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「研修が役に立たない」となるのは上司の関わり方が原因! 知識の実践を妨げる5つの壁とその”対処法”

おはようございます!
OGSシニアコンサルタントの深石です。

夏真っ盛りの蒸し暑い日々が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?深石家では今朝、リビングの窓を開けた瞬間に、セミの元気な鳴き声が耳に飛び込んできました。

夏本番もすぐそこに居るなと、季節を感じれた瞬間でした。


さて今回のテーマは、経営者やマネージャー職の方向けです。管理職以上の役職の方は、自分を高めるための知識習得や自己研鑽を意欲的にされている方が多いでしょう。

かくいう私自身は、株式会社エックスラボの取締役兼COOです。各種メディアや書籍、メルマガ、セミナー、そしてオンラインサロンなど、様々な手段で知識習得しています。


ここで質問です。
一定期間に習得した知識を100だとした場合、「実践」はどの程度できていますでしょうか?


ある調査結果では、知識を実践している割合は約20%に留まり、成果に繋がるレベルに到達している割合は、たったの4%に過ぎない、と言われています。

また、人の成長を決定づける要因は、

・70%が「本人による経験」
・20%が「他者からの知見」
・10%が「研修からの知識」

という調査結果もあります。

つまり、知識習得しただけでは成長せず、本人の行動や実践を通じて得た経験こそが人を成長に導く、という結論になります。

70%が「本人による経験」20%が「他者からの知見」10%が「研修からの知識」


知識や情報よりも行動や経験が重要ー。

これは至極「当たり前」なことです。

ただ、この当たり前を当たり前に実行するという、凡事徹底が非常に難しいわけです。

私たちも、研修やコンサルティングにおいて、ご受講いただいている経営者や管理職の方々に、知識やノウハウをお伝えするわけですが、その後の【実践】をいかにしてもらえるかが本質であり、事業成長のKSFとなるため、ここの仕組み化やプログラム化が至上命題です。


習得した知識を実践できない壁が5つある

ということを更に深堀りしていきますが、そこにはいくつかの壁があるとOGSでは考えます。


まず1つ目の壁ー。
それは「知識を得た=成長した」という勘違いの壁。
俗に言う「わかる=できる」と認識してしまう罠です。わかっちゃった世界の住人は一生成長しません。

そして2つ目の壁ー。
それは、「人は忘れる生き物」という忘却の壁。
得た知識を復習しないがために、大事な要点(目的や本質)よりも、小手先の手段系だけ記憶されており、「あれ、何だっけ?」となる罠です。

次に3つ目の壁ー。
それは、「現状維持バイアス」という習癖の壁。
知識習得した際は、「よし!実践してみよう!」と、目がキラキラしても、日常という環境下に戻ると日頃の習癖に溺れ、結局、実践できないという罠です。
また、失敗を恐れる損失回避もここに含まれます。

そして4つ目の壁ー。
それは、「機会や環境の欠如」という権限の壁。
習得した知識を実践する機会が与えられなかったり、上長やチームメンバーの理解や支援がなかったりと、行動しようにもできないという罠です。

そして最後5つ目の壁ー。
それは、「マイノリティ(少数派)」という集団の壁。
これは4つ目の壁とも関連しますが、往々にして自己研鑽を積極的にしている人はマイノリティであることが多く、マジョリティ(多数派)との知識や意識の差が埋まらないと、「行動(挑戦)しても無意味、、」と思ってしまう罠です。

上記の壁ですが、1~3は個人に依存する部分であり、4~5は組織やチームに依存する部分となります。

習得した知識を実践できない壁


皆さまの組織やチームではいかがでしょうか?

せっかく知識習得したのに実践されていない場合は、上記のどれに陥っているかをぜひチェックしてください。

そして次に気になる問いはこれです。この壁をどのように克服すればいいのかー。

「実践の壁」を克服するためには?

まず、研修やセミナーなどの受講後に、行動変容(実践)をいかに実現できるか、について、「4:2:4の法則」という研究報告があります。

これは、米国ウェスタンミシガン大学のロバート・ブリンカーホフ教授が提唱したもので、行動変容に与える要素の割合は、研修前が40%、研修中が20%、研修後が40%である、という研究報告です。

つまり、本人の行動変容を見出したい場合は、研修当日よりも、その前後の取組みの方が影響度合いが高い、ということが示されています。

では、これを踏まえて、実践の壁をどう克服するか?を考えていきます。まず、研修前に必要なことを整理します。

やはり、
① なぜ研修やセミナーを受講してほしいのか(意図意味)
② 受講後はどのような状態を求めるのか(出来栄え)
という目的とゴールは、しっかりと事前に伝える必要があります。

ここが不十分な状態で研修を受講すると、「やらされ感」「受動的」「研修受講が目的」という結果が生じ、残念ながら行動変容も生まれません。
※「勘違いの壁」と「習癖の壁」に連動。

次に、研修中に必要なことを整理します。

研修中では、
①研修後の「実践=アウトプット」をイメージしてもらえるか
②それを当事者としてコミットしてもらうか
という理解と実践を紐付ける部分がKSFとなります。

また、研修後の実践を通して、短期的成果が得られるような、行動計画やスモールゴール設定を研修中に実施することも非常に重要な要素となります。
※「記憶の壁」と「習癖の壁」に連動。

そして最後に、研修後に必要なことを整理します。

この部分が、行動変容において一番重要な要素になると、OGSでは考えています。
ここは「記憶の壁」「習癖の壁」「権限の壁」に連動しますが、いかに知識(点)を実践(線)に変えていけるかを、マネジメント側が「仕組み化」できるかがまさにKSFです。

そして、「集団の壁」に関してですが、これは、会社やチーム全体のカルチャーづくりが重要になります。

つまり、「学ぶ」「成長する」「自己研鑽する」ことをマジョリティ化(当たり前化)する風土や文化を創るということ。

ナレッジ共有や勉強会、成功・失敗事例の共有などを、チーム内・チーム間で定着化・習慣化させることで、実践(挑戦)することに意味がある、という文化を創りましょう!

実践の壁を克服する424の法則


ということで、実践の壁をいかに克服するか?について実施前→実施中→実施後という時系列でお伝えしてきましたが、最も重要な要素を一言で表現するならば、常日頃からメンバーと接している【上司の関わり方】です。

つまり、マネジメント側次第で管轄メンバーの行動変容も雲泥の差が生まれ、事業成長の成否が分かれます。

私たちOGSとしましても、上記を踏まえながら、皆さまのサポートを実施して参りますので、今後もぜひ一緒に事業成長を見出しましょう!

点を操り、線を最適化する。これこそがマネジメントの手腕かつ醍醐味である。

点を操り、線を最適化する。これこそがマネジメントの手腕かつ醍醐味である。by深石圭