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安全志向ほど危険を孕んでいる。「その人、本当に安全ですか?」◆愛とは安全を渡すこと【ぷろおご伊予柑の大預言】



ぷろおご 伊予柑





安全を知らない人から不健康になる


伊予柑:今回は、愛とは安全を渡すこと というテーマです。今回も聴衆としてぷろおご図書館のメンバーがいます。

図書館メンバーのなかで、わりとご家庭が大変なタイプの、親のご機嫌度が低い高校3年生がいて、その人と話しているうちに、安全や愛について考えが深まり・・

ぷろおご:実際にいる人?


伊予柑:そう、実際にいる人。家から出られない。ご両親がご離婚されていて、どちらかひとりである。で、ご機嫌度が低いという状況で、けっこうしんどい。いろいろ聞いていると、「親がこう言ってるから…」っていうのをどうしても本人が気にしてしまうっていうのがあって、かなり大変そうなんです。

それで、この人に一番足りてないものは安全なんだなって思ったんですね。安全というのは危険がないこと。非安全がないこと。前に、ライオンとか猛獣の前だと安心して眠れないよねっていう例えをしたことがあります。猛獣がいると思うと、当然気も休まらない。ずっと精神が張り詰めている。これは安全じゃない状態。

おそらくその方はご家庭が安全じゃない状態で、ずっと精神が張り詰めている。つねに何かが起きるかもしれないという状態。逆に安全というのはスヤスヤ眠れる状態である。



伊予柑「親御さんはいろいろ言ってるけれど、今親御さんはあなたに安全を手渡してないですよね」

高校3年生「そうですね」

伊予柑「親が子にできることって安全を渡すことだと思うんですよ。少しでもあなたにとって安全な時間を増やしましょう。今まで親と2人、ほぼずっと気が張っているだったので、そこから逃れて安全を。1人でも、なんでもいい。友達の家でもいいから安全な時間を増やそう

そういう話をして、実際にそれを増やしていただいたら、だんだんといろいろなものが良くなっていったんです。安全ってすごい大事だなっていうのを、その人との対話を通して知りました。

安全ってどうですか?

最近あなたもnoteとかで安全大事だね、みたいなことを言っていますよね



ぷろおご:つまり、愛がない状態を回避する・・

伊予柑:そう、愛ってふわってしてるから



伊予柑:あと、クソなおっさんとかは「あなたを愛してる」って言いながら近づくんですけど、だいたい危ないんですよ。愛って言葉はあまりにも快適なんですよね。だから、「安全を手渡さないやつはとりあえず一回排除しよう」っていうふうにその人に言っていて、安全をくれるやつはオーケー、愛とかじゃなくて安全かどうかだけで判断して、って


安全がほしいときは、どうすればいいか



ぷろおご:たぶん、愛が足りないって思ってることは不健康であるっていうのはまず正しい。でも同時に、おれは健康だと愛は要らないともおもいますね。つまり、安全でなくてもよくなる


伊予柑:健康が溢れていれば


ぷろおご:認知として主観的に愛が足りないって思ったら、それは不健康。なにかを改善しなきゃいけないというシグナルである。だけど愛というものが、なにか愛的なものが必要か?っていわれるとそんなこともなくて。危険だと愛を感じられないんじゃなくて、危険のバリエーションが少ないと愛が足りないって思いはじめる。そういう印象がありますね。

逆説的に危険のほうがだいじな気がするんですよ。どういうことかっていうとパターンの少ない危険だけだと病む。病むというか不健康になっちゃう。食い物とおなじで、いろんな危険があるわけですよね。醤油だって安全じゃないわけじゃないですか


伊予柑:まあ、2リットル飲めばそうですね



ぷろおご:なんでもそうなんですよ。ぜんぶ危険。甘味だってこれだけを食って生活しようって言われたら危険なわけですよ。これだけ食って生きられるみたいな食材って存在しないじゃないですか。そういう意味で、すべて危険だけど、いろいろなバリエーションで料理したり、いろいろな危険を摂取してると健康になるわけですよね。

