闇の世界へご案内。諸行無常島ツアー:あつ森
あつ森で諸行無常島が完成したので島ツアーをします。前回は雅編を書きましたが、今回は諸行無常島の闇編をお送りします。この島のテーマ、参考にした世界観や雅な島の風景はこちら。
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光もあれば、闇もあります。
華やかさもあれば、醜さもあります。
それが時代だったり、人だったり。
全然”平安”じゃなかったのが平安時代。貴族たちが贅沢な暮らしをしている間、犠牲になった村人たち。病気は祟や物の怪の仕業と言われたり、度重なる災害に苦しめられたり、言動の自由を奪われたり、不作になって飢えたりしていました。
そんな世界観をあつ森で表現してみました。
※注意※
趣味で平安時代について調べています。史実には色んな説があるため、どれが正しいのかはその時代を生きていた人にしか分かりません。私が信じたい説を参考にして島を作りました。名前やエピソードが間違っている場合はご指摘お願いします。
「平家にあらずんば人にあらず」
『平家物語』で有名な言葉。私はこの言葉を「平家一族でない者は、もはや人間ですらない」と捉えていたのですが、少し解釈が違うみたいです。
「平家一門でない人は裏切るかもしれないので、重要な役職を与えてはならない。」=平家の人間のみが出世できる、という意味。平清盛の義弟の時忠が言ったとされているそうです。
平家といえば、禿。少年スパイ集団のようなもので、平家の悪口を言った村人たちを容赦なく捕らえて処罰したそうです。悪口と言っても、これは禿たちが難癖をつけただけの時もあったようです。
諸行無常島でも禿は存在させなきゃ!と思いました(マイデザは自分で作りました)。島の至るところにも禿たちがいて、聞き耳を立てています。村人たちは気が休まりません。
水鳥エピソード
源氏と戦うため、富士川の戦いで指揮をとったのは平清盛の孫・維盛。源平両軍は、富士川を挟んで対峙することになりました。その夜、源氏が不意打ち奇襲。平家軍は戦闘準備不充分だったために、戦わずに逃げました。でも実は、源氏は奇襲なんてしていませんでした。
なんと水鳥たちが一斉に羽ばたく音で「奇襲」と平家軍が勘違いしただけだったのです。
この時代なら戦わずして逃げるのは恥、とされるのに、水鳥に驚かされたなんて屈辱だったに違いありません。奢れる平家ですから。
このエピソードは有名ですが、実は『平家物語』の創作だと言われています。実際は水鳥はいなかったという説もあります。私はこのエピソードが好きなので再現しました。
維盛は武芸よりも芸術が好きだったようです。アニメ『平家物語』でも美しい舞を見せる維盛。時代が違えば踊りで活躍できたんじゃないかと思いました。彼もまた、清盛や「平家」という家柄に翻弄されたひとり。
祀りエリア
祟を恐れる人たちが作った祀りエリアです。昼間でも不穏な雰囲気が漂います。骸骨が現れます。ここに置かれている水晶は、”未来”が写し出されるそうです。ただ、覗いた人は長生きできないという噂もあります。
このエリアを祀って管理しているのがキミコという祈祷師です。現在お家の中を改装中。
平安時代、病気は物の怪の仕業として祈祷で祓えると思っていました。災害も何かの祟と信じ込んでいました。恐ろしい世の中から救われたくて、人は仏教にすがるようになりました。
インドや中国から伝わってきた仏教も、日本に入ってきてから形を変えてきました。平安時代は「南無阿弥陀仏」と唱えるだけで、極楽浄土に行けると信じられていたのです。
藤原道長の息子の頼通もそれを信じて、平等院鳳凰堂を建てたくらいです。馬鹿げていると思いますが、それにすがるしかないほど大変な世の中だったのかもしれません。
荒廃エリア
飢餓、災害、疫病などに見舞われた京の都。身分が低い人たちは亡くなったらお墓も作ってもらえず、ここに放置されるのです(想像)。貴族の目に触れないエリアはどんどん荒廃して、治安も悪くなっていきます。
その辺に死体が転がっている光景に見慣れた村人たちは、ただそこを通り過ぎるだけ。私たちも都合の悪いものを見ないように生活しています。現代でもきっと、キレイなものだけで成り立っている国なんてないはず。そんな風に考えて作りました。
清盛のお墓
実はこのエリアは無計画というか、空き地予定でした。博物館を隠せる何かないかなと思っていたところ、清盛のお墓を作ろうと思い付きました。五重の塔で立派なお墓にしました。他の墓石には、平家一族の誰かが眠っています。
でもここにもまた、世の中の闇があります。清盛に恨みを持つ人がここで命を絶つこともあります。道端で亡くなった人や廃れたエリアに放置できない遺体は、汚れ仕事をする者たちによって、無造作にここに放り投げられることもあるんだとか。家も、家族も、食べる物も失ったら、ここで死を待つ人も…。
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さいご
猛き者もついには滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ。これは『平家物語』だけでなく、どんな人にも、いつの時代にも言えることなんだと思います。
闇編を作るのが楽しかったです。平安時代を勉強して『平家物語』、『方丈記』、『徒然草』がなぜあんなにも「諸行無常」を言うのかを理解できました。雅な面だけでなく闇も知ったから、平安文学をこれまで以上に深く味わえているような気がします。
夢番地はこちら→DA-4601-4982-8362
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ここまで読んで下さってありがとうございます。島ツアーはこれで終わりです。
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