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Story

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オガワの小説をまとめています。
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#超短編小説

ガナッシュ・ワークス

ガナッシュ・ワークス

「ちょっと抱きしめてもらってもいい?」
「は?」

上司と二人っきりのオフィスに、響く甘い声。

「どうして抱きしめないといけないのでしょうか」

私はおずおずと尋ねた。
すると上司は眉間に皺を寄せて、ひとしきり考え込んだあと、やはり両腕を広げて「島田! 抱きしめてくれ!」と叫んだ。

「だからどうして抱きしめないといけないのですか!」
「新商品のためだ!」

 この上司――木島

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ありがとうの歌を唄いましょう

「随分と古いCDなんだね」
 
 彼が差し出したそれは、随分と埃が被っていた。
 プラスチックが変色している。それだけ時間が経っていたのだ。

 もうすぐこの街ともお別れ。
 私たちは次の住処(すみか)に旅立つための準備をしているところだった。
 夫となる彼が私に渡してくれたCDは、十数年前によく聴いていたもの。

「そうだね」

 私は、何とも言えない気持ちでその藍色のジャケットとパッケージを見

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So Far

 ――君へ。

 君がこの部屋を出ていって、随分と経ちました。
 君と一緒に選んだソファに座って、この手紙を書いています。
 出す宛もないけれど。

 今でも、このソファで君が僕に微笑みかけてくれている気がします。
 僕の隣で、小さく小さく丸まって眠っていた君の寝顔を思い出しては、懐かしさと、やるせなさに包まれています。
 時計の針が何度も回り、数え切れぬ夜を過ごしたけれど、君を忘れることができま

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