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第18回|ネイチャープラネット 坂内剛至さんインタビュー【前編】

こんにちは。
大谷でできることを増やす場所OHYA BASEの管理人です。
朝の気温が氷点下になる日も増えてきた大谷町。
寒くて震えますね…。

2022年最後のnoteはOHYA UNDERGROUNDを運営するLLPチイキカチ計画の一員、有限会社ネイチャープラネット代表・坂内剛至サカウチタカシさんのインタビュー【前編】をお届けします。

坂内さん a.k.a. コロスケさん
注)気軽に呼んでもらえるようにガイドたちは「ガイドネーム」というのを持ってるんです。
コロスケさんはOHYA UNDERGROUNDツアーのガイドに出ることも多いので、BASEで顔を合わせたことがある方もいるのではないでしょうか?
今回はOHYA UNDERGROUNDツアー始動前の調査についての貴重な話や、なぜ地元でアウトドアアクティビティ事業を立ち上げたかなど、アツいトピックをたくさん聞かせてくれましたよ。


アクティビティを楽しんでもらうための、裏方仕事。

ネイチャープラネット代表 坂内 剛至サカウチタカシです。
主に日光・鬼怒川エリアでアウトドアアクティビティ事業をしています。
1974年5月24日生まれ、双子座、B型。
3つ上に兄貴がいて、自分は次男、1つ下に妹がいます。
日光市川治温泉出身。
今も川治に住んでいます。

いっぱい情報ありがとうございます、笑!
アウトドアアクティビティ事業、例えばどんなことを?

本拠地の川治温泉はじめ、湯西川や那須塩原市の板室ダムなどでカヌーやカヤック、SUPのツアー、他にも季節に合わせてトレッキングやスノーシューなども。
ワンちゃん連れで楽しめるアクティビティも提供してます。
OHYA BASEを拠点とするLLPチイキカチ計画の一員としては、OHYA UNDERGROUNDを運営していて、主にツアー造成やガイドを担当しています。

カヤックツアー、皆さん楽しそう!
愛犬と一緒に楽しめるアクティビティも

LLPチイキカチ計画は、アウトドア事業者のネイチャープラネットNAOC、そして地域商社のファーマーズフォレスト、空間プロデュースのビルススタジオと、それぞれの専門分野で活躍する栃木県内の4社で構成されてますね。
担当している「ツアー造成」っていうのは…?

まずは調査。
安全管理については言わずもがな、フィールドをどう使うか、ツアー全体をどんな構成にするか、お客さんに面白さや気持ちよさをより味わってもらえるサービスになるよう何度も検証をします。

OHYA UNDERGROUNDに関しては、調査に年単位の時間をかけましたね。

年!!!

最終的にツアーで使うことにならなかったところ含め、地主さんの許可をいただいていくつかの採掘跡地に調査に入らせてもらった。
初めはカヤックを出したんだけど転覆のリスクがあると感じて、安定感のあるラフティングボートに替えて。
中には「こんなところからボート降ろすの?!」みたいな狭いところも。

そしてゴミ、いわゆる不法投棄があるところも多かった。
現在ツアーでご案内している地底湖も、調査当時は大きな発泡スチロール板だらけで。
浮いてるのを引っ掛けて、手繰り寄せてボートに乗せて、回収しました。
すべて人力なのですごく時間はかかったけど、なんとかきれいになりました。
そういうこともやりながら。
ツアーの輪郭が定まってきたら、モニターツアーを実施してさらにブラッシュアップする。そして最終的にアクティビティツアーとしてお客さんに提供できるかたちに仕上げていきます。

直接目には見えないところですが、その地域に関わる方たちへの連絡や調整をしたりなどの関係づくりも、実はフィールドを使わせていただく上での大切な仕事です。

OHYA UNDERGROUNDツアーでしか体験できない「地底湖クルージング」

なるほど。
アクティビティ2社は、外向きにはお客さんをアテンドするガイドという印象が強いですが、ツアー立ち上げ前にはこんな動きもしていたんですね!

華やかで楽しい仕事に見えるけど、表に見えない準備や地味な裏方仕事もいっぱいあります。
地元界隈の人にも「お前たちはいつも船で遊んで金を稼げていいよなぁ!」とか冗談半分で言われたりするけど、笑。

満員の予約が入っていたとしても台風が来て全てのツアーが中止ってこともあるし、水量によってはその後数日間水辺のアクティビティができなくなることもある。
あと昨今のコロナ禍なんか本当そうだけど、世の中の人の流れが一度ストップしちゃうとお客さんに全く来てもらえなくなるという怖さも今回味わった。
楽しいことだけでなく、そういう厳しい部分もあります。


ケアンズでラフティングを体験して、いつか自分もこういう仕事を。

ネイチャープラネット立ち上げ前はどんなお仕事してたんですか?

