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教科書に出てこないニュース英語

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世界の英語ニュースサイトから教科書には出てこない語彙を拾い上げ、その意味の広がりと記事内容の解説を試みます。意外な意味や日本ではあまり紹介されない世界情勢を紹介します。
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#時事英語

residential school=寄宿学校 | 教科書に出てこないニュース英語 《カナダ・先住民》

多文化共生の先進国カナダにもこのような状況があるのか、とその現実への理解が深まった記事でした。 (タイトルの写真はAIによるイメージ写真です。実際の建物の写真等は記事中の 動画 https://www.cbc.ca/player/play/video/9.6549964 を参照してください。) この単語、'residential school'は、カナダの公共放送 CBCのウェブサイトで2024年11月1日に配信された記事の見出しで使われていました。 ◾️'reside

pager=ポケットベル | 教科書に出てこないニュース英語 《UAE・持ち込み禁止》

インドの国営放送 DD NEWSのウェブサイトで、2024年10月5日に配信された記事の見出しで使われていました。 https://ddnews.gov.in/en/dubais-emirates-airlines-bans-pagers-walkie-talkies-after-lebanon-attacks/ 内容は、タイトル画像ですでに予想された方もおられるでしょう。日本の新聞にも同様の記事が載っていました。 まず、カタカナ英語と元の英単語の違いを簡単に見てみまし

scam= 詐欺 | 教科書に出てこないニュース英語 《スペイン・偽セレブ投資詐欺》

アメリカCNNのウェブサイトで、2024年9月24日に配信された記事の見出しで使われていました。 見出しの通りの内容ですが、いつものように少し深掘りしてみましょう。 ◾️'scam'を辞書で引くと 社会人必須レベルでした。小説でもないと教科書には出てきにくい単語です。この見出しでは名詞ですが、動詞でも使えることがわかります。 詐欺師を表す単語は2種類。普通に-erがついたものと、-sterがついたものがありました。 この-sterという接尾辞を辞書で引くと とあり

charge= 突進する | 教科書に出てこないニュース英語 《カナダ・野生動物との共生》

カナダの公共放送CBCのウェブサイトで、2024年9月24日に配信された記事の見出しで使われていました。 chargeの意外な意味と、日本でも問題になっている住宅敷地へのクマの侵入の話題です。 ◾️'charge'を辞書で引くと いろいろ、意外な意味がありました。 日本語でチャージといえば、まず思い浮かぶのは、4の「充電する」です。 たしかにこの意味もあるのですが、意味の中心的なイメージは「負荷・負担をかける」でした。 そういえば、最近は電子マネーの口座にお金をチャ

arson= 放火(罪) | 教科書に出てこないニュース英語 《ブラジル・環境》

ブラジルの国営公共ニュースメディアAgênciaBrasilのウェブサイトで、2024年9月17日に配信された記事の見出しで使われていました。 ◾️'arson'を辞書で引くと シンプルで意味の広がりはありません。 社会人必須レベルとのことです。確かに教科書では出会いませんでした。 いつものように語源辞典も見てみましょう。 簡単にまとめると、 ・英語としては17世紀から ・ラテン語→フランス語→英語の順で生成 …ということでした。が、あまり記憶に役立つ情報はありません

fearmongering tactics= 不安を煽る手法 | 教科書に出てこないニュース英語 《シンガポール・ネイルサロン》

シンガポールに本拠を置くメディア企業、CNA のウェブサイトで、2024年9月17日に配信された記事の見出しで使われていました。 ◾️'Fearmongering'を辞書で引くと 小学館 プログレッシブ英和中辞典(goo辞書)では、 Fearmongeringは掲載されていません。しかし、mongerだけならありました。 「通例複合語で」と書いてあったので、mongerで終わる語を検索するといくつも出てきました。<〜系>は、私の勝手な分類です。 fearとscareは

impose a curfew= 夜間外出禁止令を発令する | 教科書に出てこないニュース英語 《インド・民族紛争》

中東カタールの放送局、Aljazeera のウェブサイトで、2024年9月10日に配信された記事の見出しで使われていました。 ◾️'curfew'を辞書で引くと 小学館 プログレッシブ英和中辞典(goo辞書)の記載は… この文脈(暴力激化抑制)では、 最初に書かれた「(戒厳令下での)夜間外出禁止令」 の意味でしょう。 語源に言及がありますが、これでは分かりにくいので、いつものように語源辞典で深掘りしてみましょう。 つまり、 フランス語起源で、 cur(=cover)

