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街角ドラマチックも夢じゃない

出会うべきもの見るべきものが自分の目の前に現れるのは、いつもタイムリーなことが多い。あるいは「これだ!」と思うものを見つけられるように、感知レーダーが敏感になっているせいなのかもしれない。

夕方の再放送で初めて見たドラマ「ロングバケーション」1話を久しぶりに見ていた。そしてやっぱり私の目がいくのは、キムタク演じる瀬名の住む建物(通称・瀬名マン)の屋上にその存在感を放つ看板。

「DON'T WORRY BE HAPPY」

ドラマの中で幾度となく登場人物たちを助けてきたこのメッセージ。


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ついに我が家にも……!

嬉しい、嬉しすぎるぞ。(見つけた時余りの興奮で3枚も買ってしまった)絶妙なポイントをつつくアイテムを展開するのは、フリー編集者・ライターとして活躍する綿貫大介さん

私もこのアイテムを見つけるまで知らなかったのだけれど、「とても愉しい大人」という表現がぴったりだと思う。平成生まれの私からすると90年代当時のムードや活気は、流行っているからなんとなく好きになったものではなく、ある程度自分の「あ、これいいな」とか「よくわかんないけど好きだな」という感覚に気付き始めた思春期ぐらいから抱いていた、小さな憧れそのものだった。


舞い降りたバイブル、抱きしめたい

小躍りでもしたくなるようなそんな気持ち。「これこれこれこれ!」とテンション右肩上がりで、深夜貪るように「ボクたちのドラマシリーズ」を読み漁った。


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だってそうじゃない。チョベリグで最高にキュートなヒロイン、憧れの東京でのアーバンライフで一人暮らし、いつかは自分が主役と思いきって体現したいあの名シーンに名台詞の数々、バリバリ働くイケてる大人たち、個性豊かな男女(基本的に奇数)が繰り広げるもう戻らないあの青春の日々...ドラマって人生じゃんかよ…

これまで見た大好きなドラマも、まだ見たことのないドラマもたんまり勉強することができる一冊にして、我がバイブル。

綿貫さんのコメントを読んでいると、それぞれのドラマへの愛がこれでもかと伝わってくる。この人ほんとうにドラマが、この時代とカルチャーそのものが好きなんだなって。そうして当時の楽しさや今とは違った豊かさを教えてくれる大人がいてくれることは、都会に出てきた若者としてはとても有難かったりする。


センセーショナルが過ぎるってば

もう一冊は、巷で話題(かどうかはわからずとも)の「エモい雑誌」こと
「EMOTIONAL LOVE(エモーショナルラブ)」

ていねいな暮らしが良しとされる今、都会の雑踏や怪しく誘うネオンの光は私たちの生活に不必要なの?ナチュラルメイクが主流の今、バブリーだったあの娘たちの着飾りや見栄は消え去ったものなの?

そんなことあるわけないでしょう!といったエッジの効いた香り高い一冊。開ける前から閉じた後までしっかりおなかいっぱいにしてくれます。元来変わったものが好きな性分としては、心を鷲掴みにされて仕方がない。

この本は何度読み返しても勉強になると思う。スルメと一緒ね、噛めば噛むほど味が出る。あれ、なんだこのどこかで聞いたことのある言い回し。

抜粋して紹介すると、個人的には「今だからこそ使いたいバブル用語集」に意外と普段から使いがちかも?ってワードがちらほら見られたことにクスッとしちゃった。


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綿貫大介(わたぬき だいすけ)
ファッション誌編集者を経て、現在も編集・文筆を生業にする熱狂的テレビっ子。2016年に編集長としてインディペンデントカルチャーマガジン『EMOTIONAL LOVE』(http://emotionallove.strikingly.com/ )を創刊。ほか著書に『もう一度、春の交差点で出会う』(2018)など。個人的歴代No.1ドラマは『ロングバケーション』。 https://watanuki002.stores.jp/
Twitter:@watanukinow / Instagram:@watanukinow


選手宣誓

主人公になろうと思う。有名になれなくても、お金持ちになれなくてもいい。周りのみんなを大切にして、沢山のものに心を踊らせて、時には誰かと喧嘩して、雨の土砂降りランナーになって恋人の待つ喫茶店へ走りたい。

主人公になる伊呂波はもう教えてもらったからね。

そしていつか知らないうちに生み出しちゃったりして。あの頃のヒロイン顔負けの、リアルトレンディ。




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