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デザインの話

先日、あるデザイナーさんから言われてちょっと嬉しかったことがありました。
「atさんの仕事はブレが少ないのでやりやすい」
 
オフィスatでは様々なツール制作を行なっています。
Webサイトはもちろん、SNS、紙のパンフレットや商品パッケージなど色々。
 
デザインには正解がないので、クライアントも悩んで決められずに困ること、よくあります。好き嫌いもあるし、シロウトでも意見が言えてしまうからです。
 
でもうちは、出したデザイン案に対して、クライアントからダメ出しが出ることは殆どありません。だから、デザイナーさんも「やり直し」となることがないので信頼して受けてもらえます。
 
 
それはなぜか。
デザインというふんわりしたものを形にするまでに、しっかりとロジカルに考えるからです。全体のテイスト、色、フォント、配置など、デザインする前に徹底的に吟味と打ち合わせを繰り返します。
ツールはあくまでもマーケティングの一環です。デザインにも、その効果を高めるための意味があることが大事です。
 
それらの様々な情報をデザイナーに伝え、そこから先はプロを信じて表現してもらいます。デザイナーはatの作った設計図を基に、相手にいかに心地よくそれが届くかを考えてもらいます。
この場合の相手とは、クライアントではなくツールを手に取るユーザーです。ですからクライアントの希望を聞いても、それがユーザーのためでないことはハッキリ断りますし、納得行くまで話し合います。
 

偉そうに語っていますが、そのほとんどは私ではなくテラシマが担当します。私は敢えて、デザインや制作について深く学ばないようにしています。そしてそれがatの特徴でもあります。
 
クライアントとのやり取りの中で、テラシマがサラリと言っていることを本当に理解できているか、私の中のシロウトが確認します。クライアントが理解していないかも、と思えば私が別の言葉で解説します。またある時は、一般ユーザーの立場になって、使い勝手や間違って受け取られないかなどを確認します。
 
プロの仕事とシロウトの視点、これがatの特徴です。

デザインのデの字も知らなかった会社員時代、事業のパンフレットを作る担当になったことがありました。そこそこ大御所のデザイン会社に依頼したのですが、ものすごく大変だった思い出があります。

あれこれイメージは膨らみ、デザイン事務所の方に伝えるのですが、出してくるデザインが何だかしっくり来ない。シロウトが「こっちの方が良くない?」と言えば、そのまま修正してくるんだけど、それが正解なのかは教えてもらえず(分かってなかったのかも)、結果、シロウトが口を挟んだイマイチ納得のいかないものができあがりました。デザイン会社の方も、何度もやり直しさせられて辟易していたと思います。
今考えると、デザイン会社からマーケティング的な指摘は一切ありませんでした。誰に届けるパンフなのか、どんな印象を持ってもらいたいのか、そんな質問はなく、だから私の好みやイメージを反映はしたものの、何だかピンと来ない物になってしまったのだと思います。

シロウトは、デザイナーはプロなのだから何でもやってくれる、と思いがち。でも実際、デザイナーはデザインのプロなのであって、マーケティングのプロではないのです。そのため、クライアントとクリエイターの間には、設計図を作ったり翻訳したりのディレクションをする人が必要なんです。(もちろんどちらも出来るクリエイターもいますが少数です)


あの時の私のような後悔を、クライアントにさせてはいけないと思っています。プロのディレクションでクライアントの想いをしっかり伝え、クリエイターには力を存分に引き出してもらう、そうやっていい仕事をしていきたいですね。

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