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#考現学

♯7-4 庭園調査

♯7-4 庭園調査

遠野と水流 水路の思い出

 遠野の町は、水の流れのなかに築かれたと言われるほど水流が豊富で、来内川にダムが築かれるまでは、しばしば洪水に悩まされてきました。一方、その水を利用して、街場には酒屋や糀屋、味噌屋、醤油屋が軒を連ねていました。いたるところで水が湧き、大きな水流に触れられる場所は、一日市町だけでも10ヵ所以上にのぼったとも。かつての水路を掘り起こすことで、年配の方は、小さい頃、近所の屋敷

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#7-5 そうだ! 路地(ロウジ)を直そう

#7-5 そうだ! 路地(ロウジ)を直そう

わざわざ自分たちでやる価値 今年の三田屋オフキャンパス建築改修チーム(中学生、高校生、大学生、大学院生、社会人の混成チーム!)は「町家の路地(ロウジ)」の修復に取り組みました。既存の路地は雨漏りがひどく、垂木や野地板、柱、基礎もガタガタでした。いつ本格的な改修が行われるかわからないため、それまでに崩壊しないよう簡易な改修を行いました。腐っている部材を解体する際には実測作業も並行しています。この記録

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#7-2 遠野の建築とルーツ

#7-2 遠野の建築とルーツ

南部曲り家の成立曲り家とは?
 日本には、アイヌの「チセ」や白川郷の「合掌造り」など、さまざまなかたちの民家があります。遠野では「南部曲り家」が有名です。南部曲り家とはどのような建物でしょうか。ここで少し解説したいと思います。
 「曲り家」とは、人が住む住居と馬屋が一緒になったL字型の民家のことを言います。似たようなかたちの民家は、北陸の「中門造り」など日本各地に見られますが、地域によって性格が異

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#8-1 「立ち寄り観光地」から「滞在型観光地」へ

#8-1 「立ち寄り観光地」から「滞在型観光地」へ

千葉家プロジェクトのこと 千葉家住宅は、自然と暮らしが有機的に結びついていた時代を象徴する建物です。重要文化財の対象は敷地内の建物群ですが、農家は本来、建物だけでなく、山林や田畑、川、牧草地など、それをとりまく環境やそこで営まれる生業が一体となって成り立っていました。
 千葉家プロジェクトは、「重文千葉家の活用を考える会」が中心となり、千葉家住宅を含む周辺地域一帯を「本当の日本のふるさと」として

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HEii press vol.08 「道具と山」

HEii press vol.08 「道具と山」

2020 Spring

 8年目の遠野オフキャンパスは、重要文化財千葉家住宅の立地する上綾織を中心に展開しました。現在修復・復原工事中の千葉家住宅を含む周辺地域の未来を考えながら活動する「千葉家プロジェクト」と連動して、建物や植生、環境、道具などをリサーチしながら、暮らしや生業などが織りなしてきた土地固有の風景の成り立ちを探っています。

vol.8 目次
・「立ち寄り観光地」から「滞在型観光地

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#8-5 オフキャンパス はじまりの場所

#8-5 オフキャンパス はじまりの場所

「三田屋オフキャンパス」の足跡と未来
 2012年2月、遠野をリサーチしていた造園家の田瀬理夫さんと大学生が、もうすぐ解体されるという町家「三田屋」に出会いました。その時「農家としての千葉家の曲り家に匹敵する、もしくは相当する三田屋の建物、敷地の構成、たたずまいは、遠野の町中においても群を抜いた存在だろう」と直感し、すぐに市長に手紙を書きました。そして、三田屋を残していく道を探ること、町中にさまざ

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#8-2 「山」の話 山さ行くときはナタ持って

#8-2 「山」の話 山さ行くときはナタ持って

「山」の話
 上綾織では、猿ヶ石川支流の山谷川によって開析された谷地形に、集落と山、その山上にある野馬土手までが人々の生活と生業の舞台となり、地域景観に直結する文化的景観の一部を構成しています。農家の営みとワンセットに存在する山の中でも、特に緩勾配の斜面地は、かつて、ミズナラ、コナラ、トチノキ、サイカチなど落葉広葉樹の雑木林や馬の放牧地、採草地として生活や生業のために利用されていました。1960年

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#8-3 上綾織から発信する新日本民俗学

#8-3 上綾織から発信する新日本民俗学

マンサードに見る生業の証 千葉家の保存修復工事が進む上綾織で、2016年にマンサードの調査を始めました。これまで、87棟の外観調査と7棟の実測調査を行っています。昭和30年代にこの地に根づいたとみられるマンサードには、たばこ・酪農・畜産・稲作など、各々の家の生業に応じた設えがあります。

 2019年9月と11月、上綾織山口地区の一棟のマンサード小屋で、遠野市内の高校生や都市部の大学生たちと活動し

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