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短歌

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#短歌

悪寒

ブレーキをかけずに足をぶらつかす正しい自転車の乗り方

笑顔はかつて威嚇だったらしい心が強張る瞬間がある

足が枝のような犬足が枝のような人みんな服を着てる
 
この駅を何度通り過ぎたっけ乗客の顔は何度見たっけ
 
円形の真空管が作るわたしという使徒 わたしというモノ
 
この部屋に揺られているのは自覚コーヒーを入れるときの手は自動

薄暗がりに目を凝らしている此岸と彼岸のどちらにいるのか

違和

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漁火ペンギン

 次々に灯り始めるそして猛火へ魅かれる命はひとつのこらず

海の中喘ぎつつ進む、親火に君が微笑むのをみた

漁火をかざして魂を呼ぶ企鵝になって還ってくるはず

杞憂を気泡に返してどれだけ経つのだろう真珠なるなんて

太陽を望む人魚であるならばどんな願いも叶うしかない

水中でかなしみを抱くのはむずかしいかなしみは液体だから

不知火に紛れて燃えている 空にだけ ほらあれが月だよ

大切にしたとて沈

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遊び歌

先頭を歩くひとりで森の中をえずくように喉を動かす

まあ毎日 死ぬ 教えられたことがない名前の由来 ピーポー

どっからが本番?ねぇもう始まっているの?これが大気の味なの?

蹴飛ばした先に良さげな車がある、ああ、爆弾ならよかったのに

都落 駆り立てられて走ってるどうせ行き着く先は崖 火花

上座に座らなければならないサウスポーの全てが遠くにある

煙草を食べるからみてみておかあさん幻肢痛ではき

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独立宗教学

山桜どこまで手折れば近付けるあなたのなかの真の血潮に

少し肌寒くてよかった君/ぼくが生きているかもしれなくてよかった

どこまでも歩いてもずぅーっと君の墓標連なる君になりたい

堂堂巡りをしていると喉が乾くことだけが砂時計になる

甘い蜜で満たして君の唾液で世界包んでマドンナリリー

パンゲアで王様になれたありがとう、とキスをおくって酸性雨降る

朕が国には平和しかないのだ君にだって君を殺させな

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フロムユー・ミリオンムービー

有名に成りたくて買った本たちが騒ついている目を閉じるなと

改札を出られなくなってから柱にもたれていたきづいたら森

写真の中のきみが馬のたてがみ靡かせるようだわらってる

どこでまちがえた?なんて聞くな十字路でなんて変だろうがよ

ぱっぱらー!はなふぶき!はなふぶき!君はいつだってにんげんだいすき

退屈がきらいで映画になったのそれでもその癖なおんないんだ

森にいこうはやく白い服をきて膿なんて

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スタンディングオベーション/モキュメンタリー

 
海のなかからみたあの気泡はラッセルの見た夢だったのです
 
ショットキメて満たした灰皿に真実を握りがなる青年はいた
 
羊を買ってきました羊を飼っていますそういう、無い思い出たち
 
シケモクを拾った人はどれだけいるんだろうきっと綺麗なんだろうな
 
高速道路に橙の灯がたくさん浮いていて、遊園地になった
 
何度も何度も同じ場所に戻ってくるよね君の走馬灯
 
全部全部壊したりないの そういう人

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駄目だったりして(笑)

 
床に散らばる錠剤は封印解かないと話をしてくれない
 
隣で寝息をたてるひと には寝息を確認して安心ばかりじゃない
 
あんたらの呼ぶ私の名前は、あんたらの見る私の顔は、とてもどうでもいい気分がいい
 
今世最大級に土に還りたいかわりに虫たちが息をする
 
夢の中ではだれかが頭をなでてくれたっていってもいっても
 
夕立や台風のない街に住み、どこにも行けないことをよろこぶ
 
ミサイルがとんでき

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GOD DOGs

聡明な目を牢獄に閉じ込めた手にかつて椿だつたもの
 
くりかえしきいたよ、くりかえしきいたから、、、神はいて水を吞もう
 
早口の友人の独りごとがゆっくりなのにおどろいて友人
 
つやつやで黒々とした目のわんちゃんに詩を読み聞かせた公園
 
Dog Ring Bearer 啓示を咥えてうれしそうに走ってくる
 
所詮夢、出てきた人が僕を愛してるってだけのもんだし、アハ!
 
