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サービスで差別化は鬼門

ちょっと前に飲食店の独立開業のご相談に乗ったのですが、その時にこんな質問をしたんですね。

「カフェを始められるということで、いわゆるチェーン店とは違う差別化が重要かと思いますが、どこで差別化されますか?何か引きのあるメニューはありますか?」

これに対して、いただいた回答は「サービスで差別化します。」とのことでした。

サービスで差別化というと、たとえば全てLINEで注文を取る蕎麦屋さんとか、キャリアコンサルタントさんがやってる人生相談スナックとか、そういう方向性?

そう思って聞いてみると、どうも接客で差別化をされると。

年上の方の案にダメ出しするのは申し訳なさもあるのですが、50近い素人上がりのおじさんが1人で切り盛りしながら接客なんて無理ですよって止めました。


接客を簡単にとらえがち問題

接客のクオリティで差別化って、初心者さんが考えがちなやつなんです。なぜなら、言うだけなら楽だから。

でも、考えてみてください。今までに、心から感動するレベルの最高の接客を受ける経験をどれだけしてきましたか?

そして、自分でそれを再現して、あらゆる人にあわせて瞬時にカスタマイズして接客対応できますか?

こんなのができるのはほんとごく一握りのプロ中のプロのサービスマンだけです。正直、サービスで差別化とか言っちゃうのはサービスを舐めすぎです。


サービスは属人スキルの極み

誰かの心を動かすには、心を動かされた経験が必要です。サービスで心を動かされた経験があれば、それを自分が再現できるかの難易度は想像できるはずです。

逆に言えば、サービスで差別化と言えてしまうのは、本当の心が震えるヤバいサービスを受けた経験が少ないかないのかもしれません。

まず、接客のクオリティというのは値段や品質と違ってスコアリングがしづらいものです。こうした数値化のできない要素は、差別化するとしても具体性に欠けますし、再現性も低い。

再現性の低いものを主軸に据えるのは、戦略としては失策です。

それこそサービスとは属人スキルの極致であり、サービスで差別化を突き詰めると高級ホテルのコンシェルジュか夜の街のキャバクラやホストクラブになってしまいます。


独自性は経験の引き出しから生まれる

私たちは、誰もが過去の思い出や体験をしまっている引き出しを持っています。そして、オリジナリティあるアイデアとは、その引き出しの中でさまざまな要素が絡み合って偶発的に生まれる突然変異のようなものです。

つまり、99%のオリジナリティを感じるアイデアは過去の体験や経験を下地にしたものです。

ごく稀に本当の天才発明家のようなアイデアを出す人がいますが、それは限られたレアケース。

何かビジネス上の戦略で差別化しようと思うのならば、本当にそれは差別化できるものなのか?それで差別化しているケースではどんな事をしているのか?そして、その差別化しているケースを自分は体験したことがあるのか?

この三つは意識しないとダメでしょう。


・・・なんてことをコンサルしつつ、じゃあ自分の事業はどうなんだ?という問いを向けると、まだまだ僕の仕事もフワフワしていてとらえどころないんですよね。

差別化戦略、もっと深掘りして考えていきたいところです。

過去の人生最高のサービスは星のやさんです。
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