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「Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜」レビュー&考察

「Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜」とは

2021/08/25発売の、ナラティブ謎解きゲーム。
現在のプラットフォームはSteam、iOS、Android。
そしてswitch版とPS4版が2022/06/02発売予定。

開発は、アカツキ台湾が設立したスタジオSilver Lining Studio、
パブリッシャーは、Akupara Gamesとアカツキ台湾。
アカツキ台湾の親会社は、「八月のシンデレラナイン」や「ロマサガユニバース」に携わるアカツキゲームスみたいですね。

スタジオジブリ作品にインスパイアされたというアニメ―ションが特徴的で、ところどころに入るムービーは、本当にアニメを見ているかのような作品です。
1、2時間でできるようなボリュームなので、まったりした休日にカフェでコーヒーを飲みながらぽちぽちプレイするのもいいかも。

そしてゲームの要素である謎解きはかなり易しめ。
どちらかというとパズルに近いかも。
ちょっと強引かな?って思った部分もあったけど、謎解きそのものは小さな子でも楽しめそうな感じでした。
謎を解いて仕掛けが動くその「音」も小気味よくて、謎が解ける気持ちよさみたいなことをすごく意識して作ってあるんじゃないかな、と思います。

見どころ

画家志望の女性が日々をゆったり過ごしながら、隠された「絵の具」と「記憶」を探していく……という謎解きゲームなのだけれど、なんといっても印象的なのは背景の美しさ!
絵の中の世界に入るシーンでは360度カメラを動かすことができるので、ストーリーを追っていくだけでなく、ぜひ後ろを振り返ってみてほしいです。

操作フリー状態の背景は、360度見渡すことができます

サウンドもすごくよくて、ゲーム内に流れるBGMを自分でカセットテープから流すというのも素敵だし、
絵の具を混ぜる音、鉛筆でスケッチする音、コーヒーを淹れるときの音、窓の外から聞こえる鳥の声、そういった環境音が本当に耳に心地よく、ASMR的な要素もありそうな感じ。

あと、朝ごはん!
朝ごはんの描写がとってもいいですね!
目玉焼きとチーズトーストというシンプルな朝ごはんがとっても美味しそうに見えて、こういう部分にもジブリ作品のインスパイアが生きているんだろうなと思います。朝ごはんシーン、何回でもプレイしたい。

目玉焼き🍳
湯気の立つチーズトースト、美味しそうで美味しそうで……!🧀🍞

ストーリーはネタバレになってしまうので多くは語れませんが、
穏やかで、可愛くて、そしてちょっぴり切なさも覚える物語でした。まるで小さな宝箱にしまった個人的な宝物みたい。
自分にとってはとても大事な人生の交差を、大切に胸のうちにしまっていた人の物語なのだと思います。

結びに

そんなわけで「Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜」、大変オススメです。ぜひぜひまったりプレイしてほしいし、エンディングについてどう感じたか、いろんな人の感想が聞きたいです。
休日の午後の陽だまりのように、心が柔らかくなるゲームでした。

開発スタジオさんはこれが初めて発表したゲームのようだけど、これからもこういうゲームを作ってくれるのかな。そうだったらいいな、楽しみだな。

そしてこれを書くためにいろいろ調べていたところ、
新機種版の発売に伴い、全プラットフォームで「裏ストーリーを語る新章」が更新されるようです。
まだまだ楽しめるなんて……!ありがたいことこの上ない……!
2022/06/02の新プラットフォームと新章更新、私も楽しみです。
皆さまもぜひ。

リンク

↓各種プラットフォームでの販売ページ↓
Steam:https://store.steampowered.com/app/1634150/Behind_the_Frame/
iOS:https://apps.apple.com/jp/app/behind-the-frame/id1552126919
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.aktsk.silvrlin.btf
switch:https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000047182.html
PS4:https://store.playstation.com/ja-jp/concept/10004835/

また、このレビューを書くにあたって初見プレイした配信があるので、
よければご視聴と、高評価&チャンネル登録お願いします★

未プレイorこれからプレイする予定の人は、ここで読み終わりとしてください

読んでくださってありがとうございました!
以降は、ネタバレを含んだ考察と感想です。


プレイ後のネタバレ考察

配信で初見プレイをして、その後もう一度プレイしました。
2周目でエンディングが変わるわけではないのですが、気づいたことがちらほら。

◆自分が操作した主人公について

初見プレイの際にラストまで見て、
「じゃあ結局、自分が操作した主人公は誰だったのか?」という部分に思い至らなかったのですが、最後に窓から身を乗り出して外を見ると、
個展にきた人々が笑顔で自分の方を見つめていることから、
「ジャックが描いた絵の中の、若かりし頃のアンバー」なのでしょうね。
チャプターⅠの回想シーンみたいなところで唯一布がかけられていた大きな絵、あれがアンバーを描いた絵だったのでしょう。

ジャックが、ニューヨークに出発する前のアンバーを描いた絵だから、時がそこで止まっていていつまでも繰り返される。朝ごはんのメニューは一緒だし、公募展の応募は何回やってもデータが消えてしまう。

絵の具が記憶と結びついていることからも、「ジャックが描いた絵の中の、若かりし頃のアンバー」の視点で、おばあさんになったアンバーがあの頃の記憶を思いだしていくことで、絵の中のアンバーの時間も進んでいく、というストーリーだったのかな、と思います。

◆ジャックの人生について

チャプターⅠのラストの回想みたいなシーン、実況配信中は字幕が早くて追いきれなかったんだけど、2周目ですごく大事なことを言っていたことに気づきました。
アンバーとジャックの最初の出会いは猫ちゃんを拾ってくれたところじゃなくて、ジャックが向かいに住むアンバーに不意に気づいてインスピレーションがわき、止まりかけていた筆が再び動き出した、と……。

それはつまり、ジャックの人生における重要なターニングポイントが、
アンバーと過ごした日々と別れよりも、アンバーに出会ったことこそが画家としての人生の転機そのものである、ように感じられ、そうなるとずいぶん見方が変わりそう。
初見プレイではラストのジャックの報われなさというか寂しさに泣いたけれど、彼は彼で良き人生を送っていたのかな。

愛しい人とずっと一緒にいることだけがすべてじゃなくて、
人生でもっとも大事な思い出を胸に、あとはひたすらに自分の道を生きていくのも、またひとつ、大事な人生の在り方なんじゃないだろうか。

◆チャプターⅣの不穏なターンについて

チャプターⅣでおじいさんが倒れるシーン、
視界がふさがれる暗転の仕方がなんか変だな、と思っていて、エレベーターのように視界が移動したあとにベニヤ板で塞がれる形になります。
これいまならやっと意味が分かって、おじいさんの家に飾られていたアンバーの絵が、前のめりに倒れていったとしたら、絵の中の彼女からの視点ではこう見えていたのではないでしょうか。
「Behind the Frame」、だものね……!

ただ、おじいさんが倒れた時に描いてる絵が、「絵の中のアンバー」を見つめるおばあちゃんアンバーと家族だったんだけど、これはどういうことかわからない……。
絵の具が示す記憶とか、飾る絵が変わったり、絵が溶けていたり、まだまだ読みが足りないところがあるので、もうちょっとプレイしたりほかの人の考察を読んだり、6/2の新章を見てまた考察を深めようと思います。

◆感想

このゲームは2周目に真価を発揮するかもしれない……!
恋愛ではない愛情で深く結びついていたであろう2人について、もっともっと考えてみたくなりました。

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