見出し画像

「気持ち悪い」しか根拠のない偽物こそが悪の元凶 後編

「気持ち悪い」しか根拠のない偽物こそが悪の元凶
前編 https://note.com/oharan/n/n8a225c57c302
後編 https://note.com/oharan/n/nda34c168204d

 前編ではオタクコンテンツを敵視している連中が、いかにタチの悪い輩かについて解説させていただいた。後編ではその続きとして、そうした「オタクコンテンツを毛嫌いする人間に共通するドス黒い差別心」について解説する。

『気持ち悪いと思うだけなら自由だが……』

 「オタクコンテンツ大嫌い主義」 の人間は、自分達が「オタク的」と看做した物に対して、感情的過ぎて目を背けたくなるような罵詈雑言をぶつける特性がある。どうすれば何かをここまで呪えるのか不思議で仕方がないほどだ。萌え絵に親でも殺されたのだろうか。

 とはいえ、内心の自由が認められている以上、自分の心の中で「気持ち悪い」と思うだけならば構わない。私個人としては「私は●●が気持ち悪い」と表明する事も、「その言葉を吐いた事によって不利益が生じる事を自覚し、社会的な罰を受ける覚悟がある」ならば、好きにすれば良いと思う。いまいち理解されない部分だが、これも立派な「表現の自由」だと考える。

 だが「嫌いだから」という理由だけで、別に法に反している訳でもないのに、Twitterで不買運動を煽ったり、徒党を組んで威嚇行為を仕掛けるといった現実社会での行動・運動を行うとなると、少々話が違ってくる。何故なら、それは素人の身勝手な判断による私刑だからだ。
 「この国では私刑は認められていない」という大前提くらいは守ってくれという話である。社会的に問題があるのではと思ったならば、まず公的機関や専門家に相談すべきで、なぜその正当な手順を面倒臭がっていきなりチートに走るのか。

 前編でも述べたが、思想の根拠が自己の感情しかない人間は、容易くテロリストやヤクザ者と同じ筋の悪い手法に囚われてしまう。何故ならば、自分の感情を最優先するという事は、自分が客観視出来ていないという事であり、そうなると間違った手段を選ぼうとしていてもブレーキなど働かなくて当たり前だ。むしろ手段が派手だったり暴力的だったりすればするほど「自分は正義だから」という感情と掛け合わされ、陶酔してしまう。

 加えて、自分こそが正義という思い込みが強まると、真っ当な反論や批判を「アンチが粘着している」くらいにしか受け取れなくなり、批判の声が強まるほど「くくく、効いてる効いてる」と、自分が敵の急所を突いたから強い反応が返って来たのだと、背筋が凍るような勘違いをするようになる。
 結果として、警察に逮捕されたり、賠償金を支払うハメになったり、刑務所にぶち込まれるまで、「自分は間違ってないか」と己を客観視して疑ってみる事が出来なくなってしまうのだ。

 私が過去に最前線で批判してきた連中で言うと、まず在特会に代表されるネトウヨ団体がそれだった。次にネトウヨ団体に対するカウンターとして登場したしばき隊もそうなった。そして今はフェミ連中が全く同じ展開に陥っている。なんで思想信条に関係なく、運動にハマるアホの子はみんな同じ道を辿るのだろうか。


『フェミニストや反差別を掲げる人間ほど差別心が強い不思議』

 以前から不思議で仕方なかったのだが、フェミニズムや反レイシズムなど、パッと聞いただけでは人権至上主義なのかなと思える主張をしている人間ほど、いざ敵対する人間を前にすると極端に冷酷になる。
 例えば、女性やLGBTへの差別には敏感なのに、オタクなど自分が嫌悪感を抱く対象に対する差別には無自覚で、むしろ「オタク差別なんか無かった」と歴史の改竄をしてしまう。
 宮崎事件を境に、オタクへの弾圧・迫害があれほど加熱したのに、もう覚えていないというのだ。

 より酷いものになると「そもそもオタクは被差別者とは言えない」などと、何をもって差別と看做すかを自分勝手なロジックで判断してしまう。
 いやだから、そうやって ごく一部の人間の勝手な判断や感情で「石を投げてもいい相手」が作られる事こそが差別 でしょうに。
 「お前らがいかに苦しい目に遭おうと差別ではない、自業自得だ」なんて、オタクは今最も酷い差別を受けている被差別者ではないか。

 また差別的といえば、上で少し名前を出したしばき隊も酷かった。在特会が大久保の街でコリアンの商店の看板を蹴り倒しながら歩くといった暴走をし始めた際に「我々が在日コリアンの盾になる」と誕生した組織だったにもかかわらず、その親玉である野間易通は在日コリアンに活動内容に関して苦言を呈された際に「お前は悪いチョソン人だ」「お前みたいなコリアンがいるから」と、守る対象だったはずの在日コリアンを「良いコリアン」と「悪いコリアン」に選別し「我々が守るのは良いコリアンだけ」と言い放ったのだ。これなど言い訳がきかないレベルの典型的な差別思想である。今の時代にこんなド差別ロジックを公言する人間がいたとは驚くしかない。
 ちなみに野間の暴走は際立って酷く、LGBT問題にいっちょ噛みしようとしていた時期には、LGBT当事者のとある女性に対して酷い侮辱を繰り返した。
 反レイシズム、反ヘイトスピーチを掲げている集団の親玉という立場なのに、いったいこいつは何がしたいのだろう。

