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デザインの筋トレ〜店舗レイアウトスケッチのススメ〜

このところ立て続けに新しいお仕事が入ったりで嬉しい悲鳴です。

しかし、同時に上の娘が感染性胃腸炎にかかり、下の娘もRSウイルスにかかり咳と高熱にうなされ、蔓延して家庭内パンデミック中です。

ほんと、うまくいかないモンですね。

さて、以前ちらっと書いていた昔の自分へのアドバイス。今日は「店舗設計が上手くなるためにやっておいた方が良いこと」をまとめておきます。

店舗設計を志す人はもちろん、レストランや雑貨屋さんなんかを自分で開きたいオーナーさんも知っておくと役立つ事をお話しします。

まず大前提として、デザインセンスと設計スキルは別物です。

デザインは時代や場所によって意味や価値が変わってくる相対的なものですが、設計は人体や文化や技術が大きく変わらない限りは基本は同じ絶対的なもの。

どちらを鍛えた方が良いかというと、両方なきゃダメ。

でも、どちらかといえば設計スキルは経験と練習の蓄積がモノを言うので、こちらを鍛えておくと役立つ場面は多い。

デザインセンスっていうのは、例えば今ある椅子の意味を再解釈して、より見たことのない新しい椅子を作り出したりするセンス。

対して設計スキルは椅子の構造や寸法や強度を検証し、適切な価格の作り方を導き出したりする技術。

センスだけだと実用性皆無のアートピースになっちゃうし、技術だけだと心や感動のないカタブツになっちゃう。

デザイン学校や美大なんかで教えて鍛えてくれるのは8割がデザインセンスの方です。2割くらいは技術も教えてくれるけれど、そこは武道でいうところの型みたいなもんでそのまんまであまり役立たない。

だから、デザインで食っていこうと思うならセンス磨くのは好きでやってて当然として、技術磨きをコツコツやりましょう。


さて、ようやく本題。

では設計スキルってどうやって身につけるのか。


一番いいのは実践経験、つまりは場数。これに勝るモンはないです。

日々仕事に邁進し、一件ずつ丁寧に設計を重ねる。・・・以上!解散!


って、ここで終わると詐欺みたいになるので、もうちょっと地道に日頃できる事を紹介します。


お店のレイアウトをスケッチする

これは今でもちょいちょいやっていますが、飲食店なんかで入ったお店のレイアウトをざっとスケッチをしましょう。

だいたいの寸法は目測で書き込みます。

もしも測れればテーブルやカウンターなんかを測れば、この大きさでこれくらいの料理を並べるとこういう気分という感覚がわかるようになってきます。そうそう、天井高も忘れずに。

あとは座席数、組数とだいたいの客単価をメモ。そのうち立地と店構えとだいたいの席数を見れば客単価の想像がつくようになります。

そしてお店で感じた印象や、かっこいい箇所などがあればそれもメモ。お店の迷惑にならない程度にスマフォで写真をこっそり撮っておくのもいいでしょう。

あとは尿意はなくともトイレは必ずチェックします。

いいお店はだいたいトイレの細部にまでちゃんと気を使っていますし、トイレの方に行くとバックヤードや洗い場をチラ見できたりするので必ず行きましょう。

この店舗スケッチ、数をこなすと筋トレのごとく効いてきます。

人気のあるお店はもちろん、ダメなお店もそのダメさが勉強になります。動線の悪さ、居心地の悪いテーブルと椅子の関係、他人の失敗ほど勉強になるものはありません。

正直、SNSでかっこよさげな写真集めたり、パラパラとデザイン雑誌めくって質の低いパクリに精を出すよりも、現場で感覚磨いた方が100倍役立ちますよ。

でも、技術の研鑽は一朝一夕では身につきません。感覚がついてきたと感じるのに、早くても1年〜2年はかかります。

えぇー、そんなかかるのかよー。。。めんどいなぁ。。。

そう思う気持ちもわかります。でも、世の中の仕事のほとんどは「大変なので代わりにやっておきました」で成り立っています。

設計技術を磨くのはめんどくさい。でもめんどいからこそ、コツコツ磨いて行くと仕事になるんです。

というわけで、10年前の自分!これはやっておいて損はなかったから、めんどいけれども地道に頑張りたまえ。10年たったら自信持ってプロって言えるようになるから。

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