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みやびな世界を味わう、諸行無常島ツアー:あつ森

諸行無常島が完成したので島ツアーします。私が愛着とこだわりを持って作った島の魅力を伝えたいです。文章は長めです。みやび編とやみ編があって、今回はみやび編をお送りします。

島のテーマ:諸行無常しょぎょうむじょう

諸行無常…物事は常に移り変わって行き、永遠なんてない、という意味です。

でも私は、形を変えながらずっと生き続けるものもあるんじゃないかと思っています。平安時代に生まれた日本三大随筆や『平家物語』も、今の教科書に載ったり、色んな作品になったりしているからです。

※島の名前は変更できないため「Livre」リーブル島のままですが、今回完成した島を「諸行無常」島と私は呼んでいます

【注意】

趣味で平安時代について調べています。史実には色んな説があるため、どれが正しいのかはその時代を生きていた人にしか分かりません。私が信じたい説を参考にして島を作りました。名前やエピソードが間違っている場合はご指摘お願いします。

地図

住んでいる子たちと、島の地図です。

これ見ても、自分でもイマイチ分かりません。

ビフォー

前は巨大図書館があって、読書好きな人が寛げる島でした。2022年6月、巨大図書館を解体して更地に。

更地も壮大で気持ちいいです!

私は歴史を勉強してから、ますます平安時代が好きになりました。そして今回出来たのが、諸行無常島です。雅な世界をたっぷり味わえる島にしました。

資料

今回の島作りに大いに役立った資料たち。綿密に計画を立てたおかげで、わずか3ヶ月で今回の島が完成。まだ細かい調整は必要ですが人に見せられる形にはできました。

島ツアースタート

いきますよー!

私のお気に入りエリアのみをご紹介します。まずは寝殿造から。

寝殿造しんでんづくり

国語便覧から引用

平安時代の貴族や天皇といえば、寝殿造。とにかく大きな屋敷で庭も広い!あつ森でも場所をたくさん取って大きくする予定でしたが、カメラに収まらないため縮小。

難しかったのは、寝殿造りの形。あつ森アイテムで再現できそうなものが限られていました。あるものでそれらしい形はなんとか表現できたように思います。

実際の寝殿造でも鴨ちゃんたちが泳いでいたそうな?
お屋敷にある「中島」という庭園。

貴族の屋敷には「中島」があるので、それをメインに作りました。時の権力者、藤原道長が「この世で自分の思うようにならないものはない。満月に欠けるもののないように、すべてが満足にそろっている」という和歌を詠んだ場面をイメージ。最近はこの句は別の意味という説も出てきているそうです。

道長は糖尿病で亡くなったそうだから、座布団の脇にケロッピのお菓子を置いたのがポイントです。

お屋敷の外の赤い橋もお気に入り。橋から滝が見えるようにしました。滝と橋をキレイに見せるバランスが難しいです。

貴族さんたち、お勤めご苦労さまです。
ここの見晴らしも好きです

ここで工夫したのは牛車ぎっしゃ。干支の置物である牛を置いて、ワゴンを引いているように見せたつもりです。周りにいる着物(束帯そくたい)のマネキンは貴族たち。彼らも行事や仕事に大忙し。

この島一番のモテ男くん。
逢瀬を覗き見。

寝殿造の中

ここは天皇や貴族が住むお家にしました。四季のあるお部屋を作りました。

縁側(春)

暇を持て余した貴族たちがここで、桜や和歌を楽しみます。

清少納言の女子会部屋(夏)

『枕草子のたくらみ』で読んだのですが、清少納言はサロン(社交場)を作りたかったんだとか。清少納言などの「女房」の仕事は、住み込みで天皇の后の身の回りのお世話をします。女房たちにはプライバシーがほぼなかったみたいです。