 こうした異常なまでの攻撃性はフェミニストらも発揮しており、直近の例では気に食わない未成年の女性タレントに対する度重なる嫌がらせや暴言は、参加する人間の多さのせいもあり、際立って悪目立ちしていた。
 なんせ「女性」かつ「子供」が相手でも牙を剥く事を自ら証明してしまったのだから、「お前らの行動原理ってなんなんだよ」と言うしかない。
 オタクやロリコンを攻撃する時に必ず女児・女子中学生・女子高生を盾にするクセに、自分達は気に入らないと思ったら「それを徒党を組んで攻撃する」のだから、やはりこいつらは単純に狂人であり、自分達に都合のいい奴隷を探し回っているだけなのである。
 また男を呪うあまりという事なのか「チ●コを切れ」だの「男児が生まれたら間引けコ●セ」だのといった酷い暴言が日常的に飛び出しており、ネットも実社会も問わない徒党を組んでの迷惑行為の例は枚挙にいとまがない。

 最近では、特にそういった言動が目立っていた人間が警察のご厄介になったところ、警察が「責任能力が問えない人だ」という判断を下すなど、なるほどやっぱりという事例も積み上がって来ている。
 このまま行くと「運動にハマるのは心のおびょーきをこじらせた人間だ」「フェミニストを名乗ってる人間はみんな心療内科が必要なタイプの人間だ」といった暴論に、一定の信ぴょう性を与えてしまうだろう。
 こういうエセ連中が悪目立ちすればするほど、他の真剣に社会問題に取り組んでいる団体が迷惑を被り、実被害を受けている本当の被害者まで、さらに棒で叩かれて水に沈められるような思いをするのだ。


『批判すべきは思想ではなく偽物、やるべきは害虫駆除』

 結局のところ、反レイシズムやフェミニズムや愛国保守といった掲げている旗が何かという点はどうでもよく、真に批判すべきは、こうした 「ただただ自分の感情をぶちまけたいだけの偽物」 である。

 自分には「あれ嫌い、これも嫌い」という赤ん坊の駄々と同レベルの身勝手さしかないクセに、そんなものを正当化する手段として、反差別だのフェミニズムだののロジックを拡大解釈し、自分勝手に作り替えて悪用する。
 そんな輩が後を絶たないから、社会問題を解決しようとするマジメな運動まで十把一絡げで世間に疑われ、全体が腐って行くのだ。

 大原則として、責任感を持ってマジメにやっている人達ほど派手な言動、無責任な放言をしない。そのため、どうしてもネットではインパクトが弱くて目立てず、代わりに偽物の感情任せの乱暴な言動ばかりが悪目立ちしてしまう。その結果、世間に偽物の方が本物かのように受け取られ、運動が乗っ取られた形になってしまうのだ。日本のフェミニズム界隈がここまで狂ってしまった理由の一端が、この「獅子身中の虫に食い荒らされた」事にある。
 ちなみに言うと、様々なネットウヨク団体の元になったプロ右翼の連中も、これとそっくりな流れで劣化に劣化を重ね、最終的に産まれたのが在特会だったという歴史がある。

 こうした悪しき流れを防ぐには、妙な連中が参加し始めた段階で「お前たちは違う」と批判し、言動を改めさせるか、パージ(排除)するしかない。
 過去に失敗した運動は、そこで動員力欲しさにタチの悪い輩を取り込もうとしてしまい、偽物特有のバカさと無駄な行動力で暴れ回られ、気付けば母屋を奪い取られてしまった。
 この失敗は、在特会誕生前夜に右翼業界がやらかし、次にしばき隊一味を含む人権派・反差別界隈がやらかし、そして現在進行形でフェミ界隈がやらかしている真っ最中である。

 これからの社会運動は、まず何より「同じ旗を掲げている人間」であっても恐れずに批判する気概を持たねばならない。それが出来ないと、その運動は先鋭化してしまい、あっという間にカルト宗教とその信者という図式になってしまう。
 今はインターネットやSNSの発達で情報発信が容易になり、運動への参加者を集めやすくなったが、それと同時に人をまとめ切れなくなり、制御不能&運動の劣化に繋がる危険性も高まってしまった。
 よって、運動の質を守るための自浄努力がこれまで以上に必要なのだ。仮に意見が割れて運動が細分化したとしても、主張が正しければいくらでも人を集め直せる。その手間を惜しむのは単なる手抜きであり、また自殺行為だとも言えよう。

 言ってみれば、SNS時代の社会運動が最も重視すべきは、外敵への対処などではなく、何よりも "運動に寄生する害虫の駆除" ではないだろうか。


【定期購読マガジンについて】
[内容] 元芸能記者、元AV監督などなど流浪の人生を送るライター荒井禎雄が、主に実体験を元に様々なジャンルの記事を書いています。
[特に高評価された時事ネタ]  表現規制問題 ・フェミニズム問題・セックスワーカー問題・ネットウヨク問題など
[フィールドワーク] 地域批評・商店街批評・グルメ
※主に東京23区の下町や商店街を中心に、その街の住みやすさや特色などについて解説します。
[料金]  月額500円(継続購入になりますので、購読を中止する場合はお手数ですが解除手続きをお願いいたします)
[更新頻度] 2018年11月の開設以来、毎月約20本の記事を掲載しています。 マガジン購入者限定のネット配信番組やイベントなども思案中ですので、ぜひ応援&ご購入よろしくお願いいたします。
[ご購入はこちらから]
https://note.com/oharan/m/me7f4e089bacd

皆様からの金銭サポートがあると、子育てに追われる哀れなオッサンの生活がいくらか楽になると思わせておいて、息子の玩具やお菓子や遊園地代で殆ど溶けます。