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『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』スパイ大作戦シーズン1のようなつかみ

冒頭から観客を巧みに翻弄する。

ヨリばっかり、
アップが多い。

しかも、
主人公の動機は私憤?
それでストーリーンにノれるのか?

と、
ミスリードしておいて、

ひっくり返して、
メインタイトル、バーン!

観客も、映画自体もスイッチオンになる。

まるでミッション:インポシブル、
スパイ大作戦のシーズン1で見られたような、
観客の心を掴むための巧妙な手法だ。

この手の作品は、
リアリティとフィクションのバランスが非常に重要だ。

緻密に作り込まれたフィクションの世界観の中に、
観客が「あり得る」と思えるリアリティをいかに組み込むかが、
作品の成否を分ける。

本作においては、
ニセ札を作る印刷屋のキャラクター描写、
その演技の説得力が、

その点において非常に成功しているというか、

ぎりぎりあり得る、

と、

濃いフィクションの境界を行ったり来たりしていた。

その証拠に、
ニセ札のすかしで観客が一番笑ってた。

一見すると不自然な反応すらも、逆に作品の説得力を高めていた。

他のキャラクターたちも、
ギリギリのラインを保ちながら、
上品だけどわかりづらい、
下品なのにわかりやすい、
リアリティラインで、
観客を物語の世界へと引き込む。

しかし、

本作は邦画の実写作品という点において、
特有の課題も抱えている。

登場人物が英語や韓国語を話せば、
観客はより自然に物語の世界に溶け込むことができる。

アニメーションもまた、
現実世界との距離感を調整しやすく、
観客の想像力を掻き立てる。

戦艦は飛ばないよーとか、
刀で鉄は切れないーとか、
ノれない人は少ないだろう。

ルパンやルフィのような魅力的なキャラクターに、
観客はストーリーに没入し、
登場人物たちの行動に共感したり、あるいは翻弄されたりする。

昨今の邦画実写作品のカメラは常に動き、
観客の視線を一点に導こうとする理由のひとつは、
そんな所にある。

本作は、
観客の予想を裏切る展開、ギリギリの世界観、

そして魅力的なキャラクターたちが織りなす、
痛快なエンターテイメント作品だ。

邦画の実写エンタメ作品の課題をキャスト、スタッフ、
プロモ、興行含めたチームワークで克服し、

新たな邦画でのエンタメ作品の可能性を示唆する意欲作と言っても過言では・・・

いや過言か・・・

信じるか、信じないかは・・・

それも違う・・・

さよならさよなら

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