盲人の持つ十字架の朽ち

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君の今月の夜の

銀杏が落ちてもいちょう並木でターンして 君の未来!ずっと明るい

赦しとか擦り切れるほど使ったね 今年の土日はどこにでも行く

お前なんかどうでもいいと言われた電柱に刺さったままの光

本当、などというものはなくなって溶け出していく自我、カフェオレ

あらすじを語るのが上手いあなたが閊えるような喉の渇きを

いつか誰とも話さぬ日が来るだろう 選びとった結果としての

「この冷え性はですね、寄る辺な

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冬に待つ

氷嵐たる顔で君は弾く語り継ぐべき君の楽譜を

君はプリズムに人は死ぬという雪原だとおもう孤独の祈り

間違えて線路に出てしまったらそのまま真っ直ぐ雪の日々へと

鶺鴒は軽やかに踏む晩冬に僕の叶わず割れる薄氷

結晶を手渡すような接吻を白樺の幹へ捧げましょう

白樺に縋るなら女がではなくあの子が欲しいと言わなくちゃ

ひとり立つ、氷雨に打たれるようにおのずと俯く、大切なんだ

白き空気に視線が向く自

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目を見て言った

ぬめついた手を洗い流すいつから生活に慣れてしまったのか

愛憎を誤魔化すような母子手帳右に傾く角が丸い文字

帆を立てて夢うつつなる貝柱海水に溶ける金属の味

間違った思想そう思うかみさま解答ばかり欲しくない

もっともっと激しくして!心臓燃やすくらいの花火を上げて!

分解の進んだ美しい四肢をなげだして奇妙な草原だ

化学反応が終わるまで交わろうそういう雨をふらせよう

重くるしい空気を

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Neurotoxic Addiction

君にだけ見える花束を贈ればきっと燃やしてくれるから愛

甘味から順に消えて塩味へ 薄まってゆく、この霧の中では

水泳の息止める瞬間花水木ふやけるまでも永遠

蓮の泥濘にぬらりと帰って行く沼の子らのゆきてかへらぬ自尊心

息を吸いこんだ瞬間わかる毒毒の海で踊って見せるわ

曖昧な午後に曖昧なダンス憂鬱にかしずく人からこちらへ

だんだん黄色にみえるね視覚情報遮断の禁断の果実

このなかにお医者さん

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火と血

背の低い藤棚を掻き分けて行く人殺しの汗纏わりつく

躊躇い傷の副作用なのか真剣なとき月がふたつ見える

思い出に塗り潰されて散々で散々で咳込んでばかりで

長く生き火で遊べるようになった燃やされる前の演習

入園料を払いわすれて入る病棟 僕の影は白いメスに揺れて

コンコースの人それぞれ割れ損ねた水風船たまたまだろう

燃やし尽くさないことを弔いと呼ぶ畦道に髪の燃えるにおい

自罰としてのマクドナ

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寝・死刑・坊

おはようとこんばんはの境目はない、空腹だけが鋭利にある

「――あげようか」答えるまでに息を、吸う、それまでの時間が吹き溜まる

名水を詰めて動かして私の咥内、驚くほど冷たい

口も食道も腸も俺のものじゃなく、地球の、というあきらめ

取れるだろう球逃してしまったふりをするわたしの膜は怠慢である

どこまでが悲しみだろう、暴力におけるどこからが倒錯だろう

目が覚めてからワンピースを翻すまでの気怠

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