清少納言や女房たちが安心して男性とデートできる部屋、女子会を楽しむサロンを作ったとしたら…を想像して出来た部屋です。

布団と机があるところは、女房たちの生活エリア。恋バナに花を咲かせ、男性から来た手紙を回し読みしたり、一緒に返事を考えたりするかもしれません。

隣のカーテンがある部屋は、恋人たちがのんびり一緒に過ごせる部屋。女房たちの生活エリアと隣同士になっているけど、実は離れた場所にある設定です。

天皇の仕事部屋(秋)

国語便覧から引用

天皇はここでお仕事。便覧写真に似せたつもりですが、あつ森では狛犬の存在感がすごいです。置き畳?はマイデザインを自分で描きました。うまくできて嬉しいです。

天皇はどうか分からないけど、貴族たちは夏は朝4時出勤。昼前には仕事を終えるんだとか。夜勤の場合は勤務時間が長かったそうです。夜の方が刺客や危険がいっぱいあるからでしょうか。

天皇の寝室(冬)

御帳台がうまく再現できました

ここは清少納言が尊敬して憧れた、天皇の后・定子ていし様のお部屋。冬のイメージにしたのは、印象深いエピソードが私の中に残っているから、どうしてもそれを再現したかったのです。『枕草子』の中で最も有名なエピソードです。

定子様と清少納言の女房たちがいつものようにお話していた時、定子様は「香炉峰こうろほうの雪はどんな感じ?」と清少納言に聞きました。ピーンと来た清少納言は、すだれをあげて定子様に雪景色を見せたんだとか。定子様はそれで大喜び。

一面に雪景色が見えたらキレイなのに。

最初は全然意味が分かりませんでした。解説を読むと、定子様は中国の詩の一節を引用しました。清少納言はそれが分かったから、定子様が求めていることも分かったのです。

定子様は清少納言の頭の良さを知っているから、あえてこんな言い方をしたのかなと。この信頼感にグッと来ました。さすが定子サロン。教養も礼儀もしっかり身についた女房たちがいたのですね。

このエピソードに合いそうな雪景色の壁紙がこれしかなかったのが残念です。元の壁紙が煉瓦だったので柱や棚で隠しました。

下記の漫画は、『枕草子』の難しいイメージを払拭してくれました。

平徳子の部屋

アニメ『平家物語』を参考にして作った、平清盛の娘・徳子のお部屋。平安時代と同じアイテムがないため、代用品を考えるのが難しかったです。雰囲気だけでも掴んでみました。

平清盛の部屋

馬の置き物、ぴったりです。

こちらもアニメ『平家物語』を参考にして、平清盛のお部屋を作りました。中国テイストが混ざっているから、アイテムも豊富で作りやすかったです。寝る場所と日常生活する場所は別室ですが、ここではこれだけのスペースしかなかったので、ひとつにしました。

以上。屋敷の中はこんな感じです。

河合神社

河合神社には『方丈記ほうじょうき』を書いた鴨長明かものちょうめいいおりがあります。鴨長明は平安時代に生きている間、いくつもの災害に見舞われた人です。貴族出身の彼ですが、いくつもの災害で人にとって「家」とは何なのか?生きるとは何なのか?を考え続けました。

夜は灯籠がキレイです

彼は大きなお屋敷から、最後は移動式の庵(今で言えばキャンピングカー)生活になりました。私はこれを読んで、本当に必要な物は限られていて少ないのかもしれない。その大切なものを見失わないようにしたいと思っています。

河合神社の庵には、ハムスターのハムジ君に住んでもらうことに。これは結構、上手に再現できた自信があります。平安時代の物はあつ森にはないアイテムだから、琵琶はウクレレで代用。

これが鴨長明の庵。引用元:https://www.10000nen.com/media/34301/

仁和寺の庭園

仁和寺は『徒然草』を書いた兼好法師がいた?とされる場所。仁和寺の庭園に似せて作ったエリアです。

実際に見に行ってみたいです。
庭園を見下ろせます。

下に降りて眺めると自然がモリモリ。このバランスが難しかったです。

兼好法師のお家には、ハムスターのどぐろう君が住んでいます。これもネットで出てきた画像を参考にして、お部屋を作りました。見えない部分は想像で。つれづれなるままに書くから、書き損じた紙も転がっていそうなイメージです。

