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音楽の話をする時は大丈夫な時

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その人の好きな音楽を知ることは、その人の心の中に流れる音楽を知ることだ
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#槇原敬之

Lotus in the dirt / 槇原敬之

「やった後悔よりも、やらなかった後悔の方が大きい」

そう言われている。

しかし、両者にそう違いはないんじゃないか。3年前くらいにそう思った。

「やった後悔」も、結局「どうしてもっとうまくやれなかったのだろう」という「やらなかった後悔」になるから同じこと。

その時はそこまで。

この年末に、ふと思ったのは、「諦めない」ということ。

そうか、「どうしてもっとうまくやれなかったのだろう」は、現

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LOVE LETTER / 槇原敬之

昼間に街中で制服姿を見かけ、ああ、もう卒業式は終わったんだな、と思う。

僕の学生時代は、夜の校舎窓ガラス壊して回るほど抑圧されてはいなかったが、今なら言えるだろうか偽りのない言葉、と思うほど素直でもなく、割と人混みに流されても変わっていかない方だった。

ふと槇原敬之の『LOVE LETTER』が頭の中に流れてくる。ファン投票では必ず上位に来るアルバム曲だ。ファンが好きな曲、というのはそのアーテ

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槇原敬之

1999年、僕は金沢・武蔵ヶ辻辺りの信号待ちで、カーラジオから槇原敬之逮捕のニュースを聞いた。

特に不思議には思わなかった。

今回、前回よりも残念ではあるが、やはり驚きはしない。

槇原の歌は、弱くて卑怯で小さな最低の人間が、後悔し、反省し、もがきながら、それでも何とか真っ当でありたいと願う人の歌だから。

僕ら古参のファン、いや少なくとも僕は、「好きなものは好き!」とか「僕が一番欲しかったも

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Love was sleeping. / 槇原敬之

ある春の日のこと。

大学の食堂で友人と食事をした後、外に出ると雨が降っていた。

特に珍しいことではない。

石川県には「弁当忘れても傘忘れるな」という格言がある。

そして、大雨でも予想されない限り、いちいち傘を持ち歩かないのも県民の気質だ。

僕は構わず歩き出し、用意のいい友人は傘を差した。

「入る?」

彼女は言った。

「いや、大丈夫」

僕は軽く手を挙げて振ってみせた。

ふと一言が

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桃 / 槇原敬之

抱きしめたいと言う言葉の意味とは裏腹に不安や寂しさを君に押しつけようとしてたんだ
ここに来る途中に君の好きな桃を選びながら救われることしか頭になかった最低な僕

のっけから、鋭いパンチを食らう。

若い頃の友情とか、恋愛とか、こういうことが多いんじゃないだろうか。

ただ自分が救われたい。

この曲は歌詞を全部載せたいくらい素晴らしいのだが、もう一つだけ。

駄目なところをたくさん僕の中に見つけて

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