしょう。

海に浮かぶ船たちも大小それぞれありますが、輸出入の多さと人のお往来の多さがわかります。鳥たちが同じ方向を向いて降り浮かぼうとしていますが、何か餌食となる魚の群でもいたのでしょうか。彼らが一気に水面に浮かんでぴよぴよ、、と高い音の囀りを轟かせている様子が想像できます。

この絵は遠近の表現の仕方が巧妙で、手前の鳥が大きく描かれているのはもちろん、堀が奥まるにつれて画角の中でだんだん出てくるにつれて水平線あたりに集中して透視図法的な効果があると感じます。その先に帆を立てた船や鳥の軍があることで視線を送ることができるのです。

◼️芝浦

一時期フジテレビでバイトをしていたことがあり現在のお台場について詳しい気でいましたが、ゆりかもめ周辺の地理や江戸時代の地理についてはあまり詳しくないのが悔しいところ。

ちゃんと地図を見るとただゆりかもめの沿線なだけでしたね。

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左下に芝浦ふ頭駅がありますが、実はここ周辺から描いているわけではないそう。もうちょっと北に行ったところにある「浜離宮恩賜庭園」と書かれているところの東角あたりから描かれているそう。

なんでそうなるかというと、その浜離宮恩賜庭園がまさに絵の右岸の松の茂る場所であるからです。

江戸時代この地は海沿いの葦原で、徳川家の鷹狩場でした。そこに1654年、4代将軍・家綱の弟の松平綱重が海を埋め立てて別邸を建築。「甲府浜屋敷」と呼ばれていましたが、綱重の子の綱豊(家宣) が6代将軍になった際に将軍家の別邸とされ、「浜御殿」と名前を改めました。

江戸時代の4代家綱の時から続いているのですね。将軍の別邸だったことから浜御殿と呼ばれていたそう。描かれている時もそのように呼ばれていたのでしょう。

江戸時代の将軍たちが鷹狩りの休憩所としていたのが「御茶屋」。休憩だけでなく、食事をしたり、招いた客と調度品を鑑賞したりする場としても重要だったそうです。
11代将軍の家斉の時代に「鷹の御茶屋」「松の御茶屋」「燕の御茶屋」が建てられ、浜御殿は庭園としての最盛期を迎えます。どの御茶屋も戦災や地震で焼失してしまいましたが、現在の浜離宮恩賜庭園には当時の姿が復元されています。

この浜御殿は鷹狩の舞台となったのでこのように描かれているのです。それ用の茶室も用意されたほど公式の鷹狩が公認された場所で重宝されたのでしょう。

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芳藤「徳川十五代記略」 「十代将軍家治公鷹狩之図」です。

初めて聞く絵師。地上の人々が空飛ぶ鷹に向かって何かを囃し立てているのがわかります。鷹が鶴のような大きめの鳥を捕らえようとしている、まさに殺生の場面ですね。まるで食物連鎖のように見せた間接的な狩猟ですね。

これを見物するための舞台が用意されてたのが浜御殿というわけです。


◼️芝肴

この芝浦辺りで獲れる魚を芝肴と呼ぶそう。

江戸芝浦あたりの海でとれた小魚。芝物。芝浦魚。


まさにその通りすぎる。

なかなかこれが美味で江戸中で人気だったそう。

こちらの記事に、もっと芝の海産物について記載があります。

食事太華さんという三田の和食料理屋さんの特集であるようですね。

江戸時代の芝には芝浜という人気のビーチリゾートがありました。
遠浅の漁場でもあり、芝えび、鱚(きす)、ハゼ、あさりなどいろいろな小魚や魚介が水揚げされ、ここで獲れたものを芝肴(しばざかな)といったそう。

芝肴の中には芝えび、芝煮といった料理があるらしいですね。ここの店主は芝えび好きが興じて三田でお店を開いたということ。江戸の料理に熱中した店主の料理を一度は食べてみたいものです!


今回は描かれた舞台の地理関係と、芝肴、第一印象について語っていきました!

今日はここまで!


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