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No.3 コミュニティのサブ要素 -コミュニティまとめ-

前回の記事「No.2 コミュニティのメイン要素 -コミュニティまとめ-」で、コミュニティのメイン要素について説明しました。まだ読まれていない方はどうぞご一読ください。


本記事の内容

今回の記事では、「No. 1 コミュニティの定義 -コミュニティまとめ-」で触れたコミュニティのサブ要素について深掘りしていきたいと思います。
かなりのボリュームですので、よろしければ保存をしていただきゆっくりインプットして下さい。





コミュニティのサブ要素とは、コミュニティの機能や発展に間接的に影響を与える要素です。
サブとは、影響力が弱いという意味ではありません。関係性に直接作用しないという意味です。なので、サブ要素の影響でコミュニティが無くなるということも十分ありえます。ずっと注視する必要はありませんが、常に頭の片隅には留めておくというスタンスが良いでしょう。


外部環境:

コミュニティが関わる社会・経済・技術といったあらゆることです。
コミュニティは様々な要素で成り立っております。そのため、世の中の変化に敏感に反応します。これらを把握しておくことで、コミュニティで起こるであろう出来事を予測します。
全てを細かく網羅することはできないので、ここでは代表的なものを紹介します。


  • 社会的背景:社会の価値観、文化的トレンド、人口統計的変化など

  • 経済的背景:経済状況、雇用環境、産業構造の変化など

  • 技術的背景:新技術の登場、デジタル化の進展、通信インフラの発達など


「コンセプト×切り口」で情報収集する


・外部環境の把握方法

情報を得る上で最も重要なことは、そのコミュニティのコンセプトにどっぷりハマることです。これが一番効率的です。
たとえば、「No.2 コミュニティのメイン要素 -コミュニティまとめ-」で例に出したアイスのコミュニティでは、「アイスデンティティ(ice+identity)」というコンセプトでした。この場合、アイスについて徹底的に研究します。どうやって作るのか?材料は何か?どんな人が関わっているのか?海外ではどうか?…とコンセプトを中心に様々な切り口で疑問が浮かびます。すると、自動的に必要な情報だけが集まります。
「コンセプト×切り口」で情報を集めましょう


リソース:

コミュニティが活動を行うために必要な様々な資源のことです。
つまり、何が使えるか?ということです。使えるものが多いほど自由度は増します。こちらもかなり幅広いため、代表的なものに絞って紹介します。


  • 資金:運営資金、会費、寄付金、助成金など

  • 設備:活動場所、機材、備品など

  • 技術的インフラ:ウェブサイト、通信ツール、データベースなど


・活動場所の重要性

コミュニティを実施する上で最も大きな影響を与えるリソースは活動場所です。
コミュニティは最初に定義したとおり、結局は人の関係性です。なので、どのようなコミュニケーションを取れるか?ということがコミュニティを大きく変えます。では、コミュニケーションの仕方で最も違いのでることは何か?というとリアル or オンラインになります。

リアル or オンライン


リアルは、直接会うことでかなり親密になりやすいです。ボディランゲージや表情、歩き方、細かな振る舞い、声、場所自体の雰囲気…とめちゃくちゃな情報の質・量をやり取りすることができます。その反面、時間と場所を揃える大きなコストがかかります。

それに対し、オンラインでは時間も場所も超えて簡単に会うことができます。とても気軽ですが、一度のコミュニケーションで得られる情報の量も質も小さいです。そのため、心理的距離を近づけるのにかなりのコストがかかります。また、簡単な分離脱が早いです。


可能であれば、どちらも実施しましょう。
具体的には初回はリアルで会う。その後は最低でも月1回は会う。
これができれば上々です。


規範や文化:

コミュニティ内で共有される価値観、行動パターン、暗黙の了解です。
コミュニティのアイデンティティとなり、参加者の帰属意識や連帯感を強くします。また、行動にまとまりをもたせ目指すコミュニティ像に近づくことができます。


