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Real Face#2 |エッセイ


私の大学受験も我ながら
なかなかのギリギリさだった。


もう一生受験はしないぞ!の気持ちで
中学受験をして大学まで付属の一貫校に入学したのに
結局、ゴリゴリにセンター試験を受けて
一般受験をすることになった。

なぜそんなことになったのかと言うと、
行きたい学部が決められなかったからである。

ほな、美大生にでもなろうかね
テストも無さそうだし、といった感じだ。

高一最後の三者面談で
進路はどうする?と聞かれ
美大ですかねぇ、、と軽々しく告げると
担任は血相を変えた。

「美大!?予備校とか行ってる!?
もう遅いくらいだから早く探して!!!」
と大焦り。

藝大に行きたいとまでは言ってないんだけど、、
と思いながらも
すぐさま近所の美大予備校にぶち込まれた。

推薦でさっさと終わらせたかったが、
東京藝大彫刻学科卒の先生はそれを許さなかった。
こうして一般受験に向けて
デッサンやら平面構成やらを習ったが、
学科の勉強は1ミリもしないまま時は過ぎて行った。

模試などが行われ始めると
適当に塗りつぶすという戦法を取っていたため、
これはやばいと少し周りがざわついた。

少しは勉強しな…!と言われたが
勉強する気になれず、
ダウジングを習得しようと本を買ってきて
親に本気で応援されたりなどした。

ダウジングが習得できないまま挑んだセンター試験は
自分が受けなくてはいけない科目が終わってないにも関わらず、まあいっかということにして
帰宅してしまうというミスを犯した。
もちろん、全然よくなかった。
親にも、金払ってるんだからちゃんとやってくれ
とお叱りを受けた。
(ダウジング応援してたくせに…)


いよいよ本番の受験シーズンが到来。

美大受験の前の練習として、実技試験のある
一般大学の美術学科を受験をしろと言われていた。
全く受けたいと思う学科がなく、
しょうがなく建築学科を選んだら
美術学科じゃなかったので学科の試験しかなかった。当たり前の話だ。

私はアクリル絵の具を詰め込んだ大箱を持って行ったのに
周りは涼しい顔をした理系の人々しかいなかった。

「イメージできた?時間配分大丈夫そうだった?」
などと予備校の先生に聞かれたが、
間違えて受験できなかったと正直に告げることは出来なかった。
ここで詳しく説明しておくが、
予備校の先生は
“国立東京藝術大学出身の定期的に自分の個展を開くような彫刻家の小柄でキリリとしたおばあちゃん”先生だ。

そんなこんなで、
コイツ大学生になれないんじゃない…?
と不穏な空気が漂っていた美大受験の本番2日前。
なんと溶連菌に感染していることが判明した。40度近い高熱だ。

すでに滑り止めの滑り止めのような大学に1校
受かっていたので

もう私はここに進学するわ。。
溶連菌じゃぁ、もうしょうがない。。。

という気持ちで布団にくるまっていたのだが
予備校の先生からの電話が鳴り響く。

「人のことなんてどうでもいいから菌撒き散らかしてでも行きなさい!
本当に人のことなんてどうでもいい私が貴方に言ってるんだから行きなさいよ!!」

とのことだ。

泣きそうになりながら、絵の具セット、デッサン用の鉛筆などを準備し、受験会場に向かったのである。

溶連菌の中、2校受験し
無事どちらも合格したが、
片方の合格発表の前に、もう片方の入学金の支払い期限だった。

こうして決まった進学先で
メイクアップアーティスト志望のさはちゃんに
出会った。

自分では全然ヨユーで受かる気しかしてなかった
のだが、周りにはヒヤヒヤしたと言われる。
今自分で振り返ってみると
なんで余裕だったのか本当に謎ではあるが。

きっとアタマよりココロで考えるタイプ、
なんでね。
(Real Faceより)

おしみ
1998年3月生まれ、AB型
甘いものは、しょっぱいものを美味しく食べるために食べます。
極楽に生きたい!



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ギリギリのサハラ💥





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