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地元の「おもちゃ屋」が不登校息子の居場所になった話

こんにちは
この2週間ほどは バタバタな生活が続き 更新できませんでしたが

少しずつ 自分の言葉を 自分の形で残す作業で
ちょっとずつ 日常に戻っていこうかなと思います


不登校の長男の原動力

不登校の長男は 割とオタク気質で
年齢に応じて 様々なものにハマって来た

小4になった現在は・・・
とある トレーディングカード(略してトレカ)に ハマっている
寝ても覚めても そのカードゲームのことばかり考えている

私が「出かけるけど 来る?」と 誘うと
「そうねぇ トレカ買いに行こうかなぁ」と言う

長男は 家庭内で「アルバイト」をしているのだが
稼いだバイト代は 大抵がトレカへ 注ぎ込まれる

「トレカオタク」の息子が通う店

その長男が トレカを購入する店は 地元に2つある
ひとつは 今にも潰れそうなのに 
なぜか何十年も潰れない 不思議な「文房具屋」

もう一つは 地元の小学生男子に愛される「ホビーショップ」である
実は母である私も 小学生の頃によく通った店だった


昔は 男子向け玩具だけでなく 駄菓子屋といった印象で 
女子向けの シールや文具も扱っていたので
放課後は よく友達と連れ立ってきたものだった

当時の店内には 「看板娘」のお姉さんがいた

息子と30年ぶりに訪れた店

それから30年・・・

長男が不登校になって 間もなく 
このホビーショップに トレカが置いてあるというので
長男と久しぶりに 訪れることになった

すると 驚くべきことに・・・
私が小学生の頃に 店員さんだった 
あの綺麗なお姉さんが まだお店に立っていたのだ

しかも歳も重ねても 美しいままで・・・!

不登校のわが子へ掛けてくれた言葉

私は店員のお姉さんに 興奮しながら話しかけた
「小学生の頃に ここで駄菓子を買っていました!」と

「時代が変わって今は、男子向けのおもちゃばかりです」
と優しく答えてくれた

暫く他愛もない話をした後に
「息子は不登校なので また遊びに来るかもしれません」
と打ち明けてみた

するとお姉さんは 全てを承知した様子で 長男に声をかけてくれた
「スタッフのお兄さんが居る時間は カードゲームの相手をしてくれるし
週末にはトレカ好きが集まって 大会をするから また来て下さいね!」

その後 長男は
父親と連れ立って 何度かトレカの大会にも 出させてもらい

そのうちに お姉さんは しっかり長男の顔を覚えてくれ
長男が店を訪れると
お姉さんは 親の私や夫にも 目で挨拶をしてくれるようになった

ホビーショップに集まる子どもたち

店内を よく観察してると
このホビーショップには来る 子どもたちは
なんだか 長男によく似た感じの男の子が多いことがわかる


・コミュニケーションが得意ではない子
・計算が苦手な子
・賑やかな場所より 静かな場所が好きな子
・どちらかというと 一人で遊ぶタイプの子

公園で元気に友達と遊ぶような 男の子というよりは
自分の趣味に没頭するタイプの子が とても多い

子どもたちの「居場所」になるお店づくり

このお店は
「自分の趣味に没頭するタイプ」の 子どもたちが
安心して過ごせる「居場所」になっていると感じる

ただ単に おもちゃを売るだけではなく
「共通の趣味」を持った子と 自然に遊べるように
無料で「カード対戦」できる テーブルとイスが置いてあったり
ベイブレードの「対戦コーナー」が設けてあったりする

特に おもちゃを買わなくても 出入り自由だし
カードを探しに来るだけでも良い
新しいおもちゃについての情報が知りたければ
店員さんに聞けば 優しく教えてくれる

子どもに合った「声掛け」

夕方の店内は 放課後と言うこともあって
トレカ好きの男の子で 溢れかえる

店員のお姉さんが 接客する様子を観察していると 
私も真似したいなと感じる 気づきがたくさんある

子ども相手でも 「敬語」で話しかける
「少しお待ちいただいても良いですか?」
「お待たせしました。何をお探しですか?」

困っていそうな子どもに 積極的に声を掛ける
「お釣りの計算は このお皿の上でしても 大丈夫ですよ」
「予算内で買うには このカードの組み合わせはどうでしょうか?」
「一万円札を使っても 大丈夫ですか?」

お姉さんは 一人一人の子どもたちを 子ども扱いせずに話しかけ
でも気になる時には 上から目線でなく 
本人の意思を尊重する話し方で 優しく声を掛けてくれる

きっと 何十年も このお店に立ちながら
いろんな「特性のある子どもたち」を 
相手にしてきたのだろうなと 勝手に想像している

だからこそ その子その子を じっくりと観察して
その子に合わせた 声掛けをしてくれるのだろうなと思う

息子の将来を想像してみる

正直な話・・・
自分とは全く違う オタク気質の息子を見て
「この子は どんな大人になるんだろうか・・・」と 心配することもある

ところが このお店にお客としてやってくる
「トレカ好きの成人男性」を見かけると

どの大人も 子どものように目をキラキラさせていて
なんだか 親近感を覚えてしまう(笑)

息子のように 好きなことを突き詰めていった 大人はこんな感じか・・・
と 妙に安心したりする

「子どもの居場所」を消したくない

中学受験をする子が多いと聞く 私たちの地域では
放課後に 子どもたち同士で遊ぶ姿をあまり見かけなくなった

でもこの小さなお店には
何十年も変わらず 子どもたちが足繁く通ってきている
不登校の息子の 居場所のひとつになってくれた事に とても感謝している 

大型店の進出や 時代の流れで
こうした小さな店舗は 淘汰されることもあるだろうけど

優しい大人たちの目が届く 
こうした「あたたかい居場所」が
ひとつでも多く 残っていきますように・・・

あなたの町に
「子どもたちの居場所」は ありますか?


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