hike= (急激な)値上げ | 教科書に出てこないニュース英語 《カナダの郵便料金》

カナダの公共放送、CBC のウェブサイトで、2024年9月6日に配信された記事の見出しで使われていました。 ◾️'hike'を辞書で引くと 小学館 プログレッシブ英和中辞典(goo辞書)の記載は… この文脈(切手と収入増)では、 名詞の2番目、「(物価・給料などの)抜き打ち的な大幅引き上げ」 の意味で使われているのは明白です。 しかし、ハイキングと値上げがどうつながるのでしょう? いつものように語源辞典で深掘りしてみましょう。 「ハイキング」と「ズボンや値段を引き

swelter= 暑さにうだる | 教科書に出てこないニュース英語 《アメリカ》

アメリカの公共放送、PBS News Hour のウェブサイトで、2024年9月3日に配信された記事の見出しで使われていました。 暑い中、暑さの話題で恐縮です。 ◾️'swelter'を辞書で引くと 小学館 プログレッシブ英和中辞典(goo辞書)の記載は… 語源辞典で深掘りしてみると、 つまり、「ゆっくりと燃える」から来ているそうです。 また、14世紀中頃にはこの言葉が必要な気候が存在していたんですね。 ・・・ ◾️アメリカ南西部のフェニックスでは5月27日に気温

rally=(政治)集会を開く | 教科書に出てこないニュース英語 《ベネズエラ》

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al Jazeera)のウェブサイトで、2024年8月28日に配信された記事の見出しで使われていました。 ◾️'rally'を辞書で引くと カタカナの「ラリー」といえば、パリ・ダカールラリーといった自動車レースか、テニスの打ち合いが続くラリーです。 しかし、このニュースは南米ベネズエラで行われた選挙についてのものであるので、どちらとも違うことが明らかです。 辞書を引くと、レースも打ち合いも、意味はありますが、出てくるのは後ろの方で

domestic helpers=家政婦 | 教科書に出てこないニュース英語 《韓国の公共放送から》

韓国の公共放送局韓国放送公社KBSの国際版、KBS WORLDで2024年8月5日に配信された記事の見出しで使われていました。 'domestic'は、少なくとも高校の教科書には出てきますが、'domestic helper'という語として取り上げました。 ◾️'domestic'を辞書で引くと 下にあるように、身近な語に使われます。名詞の使い方があるのは知りませんでした。「召使い」「夫婦間のけんか」などという意味もあるのですね。domestic~の、〜の部分をあえて言

debris=瓦礫 | 教科書に出てこないニュース英語 《アメリカの公共放送から》

アメリカの非営利の公共放送サービスPublic Broadcasting Service(PBS)が提供するニュース番組、PBS NEWSの電子版で2024年8月1日に配信された記事の見出しで使われていました。 ◾️'debris'を辞書で引くと goo辞書の記載は、 英語学習的には、U: 数えられない名詞 uncountableであることに注意です。 レベルとしては大学入試レベルでした。教科書で遭遇した記憶がないのですが。 Mac OS搭載のウィズダム英和辞典では、

cross red lines=越えてはならない一線を越える | 教科書に出てこないニュース英語 《UAEのニュースから》

UAE(アラブ主張国連合)のメディア The Nationalの電子版で2024年7月31日に配信された記事の見出しで使われていました。 'red line'を辞書で引くと goo辞書では、英和・和英辞典にはなく、国語辞典に記載されていました。 しかし、 ケンブリッジのウェブ版辞書では とあり、アイスホッケーのことは書かれていません。もはや2番目の一般的な意味の方だけが市民権を得ているようです。 「超えてはならない一線」を超える行為とは? 今回の記事によると

anti-trafficking efforts=人身売買対策 | 教科書に出てこないニュース英語 《フィジーのニュースから》

(タイトル画像はThe European Commissionのサイトhttps://home-affairs.ec.europa.eu/whats-new/communication-campaigns/end-human-trafficking-break-invisible-chain_enより) フィジーの国営放送the Fiji Broadcasting Corporation(FBC)の電子版で2024年7月31日に配信された記事の見出しで使われていました。