・規範

規範は、「明文化されている ・ 暗黙」という軸と「推奨したいこと・禁止したいこと」という軸の2軸で見ることができます。があります。言い換えると、「ちゃんと書いてるか書いていないか」・「してほしいかしてほしくないか」です。


・文化

文化は、皆が意識的・無意識的に合意した意味を形式に落とし込んだものです。あくまで本人たちにとって意味のあることであり、非常に主観的なことが特徴です。実利・効率といったものより、精神的満足感が優先されます。

みんなが意味や価値があると思う
意味を形にする


※規範や文化ってメイン要素ではないの?と思われるかもしれません。ただ、人間の関係性を直接決めるかというとそうではないと判断しました。理由は関係性から生まれるものであることです。規範や文化はコミュニティの初期~中期では大事な要素というより作っていく対象となります。
ですので、今回はサブ要素として取り上げました。


外部との関係:

他のコミュニティや組織との関係性を指します。
例えば競合企業の動向で自社売上に影響が出るといったことがあります。このように外部からの影響はコミュニティ全体にじんわり影響を与えます。どうもコミュニティ内を見渡しても問題がないというとき、実は外部に理由があるという
外部との関係には、具体的に下記のようなものが挙げられます。

  • 協力関係

  • 競合関係

  • 影響関係


・協力関係

相手のために手を貸す関係性です。足りないものを補う、分野での地位を安定させる、協力関係は多いほどいいです。この関係を始めるには、無償で助けるが一番早いです。そして、助けを求めてみることも意外に役に立ちます。相手は変えられないので、自分たちから動いてみましょう。
※余談ですが、スティーブ・ジョブズもインタビューでもっと助けてもらえといった趣旨の発言をしていました。


・競合関係

追い抜く足を引っ張るかという関係です。
追い抜くための努力は自分が成長するのでポジティブですが、足を引っ張る努力は自分が成長しないネガティブなことなので避けましょう。
また、どちらの関係をコミュニティとして取るかでメンバーの活動にも影響が出ます。足を引っ張る自覚をしているのはしんどいですよね。気づいたら個人レベルでも足を引っ張ります。



・影響関係

同じ分野や関係分野にいて、それぞれの変化が相手の状況にちょっと影響するような関係です。
例えば、ゲーム業界で生成AI導入が流行っているから、エンタメ業界のうちでも生成AIで何かしてみよう、みたいなことです。
属性が近いほど強く影響し合います
上の例だと、楽しいことをしているという属性は同じですね。もし、ゲーム業界ではなくリーガル領域で生成AI導入が流行っても、エンタメ業界の反応は薄いでしょう。


今回はここまでです。よろしければスキ・保存・フォローお願いします!
次回はコミュニティの特徴について説明したいと思います。
(コミュニティはアメーバみたい…)


Column:コミュニティってめんどくさくないですか?
刺激的なタイトルですが、一理ありだと思います。このようなタイトルですが、私はポジティブに考えています。
地縁・血縁に縛られていた時代は、家で決められた仕事や結婚をするということが当たり前でした。そういうのをドラマや小説、漫画で見るとびっくりしますね。そこから解放され、人のあらゆる意味での移動が活発になり、自由になりました。自分で好きなことを選べるのは幸せです。しかし、孤独が問題視されるようになりました。孤独とは心が一人ぼっちだということです。都市に住んでいても起こります。こういうことは地縁・血縁の時代にはあまりなかったのではないでしょうか。
こうした経験から、実は獲得したものと失ったものがあるのだと気づけたと思います。昔に戻る必要はないですが、今のままでは寂しい気がします。大変ですが、より良い形を見つけないといけないでしょう。
コミュニティ、つまり、人って面倒ですね。しかし、合理的なだけでは生きていけない、感情を持ち合わせたこの人間というものが私は好きです。
なので、毎日もう一踏ん張りしていきます!

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