見出し画像

この時代にわざわざ紙の名刺を作った結果


逍遥学派:制作の過程に続いて、逍遥学派の名刺の話をさせてください。

前回の記事については下記をご覧ください!


あえて紙の名刺を渡す理由

名刺もデジタルで管理する時代ですね。
本もデジタルで読むことも増え、本がなくなるんじゃないかって、私が学生の時から言われていました。(10年以上前)

でも、ある有名なエディトリアルデザイナーが、「紙の本はなくならない。」とおっしゃっていたことが今でも印象に残っています。

私もそんな気がしていて、
便利さ以上に、ものの質感や、本をめくっている時の充足感、持っているという所有感は、デジタルでは味わえない感覚があるからです。

それにやっぱり、RGBでは表現されない、CMYKの良さが紙のデザインや立体感のある本には存在しています。
実際に、デジタルで、ただ読みたいだけではなく、手元に立体物として飾っておきたい本がいくつかあります。

それと同じように、もらった時に、思わず問いたくなる、無視できない名刺を作ってやろうと思ったのです。


(余談)自分を変えてしまう制作という体験

私は広島の島に来るまでは東京で、広告デザインに関わる仕事をしてきました。
その時私は、自分がなぜこのデザインを作るのか、あまり手触り感を持って作ることができない日々を過ごしていました。

最近ようやくその謎がちょっと解けてきたのです。

この間、Facebookに投稿した時に、「制作する」という意味が自分の中で変わった話を書きました。

ここ最近、「制作する」という意味が自分の中で変わる体験をしています。
今まで作ることはとても苦しいことでした。自分の中にあるイメージを表に出すことは、=評価されることで、そうなるとより作ることが億劫に感じることがほとんどでした。また、どんなに良いアイデアが浮かんでもそれを納得できる形にできないことは自分を「制作する」ことから遠ざけていきました。

しかし、どうしても表現するということを諦められない気持ちがありました。
思い起こすと、自分が美しいと感じるものは夕日や紅葉、有名な絵画など、その表面(目で見たそのままの状態)そのものからは感じたことがないことに気がつきました。それよりも、誰とどんな気持ちで見た景色なのか、なぜこの時代に描かれたのか、表面には映らない人の態度や姿勢に美しさを感じているのではないか?と思ったのです。

そうなってくると自分がやるべきことは「制作する」態度や姿勢を改めることなのではないか。
これを作りたいから手を動かすのではなく、できあがるものを一旦手放してみて、生まれてきたものを一緒に楽しめる人と作ることが、自分にとって、一緒に作る人にとって「良い制作」なのではないか。

また、そういった制作の体験は、自分の固定観念を壊してくれるのではないか。

企業で働いている時、私はどうしたら「良いデザイン」を自分が作れるのか?ということを考えていました。

しかし、美しいものは自分で作ろうと思って作れるものではない。しかも自分が感じる美しさは、表面的なところではいくら作っても感じられないのだろうと今は思うのです。

このプロセスそのものがまさに、自分を変えてしまうような制作の体験だなと。。


名刺の話に戻ります。

逍遥学派の名刺は、私たちのミッションである「未開を灯す」を表現した名刺になっています。



名刺を人に渡した時まず言われるのは、

🐏「逍遥学派」って文字初めてみました!
🐏「逍遥学派」ってどういう意味でなんでつけたんですか?
🐏  開放探求者(肩書き)ってなに?
🐏  このデザインどんな意味があるんですか? etc…

などなど、様々な問いが生まれます。

名刺の役割って、初めてお会いした人への自己紹介だと思います。
(印象が残ると後で名刺を見返された時にこれ誰だっけ?ってなりにくい)

そういう意味でいうとツッコミどころしかない名刺に、会社名と肩書きが既に役割を果たしてくれています。


私たちのことを語れるストーリーを紙1枚で

私たちはこの名刺を一つの営業ツールだと捉えています。
嬉しいことに、この名刺を渡した人から、自分の名刺も作ってほしい!と数名の方から声をかけていただきました。



この名刺には下記のストーリーを盛り込み、渡す度にお話しさせていただいています。

🐥文字で構成した「」は、私たちの大切にしている「問いからはじめる」の「問い」を表現しています。

🐥中央の円二つに照らされた文字「逍遥学派」は「未開=複雑でまだ理解されていないもの」を表現しています。

名刺をお渡しするシーンは様々ですが。
特にそれが、「私たち」を表現できていれば、その先も良い話ができるのではないでしょうか。



photo by Rikuo Fukuzaki

最後まで読んでいただきありがとうございます!

自分達だけでは、言語化し難く複雑なものを、ビジュアルや言葉にして人に伝えたい!という方、
ブランディングを見直そうと考えている方、
新しく事業を立ち上げたので一緒に整理していくことが必要な方、

下記、開催元の逍遥学派のcontactページより、気軽にお問い合せください!

この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?