学生にとって、家で過ごす時間は人生の半分以上を占めますよね。家が危険に満ちているなら、どこか安全なところへ行こうってなる。だけどじゃあ安全なところがあるかっていえば、そんなところはないとおもう。安全なところってどこにもないんですよ。

なので、家が危険です。そこから逃げるためにスケベおじさんの危険を求めますっていうのは、筋が通ってるとおれはおもう。スケベおじさんと家で危険が2種類になりますよね。たしかにスケベおじさんは危険だけど、言ってしまえば危険イチよりは安全なんです


伊予柑:たしかに



ホストクラブに通うパパ活女子は、いつ安全を得られるのか


ぷろおご:危険のバリエーションをもっと増やしていく。たとえば、家が危険だからスケベおじさんの危険にハマって、スケベおじさんから金が入ってきたから新しくホストという危険にハマって、ホストという危険にハマったからトー横界隈に入って、その危険に染まって・・・みたいやっていくのは、危ないように見えても相対的には健康になってるとおもうんですよ


伊予柑:ええ〜!けっこう難しい問いだな、それは

ぷろおご:おれはそうおもってる。まあいうて、東大生みたいな感じでそんなストレートにいかないですけどね。超優等生は危険のバリエーションを増やしていく過程で死んだりするんですけど、そんな優等生には、そうなれないんでね。ほとんどの人は東大生で首席とれないのとおなじ


伊予柑:なるほどね、メンヘラ東大生



ぷろおご:トー横で死ぬのは首席だけ。だから「オレ勉強するのちょっとこわいんですよ。」っていうのは、「いや〜なんかアカデミックになりすぎて、自殺する人もいるじゃないですか。」みたいな話ですよ。

首席とれるならそうなるかもしれないけど、全員がなれるわけじゃないし、ほとんどの構成員にとって問題ないわけですよね。ODしたって復活して生活してるわけで。そういう意味でいうと、家に危険があってそこだけに留まりつづけるよりは安全度が増している



死んでしまうのは、大きな賭けをした者だけ



ぷろおご:いろいろな危険のなかにいると、危険を相対化できるんですよね。自分の家という危険とスケベおじさんという危険、ホストという危険、トー横の危険、それらの危険を自分のなかでそれぞれ審査できる。

自分はどの危険がいちばんマシかとかがわかるようになる。ここにいすぎるとまずいから分散しよう。トー横に2時間、ホストに2時間、家に2時間、スケベ2時間、ってなればそんなに危なくないですよ。

トー横の首席は8時間トー横にいる。だから死んだりするんですけど、それを避けるにはほかの発散先を持つ。1日24時間っていうのはぜったいなので、分割することができるでしょ



伊予柑:でもメンヘラの女の子って、1個目がダメで2個目がうまくいったりすると2個目に全ベットするんですよ

ぷろおご:そう。それは修正としてはまずいよな、っていう。安全を求めてるというよりは、ここが落ち着くからここに行こうみたいな、醤油だけ飲んでよう、ってのとおなじ。それはお前死ぬよ。っていう話で


伊予柑:トー横がちょっとうまくいったらトー横に全ベットしたり、配信が上手くいったら配信に全ベットしたりすることが多い



ぷろおご:それはある意味で安全志向ですよね。だから危険なんですよ。もっと危険を分散して持ったほうが安全で、危険のバリエーションを増やさないといけない。ちゃんと戻った方がいいんですよ。実家が怖いからひとり暮らししました、とかなってもね

伊予柑:実家を切らないで、危険だけどたまに戻るんだ


ぷろおご:トラウマがあるんだから実際にはキツいですよ。でもだんだんリハビリをして戻れるようにしていくと、前よりはしんどくないんですよ。毒で毒を制するじゃないですけど、べつの危険を持っていると、まあ多少は戦える。トー横の血と迫力みたいなものを持って実家に帰ったら、ちょっと耐えられるじゃないですか。こいつなにするかわからない・・・!みたいな


伊予柑:立派なギャルになっていくんですね



ぷろおご:「なんか変なこと言ったらやられる・・・」みたいな。そしたら関係が良好になるというか、危険は減るわけですよね。そうすると、1日2時間いてもストレスじゃなくなる。ほかの危険にもべつの危険をあてがえるからね。そうすると、スケベおじさんもちょっと警戒するというか、変なことしないようにしよう、ってなるとおもう

この子は友達もちゃんといるみたいだから、あんまりやりすぎると相談されちゃうナ・・・ほどほどにしよう

スケベおじさん


ひとまず安全なところへ逃げた。そのあとは?


