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ビジョナリーカンパニーから学ぶ。「何をやるかより、誰とやるか」

偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずはじめにバスの目的地を決め、つぎに目的地までの旅をともにする人びとをバスに乗せる方法をとったわけではない。まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている。

飛躍を導いた指導者は、三つの単純な真実を理解している。
第一に、「何をすべきか」ではなく「だれを選ぶか」からはじめれば、環境の変化に適用しやすくなる。
第二に、適切な人たちがバスに乗っているのであれば、動機付けの問題や管理の問題はほぼなくなる。
第三に、不適切な人たちばかりであれば、正しい方向がわかり、正しい方針が分かっても、偉大な企業にはなれない。

このような記述は、ビジョナリーカンパニー②(飛躍の法則)に記されている内容(p66からの引用)となります。

書籍「ビジョナリーカンパニー②」では、15年間に渡って業績が市場平均の3倍以上の飛躍を遂げた企業の共通点について、約5年(延べ15,000時間)にも及ぶ調査を実施し、その結果として見えてきた共通点がまとめられています。

非常に多くの示唆が記されているため、ぜひ、経営者の方や責任者の方は精読されることを強く推奨します。

そして、この「何をやるかより、誰とやるか」という概念は、つまり、採用〜育成〜活性化までの人財マネジメントを指しており、私たちスモールビジネスやベンチャー企業を事業成長に導いていく上で、非常に重要な考え方となります。

今回は、この人財マネジメントをどのように最適化していけばいいか、について考えていきたいと思います。

人財採用は「マーケティング」で決まる

マーケティングとは「選ばれる必然をつくる」ことであり、ターゲットとなる相手に対していかに価値を伝え、そして選んでもらえるか、ということに尽きます。

そこで、マーケティング戦略を設計していく際の大きな流れを整理すると、下記の4ステップとなります。

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このようなステップによって、顧客(ペルソナ)に価値が伝わり自社が選ばれます。

世の中には、3Cや4P、4Cなど、いろいろなマーケティングのフレームワークが存在しますが、最終的に上記の4ステップに集約され、マーケティング戦略における鉄板の要素・流れとなるため、ぜひ覚えていただければと思います。

そして、人財採用という観点でも、上記の4ステップは全く同じになります。ターゲットが「自社の商品やサービスを購入・利用して欲しい顧客」から「自社に入社して欲しい人財」に変わるだけです。

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このようなステップによって、候補者(ペルソナ)に価値が伝わり自社が選ばれます。このように、マーケティング戦略と人財採用は全く同じ流れであることがわかると思います。

今現在は「超」がつくほどの採用難が続いており、特に私たちスモールビジネスやベンチャー企業においては尚更です。そのため、採用においても「選ばれる必然」を仕組み化し、いかに自社の魅力や価値を候補者に届けられるかを追求していくことが、採用難の中でも「バスに乗って欲しい」優秀な人財を採用していくためのKSF(キーサクセスファクター)になります。

「KSF」とは、「Key Success Factor」を略したもので、「重要成功要因」といって、経営戦略を達成するために何が必要かを決めることをいいます。

人材育成は「成長モノサシ」で決まる

そして、入社後に仕組み化しておくべきことは、「人財育成」となります。
「バスに乗ってくれた」大切なメンバーを未来に向けてどのように育成していくのか?ということが曖昧な組織は、最終的に所属する価値が目減りしていき、離脱の大きな要因となります。

では、そうならないためには何が必要なのでしょうか?

人財の育成や成長に欠かせない要素としては「評価」があります。この成長と評価は非常に密接に関係しており、正しい評価なくして、正しい成長はない、と言っても過言ではありません。

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私たちエックスラボでは、評価制度(評価基準)のことを「成長モノサシ」とも呼んでいます。

組織が何を求めているか(ゴールや目標)、これがスタートラインで明確になっていること、そして、ゴールテープを切ったときにどのラインまで目標が達成できたか(評価基準)が明確になっていること、この2つの要素が正しく成長に導くために必須となります。

