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さよなら だいすき さよなら≪絵本作家が書く作詞note4≫

さよなら だいすき さよなら


お天気の日の傘みたいに
たたんだまま おいてゆくよ
さよなら だいすき さよなら
見ていてね そこから

雨上がりの駅を歩き出す
階段の一歩目を
こっそりあなたと揃えた

誰にも気付かれないけど
あなたにも届いてないけど
まなざしはちゃんとかなえられてる
洗われた西陽の時刻に

同じ教室で 同じ教科書で
うれしかっただけ

LIFE I LOVE YOU
まねしてくちずさんだり
あなたのためのいくつもの
願い事があったよ
さよなら だいすき さよなら
手を振るよ ここから

声が聞こえる場所で
声をかけずいるのは
少しずつ ひとつずつ
会えなくなる練習

同じ夕暮れの 同じチャイム
窓に空に咲いてる

あなたがついたうそも
わたしが忘れた涙も
まちがいなんて
ひとつもないんだからね

はじまりをくれたね
さよならを返すね
真上ちょうどの三日月が
今日いちばんのできごと

胸いっぱい だいすき それから
元気でね さよなら

さよなら だいすき さよなら
手を振るよ ここから


大学卒業の時のサークル誌に書いた自分の中では卒業ソング。そんな季節なので。
すきなひとが教えてくれた三日月とか、金の鳩賞みたいにうれしかったな。
それでもだいすきを締めくくろうと、稚拙なりにも自立を形にしようとしてるところ。片想いし続けることがつらくなくなったなら、ふるさとみたいに感じるようになってしまったなら、飛びたつべきなのかも。

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