厳島神社

平清盛が崇拝していたと言われる厳島神社。雰囲気は再現できた気がします。最初は水をマイデザで表現しようと思ったのですが、いかにも作り物な感じがしたので、実際に水辺を作りました。

夜は神秘的。
島で一番人気の白拍子の舞も見ることができます。

ポールを使って鳥居までひとっ飛びできますが、どうぶつ住民たちは行けません。そこがまた、威厳のある厳島神社って感じがして気に入っています。ただ、ツネキチが来ると景観が壊れるのが難点。

寂光院じゃっこういん

平徳子は源氏と平氏の戦いで兄、母と8歳(くらい?)の愛息子が入水自殺。それを目の前で見た徳子も入水するも源氏に助けられました。ひとり生き残った彼女は、残りの人生を家族の平穏を祈るために寂光院で過ごしました。

残された彼女はそこで何を思ったのか、全盛期と滅亡を経験して誰のことも恨まなかったのか、残りの人生は幸せだったのか、と想像が尽きないです。

だからどうしてもこの場所は作りたかったです。寂光院には、徳子のお墓があるらしいので再現してみました。彼女も安らかに眠れていることを願います。

徳子のお墓。
散策してもお墓が目に入ります

寂光院にはメープルちゃんが住んでいます。アニメ『平家物語』では院内が暗かったからマネしたのですが、メープルちゃんの雰囲気にあってないですね。もう少し室灯を明るくしてみようと思います。

平敦盛たいらのあつもりの最期

あつ森と敦盛。ダジャレで作ったんじゃないですよ。これもエピソードが悲しいけど大好きなんです。

砂浜の笛に注目です

平敦盛は美少年(16、17歳くらい)で、笛の演奏が上手だったそうです。敦盛は仲間のもとにひとりで戻る途中、源氏の熊谷直実くまがい なおざねという人に見つけられてしまい、一騎打ちになりました。熊谷が敦盛の首を取ろうとした時、敦盛の顔をしっかり見て躊躇。熊谷には敦盛と同じくらいの年齢の子供がいて、熊谷は彼を逃がそうとも考えたのです。

そこにタイミング悪く、他の源氏たちがやってきます。敦盛は熊谷に、「私の首をとれば、あなたの手柄になるだろう」と言います。熊谷は葛藤した末、敦盛の首をとったのでした。

熊谷は敦盛を殺したことを酷く悔いて出家。そして熊谷は、敦盛が身につけていた笛を彼の父に返しに行ったそうです。

赤い方が平家です。マイデザ頑張りました。

怖いけど誇りを持って死を覚悟した敦盛、討つしか出来なかった熊谷の無念。時代が違えば敦盛はもっと長く生きられたかもしれません。熊谷さんは生き残ってもずっと後悔し続けたのでしょうか。

私は敦盛に追悼の意を込めてこのエリアを作りました。この浜の向こうには、敦盛の首塚もあります。実際の首塚にも松の木があって、そこで源義経が敦盛の首チェックを行ったそうです。

敦盛…君の生き様も語り継がれているよ。
この竹林を抜けると…。

竜宮城

2023年6月にやっと完成しました。

アニメ『平家物語』で徳子が言った言葉から、「竜宮城」の着想を得ました。

悲しい終わりを迎えた平家一門だけど、彼らはもう苦しまなくて済みます。目の前で彼らの最期を見た徳子の心の救いにもなったかもしれません。

あつ森では竜宮城の入り口を作りました。ここから徳子やその家族が、お出迎えするイメージです。

おまけ

衣装は旦那さんが描いてくれました。

アニメ『平家物語』のびわキャラクターも作りました。並べてみると、思った以上に似せられて満足です!

みやび編は以上です。次回はやみ編です。


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