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「日本橋」−魚市見るとお寿司を食べたくなる−『江戸名所図会』

朝、デッキに出た時に中指の先に木屑が刺さりました。
こんな体験、久々だったのでピンセットを使って慎重に棘を抜きました。

その時に抜け切れたと思いましたが、実は少しだけ残っていました。
いつこいつが姿を消すか楽しみですが、それが外に出るのか中に消えるのかで心配の度合いが変わります笑。

10年前くらいに同じ状況で刺さった棘が手の甲にまだ残っているので、同じように私の手の一部になるのかもしれません。

なんてちょっと感傷的な言い方をしていますが、普通に痛いので治って欲しいです。

そんな手の中の棘が気になる今日も『江戸名所図会』

今回は「日本橋」

国立国会図書館蔵

やはり日本橋というだけあって人の多さがトンデモな量です。
人々の多さももちろんですが、川に浮かぶ船の量も異常。
当時にしたらこれが普通の光景だったのでしょう。

橋の向こう側に高札がいくつも掲げられていることがわかりますね。
こちら側には振り売りが何人もいることが見受けられますので、こちら側が魚河岸。


国立国会図書館蔵

日本橋は長さが二十八間、つまり1.82m×28で50.96でおよそ51mというところでしょう。
今の橋の長さも同じくらいだったので、当時のままなのでしょうか。

万治元年九月造立とのことで、1658年からある橋です。

「此地は江戸の中央にして諸方への行程も此所より定めしむ橋上の往来は貴となく賤となく絡繹として間断なし又橋下を漕ぎつたふ漁船の出入旦より暮に至る迄嗷嗷として○し」

この日本橋は江戸の中心として通る人々の貴賤も関係なくヒッチャカメッチャカな状態だったということですね。
船もまた同様に朝晩問わずひっきりなしに船が通っている様子が見られたそうです。

日本橋の由来も「旭日東海を出るを親見る」ゆえに名付けられたとされています。
「旭日東海を出るを親見る」というのは、日出処の天子的なことで、太平洋で一番最初に旭日を浴びて東海地方に見えるのを日本(親)が見ているというということでしょうか。


国立国会図書館蔵

こちらでは魚市が描かれています。
これもまた浮世絵でよく見る光景。

この魚市は日夜を問わず、賑わいを見せていたとのこと。
夜は立ち食い寿司で腹を満たす江戸の人々もいたでしょう。
ああ、お寿司食べたいな。


国立国会図書館蔵

広重『東都名所』「日本橋真景并ニ魚市全図」です。
この絵は日本橋を描いた浮世絵の中でも『江戸名所図会』に似せた作品であると思います。
ただ、『江戸名所図会』には富士山は描かれていなかったのでそこは広重のオリジナリティでしょう。


国立国会図書館蔵

歌川国安『日本橋魚市繁栄図』です。
この絵は特に『江戸名所図会』を参照した跡は見られませんが、繁栄の様子がわかります。
体格の良い男性が桶に入った魚介類を市場に運んでいる様子や、そこで売られるものを買いにきた人々が闊歩している様子が見られます。
今よりも新鮮なものが置いてあったのかなと思いましたが、保存の方法が現在よりも拙いものなので傷みやすかったのかもしれません。

お寿司を食べたいので今日はここまで!
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