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従業員体験(Employee Experience )を本気で考える時代が来ている話


職種によって違いこそあるでしょうが、基本的に企業において従業員はとても重要な存在であり、人次第で会社の存続が決まるといっても過言ではないと思います。

しかしこれからの時代は、少子高齢化により働き手が減少しているにも関わらず、働き方はどんどん多様化している時代です。

つまりは、従業員に満足してもらうための施策を打ち出さなければ、優秀な人材を集めることが難しくなっていくことは必須です。

そんなこれからの時代に本気で考えていかなくてはいけないのがEmployee Experience 通称EX!

・従業員満足度に問題があり、離職率が高い
・年々求職者が減っており、人手不足に悩んでいる

こんな会社こそEmployee Experienceを真剣に考えていく必要があると思います。

そもそもEX(Employee Experience )とは何か?


「Employee Experience」 とは「従業員体験」を意味します。

近年、従業員の満足度を高めるため、このEXを改善するための取り組みが注目されてきています。

また、似たような言葉としてES(Employee Satisfaction=従業員満足度)がありますが、広義ではほとんど同じ意味だと考えて問題ないと思います。

EX(従業員体験)の施策立案によるメリット

EX改善によって得られるメリットは、以下の3点が考えられます。

・従業員の離職率を下げられる
・従業員のパフォーマンスが向上する
・企業イメージが向上し、応募者が増える

当然ですが、従業員のモチベーションが高いほうが良いパフォーマンスが期待できますし、売り上げにも影響を及ぼします。

EXの改善を図ることで、企業と従業員、どちらにとってもプラスになるといえるでしょう。

EXの施策立案方法の3ステップ


「自社もEXの改善を図りたい」という方のために、ここではEXの施策立案方法について紹介してみたいと思います。

・エンプロイージャーニーマップを作成し、全体像を把握する
・従業員調査を実施し、改善点を発見する
・PDCAを回しながら、満足度向上を図っていく

それぞれ簡易的に解説してみます。

① エンプロイージャーニーマップを作成し、全体像を把握する

まずは「エンプロイージャーニーマップ」を作成しましょう。

これは、従業員が入社してから退職するまでのすべての体験を時間軸で図にしたものです。

職種や企業ごとに指標となるポイントは異なりますが、例として以下のようなポイントをチェックします。

・入社後すぐの環境
・育成環境に満足しているか
・上からの評価は適切か

このように各ステップで従業員の行動や感情を可視化することで、問題点を浮き彫りにし、改善のための行動を策定していくことが可能となります。

② 従業員調査を実施し、改善点を発見する

エンプロイージャーニーマップで従業員の行動・感情を分析することで、職場の改善点について仮説を立てる事が可能となります。

続いては、その仮説を実際に検証していくステップです。

具体的には、従業員調査を実施し、より明確に改善点を浮彫りにしていくことが有効です。

エンプロイージャーニーマップで大まかなアタリを付けておくことで、調査票の問いの質を高める効果が期待できるでしょう。


③ PDCAを回しながら、満足度向上を図っていく

最後は、調査票を元に問題点を明確化し、実際にEX改善のための施策を実施していきましょう。

この際に重要なのは、「PDCAサイクルをしっかり回していき、EX改善施策の効果をどんどん向上させていくこと」です。

つまりは、ただアンケートを元に施策を実施するだけで終わらせてはいけないということ。

KPIを定めたうえで、定期的に従業員への調査を実施し、効果が出ているかを実際に計測しつつ改善を重ねていくことが大切です。

EX改善は、決して短期間で完了するものではありませんので、長い目で見て、見直しを重ねていきましょう。


EX施策の成功事例


それではEX施策の成功事例を2つ紹介します。

・Airbnb

エアビーアンドビーは、2015年にアメリカの企業に関する口コミサイトでGoogleを抜き、「社員が選ぶランキング」で見事1位を飾っています。

というのもエアビーアンドビーには「エンプロイーエクスペリエンス」という部署があり、従業員が満足して働けるよう、以下のような業務を行っています。

・最新の機器を揃える
・社食の献立を考える
・人材のヘッドハンティング

大手の企業とはいえ、わざわざEXを向上させるための部署があるのですから、従業員の満足度やパフォーマンスを高めるのがどれだけ重要かが伺えますね。

・ニトリ

ニトリホールディングスでは、3年~5年スパンで、部署をまたいで異動するというルールを設けています。

これにより、以下のようなメリットを得られているようです。

・上司、部下、同僚が入れ替わるため、派閥などができにくい
・異動により、固定観念にとらわれない柔軟な視点で業務に取り組める
・様々な業務に触れることにより、社員が広く知識を得られる

特に、職場において人間関係はとても重要なポイント。

仮に「嫌な上司がいる」「派閥があって馴染めない」といった悩みがある場合でも、自然と部署をまだいで異動できれば、とても働きやすくなりますね。

EXまとめ


今回は、これからますます重要になるであろうEXの向上について考えてみました。

EXの向上には、大きく2つの意味があるといえます。

・従業員の満足度とパフォーマンスが向上し、業績アップが期待できる(従業員の質の向上)
・離職を防ぎつつ、評判が上がることで新入社員も期待できる(従業員の量の維持・向上)

現在働き手は、職場や働き方を容易に比較できる時代であることから、今まで通りの経営では優秀な人材ほどどんどん離れていってしまう可能性があります。

そんな時代だからこそ今一度、働き手から「選ばれる」ための強みとして、EX向上のための施策を企業自らが率先して考えないかなくてはいけない時にきているかと思います。

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