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#読書感想文

その面白さにただひれ伏すばかり | 「君が手にするはずだった黄金について」(著:小川哲)

その面白さにただひれ伏すばかり | 「君が手にするはずだった黄金について」(著:小川哲)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

正直なところ小川哲さんの本は読んだことはなかったのですが、タイトルとデザインに魅せられて即買い。軽い気持ちで読み始めるとあまりの面白さに読むのが止められなくなる、本当に。

どのエピソードも面白いのですが、表題にもなっている「君が手にするはずだった黄金について」が秀逸で大好き。情報商材やタワマン、投資家、有料ブログ、炎上…よく耳にするキーワードとストーリー

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久しぶりにアジカンの曲でも聴いてみるかな | 「朝からロック」(著:後藤正文)

久しぶりにアジカンの曲でも聴いてみるかな | 「朝からロック」(著:後藤正文)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

最近、定期的にミュージシャンの方が書いた本を買うようにしている。表現を生業としていることもあって世界観や言葉選び、視点などが興味深いことも多く、自分自身の糧となり引き出しを増やすインプットとして読んでいる。今回は平積みになっていた「朝からロック」が気になって買ってみた次第である。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONの歌は好きで、社会人に成り

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消極的にオススメする | 「自殺帳」(著:春日武彦)

消極的にオススメする | 「自殺帳」(著:春日武彦)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

X(twitter)のタイムラインで見かけて気になっていた「自殺帳」を本屋で見かけて、思わず買ってしまいました。読みだしたら、独特の世界観に惹きこまれて一気に読んでしまった。

小さいときには親戚の一人が自殺した。小学生のとき住んでいた14階建てのマンションから若い女性が飛び降りた。学生のときには同級生が何人か亡くなっている。中央線沿線ではしばしば人身事故

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別の意味で衝撃的だった… | 「いなくなっていない父」(著:金川晋吾)

別の意味で衝撃的だった… | 「いなくなっていない父」(著:金川晋吾)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

先日、新宿の紀伊國屋書店で大人買いした本の中に「いなくなっていない父」(著:金川晋吾)があった。とはいえ、買ったはいいものの気分的にどうしてもなかなか読むには至らなかったのだが、翌日を気にしなくていい土曜の夜ということもあり一気に読んだ。

父と自分に関することを延々と描き続けるということは自分では到底できないと思う。
自分の気持ちのちょっとした変化を語る

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歌人にはなれないけど、一歩近づいた気がする…かもしれない | 「彗星交叉点」(著:穂村弘)

歌人にはなれないけど、一歩近づいた気がする…かもしれない | 「彗星交叉点」(著:穂村弘)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

穂村弘さんは名前は知っているけれど著書はずっと読んだことがなかったのですが、雑誌で紹介されていた書評をみて気になったので読んでみました。

歌人というのは言葉のセンスはもちろんのこと、何気ない日常の中にあるちょっとしたものを見過ごさず且つ見る視点というものが普通の人とは異なるなぁと思う。
我々は当たり前のものを当たり前のようにみてしまって、結果として何も見

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「黄金比の縁」(著:石田夏穂)を読んでみた。

「黄金比の縁」(著:石田夏穂)を読んでみた。

こんにちは
イデアレコードの左川です。

会社帰りによってアトレの本屋で見かけて即買いしてしまったのが、「黄金比の縁」(著:石田夏穂)。オシャレなデザインとコピーが非常に興味をそそられます。「会社の不利益になる人間を採る」インパクトありますね。。。

「会社の不利益になる人間を採る」採用担当の話なのだが、就活に関するリアルな描写と世の中の不条理、エンジニアの生態が絶妙に絡み合いながら、展開していく

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