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『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』 最後は「え?」としか言えない

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を見てきた。カナダでは6月2日から公開されている。

今作は驚きがいっぱいあった。何より最後は、「え?」で終わった。周りの人も信じられない様子。めっちゃ面白かったし、期待値をあげて問題はなかった。じゃあ、何が「え?」なのか。それはネタバレになるので言えない。

ネタバレなしで感想を書いてみた。

私は前作より今作の方が好き。今まで実写の『スパイダーマン』の映画が好きだったけど、『スパイダーバース』シリーズに変わってしまった。

今作も映像と音楽がカッコいいから、映画館で観ると迫力満点。視聴後もしばらく興奮が冷めないほどだった。

今作のマイルズは、前作より遥かに葛藤や苦悩が大きように思った。ヒーローとして頑張ってきたマイルズに辛いことがいくつか起こる。

そんな中でマイルズは、「ある理由」でマルチユニバースのスパイダーマンたちに追われてしまう。そこから逃げて自分の守りたいもの、守るべきもののために自分の世界へと戻る。でもマイルズはピンチになる。このシーンはもうまさかの展開。

マイルズがついに、お母さんに正体を明かすのか?
マイルズのおじさんが!
マイルズが…!

これ以上は書けない。マイルズの心境を考えると最悪なのだけど、物語としては最高な展開だった。

前作はマイルズと彼の周辺で起きた話だったけど、今回はマルチユニバースと色んなスパイダーマンたちが関わってきて話が大きくなっている。それでも混乱せずに、話を追うことができる。

マルチユニバースのスパイダーマンたちもヒーローだけど、マイルズと相容れない感じがよかったな。敵対とまではいかないけど、それぞれのスパイダーマンにも、それぞれの「正義」がある。マイルズはまた別の「正義」を持っているから、マルチユニバースで追われることになった。

前作で出てきたグウェンとピーターも、マイルズのためを思って行動するけど、それが裏目に出てしまう。グウェンは他のスパイダーマンたちに「私たちはいいヒーローであるべき(※)」と言ったシーンにはグッと来た。
(※)日本語では違う訳され方をしているかも

ヒーローとしての在り方を、体現しているのがマイルズだと思った。他のスパイダーマンたちは「ある未来」を恐れて、起こるべきことを見てみぬふりをしていた。あれは難しい状況だと思う。スパイダーマンたちの宿命なのかな。どちらかを天秤にかけるなんてできない。

誰かを救うはずのヒーローが未来を恐れる。みんなでマイルズを追いかけて、力ずくで止めようとする。そんな中で、グウェンやマイルズに感化されて、「ヒーロー」の在り方を考え始めるスパイダーマンもいる?

今作は親子愛も描かれているのが良かったな。マイルズのことを思う母親の深い愛には泣きそうになった。グウェンもお父さんとすれ違うのだけど…。ヒーローといっても、彼らもまだ高校生。背負っているものが大きすぎる彼らには、家族の愛やサポートがないとやってられないだろうな。

色んなスパイダーマンが出てくるのは楽しい。コミックを読んでいたらさらにクスッとなるジョークもありそうだと思った。

コミックで有名なこのシーンもあった。英語圏ではよくMemeミーム(※)になっている。
(※)Memeとは、おもしろ画像やGIFが拡散されること

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は、大満足の映画だった。もう一度映画館で観たい。日本語版と英語版では少し予告が違う。


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