「痴漢を安全ピンで刺せ」が何故ダメなのか #2

「痴漢を安全ピンで刺せ」が何故ダメなのか
#1  https://note.mu/oharan/n/n34cf111612b1
#2 https://note.mu/oharan/n/na90d05fe8170


電車内で針を取り出す時点で狂人率大幅アップ

前回は主に「自力救済・私刑である」「〇〇無罪を主張した時点で信用ならん」という2点から「なぜ安全ピンで刺してはダメなのか」を説明した。

前回も述べたが、普通の思考回路を持ったごく普通の人間であれば、男女関係なくここまでの話を理解してくださるものと信じている。
逆を言えば、こうした法治国家として当たり前の話が理解できず、どうしてダメなのかがまだ理解できないとしたら、残念ながら人として何かしら問題があるのではなかろうか。
いくつか要因はあるだろうが、まず考えられるのは痴漢を憎む余りに感情的になり過ぎ、頭がバグってしまっているというケース。
そうでないならば、単に狂人か病人の二択である。

仮に前者であれば、時間を置いて冷静になってくれさえすれば答えが変わる可能性もあるのだが、後者の場合は何をしても話は平行線だろう。
そして、そんな後者の人間に対して ”他人に対して加害行為を働く正当性” を与える事こそが、社会の混乱を招く最悪のシナリオとなる。

日本では、それを表現するのにピッタリな言葉が昔から使われていた。

「キ〇ガイに刃物」

これは今やとても悪い言葉(笑)という事になってしまっているが、現実問題として段階を踏んで考えてみよう。

まず、走っている電車の中という不安定なシチュエーションで、他人に危害を加えるつもりで針を持ち出す時点で頭がどうかしている。
電車が揺れた時に、うっかり無関係な人間にブッスリいってしまったらどうするのか。獲物が針だけに、しばらく経過を見てみないと、どのような不具合が出るか分かったもんじゃない。内臓を傷つけるとか、感染症になるとか、たかが安全ピンでも充分に人を殺せる道具である。そんな物騒な物で他人に危害を加えようとしている自覚はあるのだろうか。

また、大人の手の位置(90~110cm程度としよう)というと、ちょうど3~6歳程度の子供の顔の高さになるが、そんなところに針をちらつかせた人間が間近にいたとしたら、私は我が子を守るために問答無用でとっ捕まえる。
口頭で注意して揉めてる間に電車が揺れて子供の顔にブスッなんて考えたら、恐ろしくて即座に掴みかかってしまうと思う。

その程度の想像すらできず、挙句に実際に平気で他人を刺せてしまったとしたら、多くの人は針で刺した側の人間を狂人だと看做すだろう。
他人を針で刺すには、最低でも「社会常識のない人間である」「理性がぶっ壊れた人間である」「判断力の欠落した人間である」という条件を揃える必要がある。それらの内、何かひとつでも心にあれば、絶対に刺す前にブレーキがかかるからだ。

そして、この3つを持っていない人間を、世間では ”狂人” と呼ぶのである。

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