つまり、スタート地点、ゴール地点では、 下記の事が必須になります。

スタート地点:組織が何を求めているか(ゴールや目標)の明確化
ゴール地点:目標の達成度合い(評価基準)の明確化

組織とは2人以上の分業の仕組みです。つまり、人によって、部署によって役割が異なります。そして、この役割には責任が伴い、この責任が果たせたかどうかを公平・公正に見極めることが「評価」をすることになります。

そもそも、役割が曖昧であれば、責任も曖昧になります。

また、役割が曖昧であれば、求めるゴールも曖昧になります。

求めるゴールが曖昧であれば、ゴールテープを切った時の達成度合いも曖昧になります。

そのため、正しい評価もできなければ、正しい成長も見出だせません。もし、現在、上記のような状況が少しでも該当する場合は、早急に「成長モノサシ」を明確化することを強くオススメします。

人財活性化は「組織サーベイ」で決まる

そして、最後は人財の活性化です。

バスに乗り、成長し、更に中長期で人財にパフォーマンスを発揮してもらうためには、「この組織に貢献したい」という自発的な貢献意欲が重要となります。

この概念は、「やりがい」や「働きがい」という言葉にも変換されるかもしれませんが、最近の言葉で表現すれば、「従業員エンゲージメント」に該当します。

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OGSでは、組織は人体と同じ「生き物」であると定義しており、外部環境の変化に影響を受けながら、内部資源の健康状態がパフォーマンスやアウトプットに影響を及ぼします。

つまり、外部ではどのような事象が起こっているか、という情報を正しく把握できなければ、変化に適応できずに存続していくことはできません。また、内部での血流や役割分担が正しく機能していなければ、いろいろな病気やトラブルに苛まれて存続していくことはできません。

では、ここでは何が重要になってくるのでしょうか?

ここでは、外部の変化や現場での事象を意思決定機関に正しく迅速に情報提供していく仕組みと、内部での血流が滞らないために必要なアイディアや提案、要望が正しく循環する仕組みが重要になってきます。

この仕組みを組織の中に組み込むことによって、人体と同様に組織は正しく機能していくとOGSでは考えており、この仕組みが「組織サーベイ」となります。

つまり、 「組織サーベイ」とは下記のようなものです。

外部の変化や現場での事象を意思決定機関に正しく迅速に情報提供していく仕組み
内部での血流が滞らないために必要なアイディアや提案、要望が正しく循環する仕組み

弊社では、3ヶ月ごとに「組織サーベイ」を実施し、PDCAを回して組織改善を行っております。

具体的には、会社の経営理念や事業戦略、組織風土や社内制度、各種施策や環境設備、人財の適材適所や直属上司のマネジメント、顧客への対応品質や変化改善への意識などの項目に対して、全メンバーでサーベイを実施し、それぞれの項目のスコアやアイディア・要望などを見える化しています。

これを仕組み化することによって、組織に「正しい循環」が生まれ、人体と同様、外部環境の変化に適応することができます。

そして、組織自体が変化に適応していく姿勢をメンバーが感じることができれば、メンバー自身も「自分も変化に適応していかねば」という意識も自然と醸成でき、結果として一人一人のパフォーマンスアップに繋がり、事業価値のアップが図れます。

もし、事業成長を明確に見出そうとしているにも関わらず、このような仕組みがない場合は、ぜひ、仕組みを構築〜導入されることを強くオススメします。

まとめ

今回は、人財マネジメントについて整理してみました。人財は社内資源の中で最も重要な資源となります。バスに乗ってくれた大切な仲間を活かすも殺すも、組織のリーダー次第で決まります。

ぜひ、人財マネジメントを今以上に強化し、事業成長を一緒に見出していければ幸いです!

人財マネジメントに、経営理念の浸透は重要!

すでに入社している従業員にももちろんですが、これから採用活動を進めるにあたっても、会社で掲げる経営理念に、メンバーや求職者が共感してくれるかどうかは非常に重要なポイントとなります。

経営者だけでなく、従業員全員が納得感を持って同じ方向を向ける経営理念を定めるためにも、自社の経営理念を見つめ直し、必要に応じて再策定することも大切です。

OGSでは、経営理念の重要性から作り方までを網羅できる資料を、ご自由にダウンロードいただけます。

ぜひ、人財マネジメントの一つとして、経営理念の見直しもしてみてくださいね。

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