大学を卒業してからは、2社で4年ぐらい会社勤めを経験しました。
で、その次は篠井にある宇都宮市の冒険活動センターに3年間。
冒険活動センターに入る頃には、ゆくゆくは今みたいな仕事をやりたいなという思いが既にあったので、ネイチャープラネットを立ち上げるのに繋がるようなこと入って学ばせてもらった。

冒険活動センターではどんなことしてたんですか?

子どもたちとの活動の様子

野外炊飯に、登山に、いろんなプログラムがあったなぁ。
宇都宮市内の全小中学生が授業の一環で来るようなところだったから、子どもたちと一緒に何かに取り組むっていうのをたくさんやって。
本当に勉強になりました。
野外教育っていうやり方でのチームビルディングっていうのかな。
みんなで協力して課題解決をする「イニシアティブゲーム」っていうのがあって。

「高さ3mの壁を全員で協力して越える」とかそういうのですよね?

そうそうそう。
やり方を聞いたら簡単にできちゃうんだけど、答えを教えるんじゃなくて子どもたちの意見を聞いてうまく引き出して、子どもたちの力で解決させるように導く。
例えばグループの中でリーダー的な子がいると、その子がいろんなアイデアを出すんだけど、どれもうまくいかなくて。
一方で普段はあまり自分の意見を言わないような子もいて。
そういう子がぼそっとすごくいいことを言ったりすることがあるんだよね。
けど、メンバーは「そんなの無理だよ」って、即却下したりする。
そういうときに「いや、ちょっと待って」「今、いいこと言ったかもしれないから、やってみたら?」ぐらいの声だけかける。
そしたらそれで課題解決できちゃったりすることがある。
発案した子自身は言ったことが評価された!解決につながった!ってすごい自信に繋がるし、他の子たちからも「おー!すごいじゃん!」みたいに急に言われ出して。
そういう成長を間近で見られたりもして、貴重な、本当にやり甲斐のある仕事だったなぁ。

その話を聞いただけでも、勉強になりました…!
ところで、坂内さんはどうしてアウトドアガイドの仕事をしたいって思うようになったんですか?

最初に入った会社の社員旅行でオーストラリアのケアンズに行ったのがきっかけですね。
そこでバンジージャンプとか、ラフティングとか、シュノーケリングとか、アウトドアアクティビティをいくつか体験してきたんだよね。

そこで、あぁ、いいなぁ、こういうの、うちの方にもこんなフィールドあるんだけどなぁ、って思って。
ラフティングが特に強く感じたかな。
それで帰ってきてから調べた。
そしたら海外にしかない遊びかと思ってたのにもう日本にも入ってきてて、いつか自分もああいう仕事をしたい、って思いが芽生えた。
けど、もう就職したからなぁ…って悶々としながらサラリーマン生活、笑。
最初はぽわーんと憧れてる程度だったんだけど、やっぱりやってみたいっていう思いがだんだん強くなっていった。

「川治って何か遊ぶところあります?」って聞かれたときに温泉ぐらいしかしか答えることがなくて。
でもなんか違うんだよなぁ、ってずっと思ってた。
こんなに自然豊かで恵まれたフィールドがあるのに活かしきれてないだけなんだよな、って。

それでダム湖を使ってカヌーやったら面白いんじゃないかな?とか想像したりして。
だったら自分で遊び場を作っちゃえばいいんじゃないか?っていうのが始まりだったんだと思う。

川治温泉は温泉だけじゃない!
恵まれたフィールドを生かしたツアー
見て、この水の透明度!

そういう経緯だったんですねー!
アウトドアガイドって、アウトドアが好きな目立ちたがり屋さん、って偏見があるんです(失礼!)けど、笑、坂内さんはどうですか?

どうかなぁ、笑。
自分が目立つかどうかより、人を喜ばせたいって感じかなぁ。
お客さんが喜んでる姿に幸せとか満足を感じる。

ツアーの締めに拍手をいただけることもあるし、時にはサーッと引いちゃったりもあるけど、笑、それをダイレクトに感じられるのもガイドという仕事の醍醐味。
日々ガイディングの力量が試されています。

「目立ちたがり」なんてひどい言い方しちゃった、笑。
アウトドアフィールドの魅力を伝えたいっていう使命感と、人を喜ばせたいっていう気持ちの合わせ技ですね!

仕事でもオフでも山に行くという坂内さん。
ツアーにはツアーの、プライベートにはプライベートの楽しみ方がある。

坂内さんのガイドとしてのスタンスが垣間見えたところで【前編】は終了。
【後編】では大谷の魅力についてガッツリ話してもらいました。
次回アップは2023年1月上旬を予定しています。

note、なんとか続けて今回で第18回になりました。
視察先などでも「読んでますよ!」と声をかけていただけること多々。
とってもうれしいです。
このnoteはOHYA BASEのメンバー名鑑を作るようなつもりで書いてます。
ナイスな仲間たちの魅力が伝わるといいな、と思いながら。

OHYA BASEは「大谷でできることを増やす場所」です。
ではまた来年!
皆さま、楽しいクリスマスとお正月をお過ごしください。

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