伊予柑:けっこうまわりからのアドバイスって、「家は危ないから戻るな」みたいに、ひとつの危険から逃げられたときに安全な場所から動くなって言いがちですよね


ぷろおご:もちろん一旦はアリですよ。回復するまでの応急処置としては、それでいい。それとはべつで、回復して余裕がでてきたときに、ちゃんと分散させられるかっていうのはだいじ。強制力があれば勝手に分散されていくんですけど、それがないとけっこうキツい。

だから安全を渡すっていうよりは、新たな危険をちゃんと。じゃないと、危ない。だって伊予柑だってそうじゃん。新たな危険なんですよ。みんな気づいてる?


この男、危険につき・・・


ぷろおご:ぜんぜん安全じゃなくて、ちゃんと新たな危険だから。学生のみんなは「おちつく〜」とか言ってるけど、刺激物だよ。だから落ち着いてるわけですよ。だって、安定だったらつまらなくてここにいないでしょ。安全は概念として扱われやすすぎて、逆にむずかしいことになりがち。

おれは危険のバリエーションを新しく渡すほうが結果的に愛っぽくなるとおもう。愛が足りない人は新たな危険を渡されて安全を感じてる。メンヘラの女の子だってだいたいそうじゃん。ここは危険だ。安全なところに行きたいって言って、ちがう危険を摂取してるじゃん。そっちのほうが落ち着くはずなんですよ。危険のバリエーションが安全を担保するんだから



伊予柑:全ベットをやめさせるのってどうしたらいいんですかね?

ぷろおご:全ベットしてるかっていうとむずかしいですよね。力があれば全ベットでいいけど、全ベットというよりは戻る体力とか勇気、あるいは戻るきっかけがなくて、戻れないように見える


伊予柑:けっこう男の方が全ベットしがち


ぷろおご:拗ねてるんですよね。おれを見捨てやがってみたいな

伊予柑:恥ずかしいとかいろんなものにより、今いるところに全力投球して、結果、動けなくなるパターンはよくある


ぷろおご:そうですね。まあ、安全を渡すほどの加害はないからね。「安全だよ」って加害でしかないですよ。「ここにいていいんだ」みたいな、それって加害でしょ



Q、安全を得られれば安心することはできるか?


伊予柑:じゃあちょっと質問をもらいましょう


Aさん:安全と安心の違いってなんですか?愛とは安全を渡すことで、安全とは新たな危険である、渡される側は加害されてるわけですよね。だけど、安心してるじゃないですか。そうすると、安心のほうが適切ではないですか?


ぷろおご:危険であることによって安心してるってことね

Aさん:愛とは安心を押し付けることでは?なんで安全なのだろう?



伊予柑:議論の当初のところに戻るんですけど、安心ってけっこう騙せると思うんですよ。他方、安全というのは客観的なもの、検証されたものなんですよ。たとえばジャングルのどこが安心か?っていうのはすごく難しい。

どこなら南京虫がいないかみたいな話なんですね。これでは議論の余地がなくて。正直、不安な人はどうしようもないんですよ。そこに敵がいない、安全だとしても不安になっちゃうから。なので、客観的な安全を確保した方がマシじゃないかなとは思ってます


ぷろおご:一時的に、議論をする上ではね

伊予柑:うん、議論をするうえでは、ですね。「お母さんだから安心だもん」って言ってるけど、客観的にはどうみても安全じゃない、みたいなシチュエーションってけっこうあるんですよ



Q、安全のために小さな賭けをするなら、なにに賭けるべきか?


Bさん:安全になるには危険をいっぱい経験したほうがいいみたいな話だったと思うんですけど、マイルドな危険はどうやって見つけたらいいですか?家が怖いからって反社に仲間入りしたら、死にやすくなると思うんですけど…


ぷろおご:友達

Bさん:ともだち・・・?

ぷろおご:「きみは友達じゃない」って言われるかもしれないでしょ。これは危険じゃん。友達をつくると、友達じゃないよって言われる可能性があるよね。危険を帯びるから怖いじゃん。でもマイルドですよ


伊予柑:うん、死ぬことはないからね


ぷろおご:友達にならなかったらゼロ。なったらイチ。友達になれなくても、状態としては変わらないので、実はマイルドな危険ですね。実態としてのダメージはないんだが、なんか正しい


伊予柑:ききまくればいいわけですね




ぷろおご:なんで実家が機能してない女の子が援交するかっていいうと、そこの握り合いができるわけですよね。相手は法を犯して買春してるわけだから、いつでも社会的に殺せるんですよ。そこは生命線の握り合いだから、対等で、安心する。危険があるから安心できるというか、大きな危険を握り合ってるから安心できるみたいな。

そこは基本的にコインの裏表で、マイルドな危険はマイルドな安心の裏返りだから


生死の握り合い・・・


伊予柑:僕はべつの意見で、危険はほとんどないですよ

ぷろおご:現代社会にね


伊予柑:現代社会に危険はない。危険をなににおくかっていう話なんですけど、殺されることはほぼない。正直、雨の日の自転車レースの方が圧倒的に危険。

やっぱり一個に全ベットの方が危険で、反社全ベットは危険なんだけど、反社をやって謎のバイトをやって、あれもやってこれもやってとかだと、なにか一個がやばくなったら、即座に逃げることができる。逃げられる態度がある方が圧倒的に安全。なので全ベットが危険で、どれがヤバい危険でどれがマイルドな危険というふうに分類できるわけではないと思う



成功が大きな危険を孕んでいるのはなぜか?


ぷろおご:大谷翔平に憧れてプロ野球選手になるためにすべての人生を賭ける人ってめちゃくちゃ危険ですけど、危険を乗り越えた大谷翔平がいるから美談になるよね。峠でバイクで死ぬと峠の名前がその先輩の名前になったりするじゃん。それとおなじだよね。危険の象徴というか神格化されるというか

伊予柑:それはそうですね

ぷろおご:それに近いですよね。危険と安全というか、憧れみたいなものが近いよね

伊予柑:バイクは危険なのでやらないようにしましょう

ぷろおご:甲子園を目指して、県大会でいいかんじになるぐらいの成績を収めて、就職してるのも危険のバリエーションが増えてるけど安全じゃないですか

伊予柑:成功しすぎるとまじで危険ですからね



ぷろおご:野球選手になっちゃうんで。だってボール投げてバット振ってる人ですよ。生き物としてやばくない?強いから危険でも勝てるけど、そういう人ってライオンだから。地元ジャングルみたいな。危ないじゃん。ボール投げられなくなったら終わりみたいな、それは危険そのものじゃん

伊予柑:野球に全ベットしてるから危険なんですよね


ぷろおご:そう。ハンカチ王子みたいに、ちゃんと真面目に仕事してて、なんか引退しましたとかって言ってハンカチ屋さんですってやれたらそれは一般的には安全だけどね


伊予柑:危険もたくさんやらないと危険の見積もりができないんですよね

ぷろおご:危険を渡してあげるほうが親切だな、愛かどうか分からないですけど。こういう危険って知ってる?みたいな


伊予柑:僕はよくやりますね


ぷろおご:それはけっこう愛に近い親切な行為。ワクチンとかもそうじゃないですか。こういう危険があるんだよって免疫に教えるってことだよね。「あ〜こんな危険があるんだ〜」って知ってると、みたことある!進研ゼミでやったやつだ!って、免疫が勝手にはたらいてくれるとか、危険っていうのはそういうシステムですよね

伊予柑:いろいろやりましょう




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