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電気グルーヴ「UFO」

1991年発売2枚目のアルバム。前作から7か月後に発売され、1年で2枚のオリジナルアルバムを発売した事になる。その間に前作までメンバーだったCMJKが脱退し、交代するように新メンバーである砂原良徳が新たに加わる。ただこのアルバム制作途中からの加入なので最後の「ビーチだよ!電気GROOVE」以外はどこまで関わったか不明だが少なくとも半分以上は卓球と瀧2人によるアルバム制作となっているらしい。
ジャケットの机は元々1個ずつ並べたものをCGによって増やしたらしい。1991年でこの違和感ないCGはなかなか凄い。
プロデュースは電気グルーヴと朝本浩文。

メンバー
石野卓球・・・ボーカル、プログラミング
ピエール瀧・・・ボーカル、プログラミング、瀧
良徳砂原・・・プログラミング

収録曲
B.B.E.(Bull Beam Express)
作詞 ピエール瀧
作曲 石野卓球
テンポが速いテンションも高い高速テクノナンバー。主旋律の妙に芯の太そうな強いメロディが印象的。歌詞はギャグ漫画のようなシュールで不条理な内容がオムニバス形式っぽく綴られている。特に「万引きクラブの全国大会惜しくも敗れて銅メダル」という歌詞が好き。
現在もライブでよく歌われているが、サウンドアレンジが原型を留めない事がほとんど多くボーカルも最近では瀧がメインボーカルとなっている(原曲は卓球ボーカル)。
1995年発売のオムニバスアルバム「今夜は‘‘ラップ‘‘ダヨネ。」にも特にラップ要素はないのに収録されている。
このアルバムの中で一番好きな曲。

俺のカラダの筋肉はどれをとっても機械だぜ(甲)
作詞 石野卓球、ピエール瀧
作曲 石野卓球
元は前身のバンドZin-Say!の楽曲のセルフアレンジ。ヒップホップテイストで0分36秒と短い曲。(甲)では瀧がメインボーカル。

MUD EBIS(Chimimix)
作詞・作曲 石野卓球
シングル曲のアルバムヴァージョン。元々ラテンっぽいノリのサウンドを更にそれに近づけてアレンジされている。歌詞はお金持ちの家で生まれた子どもを微妙なフォローを入れつつもかなり蔑むような内容でZin-Say!時代のノリに近い楽曲となっている。「高校入学はしたものの おやじのコネで入れた私立校」という歌詞が地味に好き。
KAZZ:BAの江川ゲン太がティンバレスで参加している。
余談だが、ウィキペディアには元々アニメ「おぼっちゃまくん」の主題歌に使われる予定だったと記述されているが調べてもそのような情報は一切ないのでガセだと思われる。

メカニカル娘
作詞・作曲 石野卓球
リズムマシンが大々的に使われている機械仕掛けなテイストのテクノポップサウンド。歌詞はメカニカルな娘の事を歌っており、更に囁くような優しい歌い方とやたらポップな曲調なのも相まって妙に可愛らしい印象がある。個人的に歌パート後の機械的なサウンドとヴォコーダー部分が癖になる。

オールスター家族対抗蛇合戦
作詞・作曲 石野卓球
Zin-Say!時代の曲のセルフカバー。テンポは原曲よりゆっくり目のかなり落ち着いたテイストとなっている。歌詞は家族対抗で各々自慢の蛇を持ち寄って蛇合戦をするというタイトル通りのシュールな光景が目に浮かぶ内容。蛇もいい迷惑である。GO-BANG‘Sの森若香織がコーラスで、ブラザー小松がギターで参加している。

俺のカラダの筋肉はどれをとっても機械だぜ(乙)
作詞 石野卓球、ピエール瀧
作曲 石野卓球
(甲)同様Zin-Say!の楽曲のセルフアレンジでこちらもヒップホップテイスト。こちらは卓球がメインボーカルで(甲)よりちょっとだけ長い0分58秒。

ちょうちょ
作詞・作曲 ピエール瀧
本作唯一瀧が作詞と作曲を手掛けた曲で瀧が単独で作曲をする流れは6枚目のアルバム「ORANGE」まで続く。ちょっと童謡風な感じのテクノポップサウンドに瀧流ヒップホップが絡んだテイスト。歌詞はストリーキングの男に迫った内容で、「B.B.E.」のように独特でシュールの世界観が醸し出している。「全裸の道は険しいけものみち 頭隠さず尻も隠さない」という歌詞が好き。

COSMIC SURFIN‘(Ecstasy bathroom mix)
作曲 細野晴臣
メンバーが心酔するテクノグループYellow Magic Orchestraの1枚目のアルバムに収録されている同名曲のカバー。1枚目の両A面シングルに収録されているヴァージョンとは別で、異様に妖艶な雰囲気を持つアレンジが施され、YMOメンバーに聴かせたら苦笑いしそうなモノとなっている。瀧はこの曲でひたすら喘ぎ声をあげまくり、「うっ!」と達した後はシャワーを浴びて原曲を口ずさんでいる。
アレンジ自体はYMOをリスペクトをしているだけあってユーモア感満載で面白いアレンジだと思う。
余談だが、初めて「COSMIC SURFIN‘」を聴いたのはこのセルフカバーのアレンジが最初だったw

東京クリスマス
作詞 ピエール瀧
作曲 石野卓球
瀧ボーカルで電気唯一のクリスマスソング。しかし歌詞の内容はクリスマスに男が相手の女にデートをすっぽかされ、仕方なくテレクラしてみれば来たのがゴリライモ、諦めて車に向かえば駐禁取られたりとスチャダラパーの楽曲「ついてる男」を彷彿するような星飛雄馬のクリスマス並みに悲惨なクルシミマスソング。聴けばきっと涙ちょちょぎれるだろう。

モンキーに警告
作詞・作曲 石野卓球
前曲のアウトロからそのままの流れで始まる曲で、ちょっとしたミニマル要素を取り入れた騒がしいテクノポップナンバー。音がちょっと可愛らしい。
歌詞はタイトル通りモンキー(似の男)がプッツンしてキレて暴れる姿を歌っている。たまに入る瀧によるモンキーへの警告が特に好き。歌詞の語感が聴いててかなり気持ちがいい。

ボクの姉さん
作詞・作曲 石野卓球
テンポがゆっくりで全体的にレゲエ調のサウンドが特徴。歌詞の内容は弟目線で語られる「兄さん」の話。途中まで仲睦まじい兄弟の様子を歌っているのだが、終盤の歌詞はタイトルのような兄さんになってしまうという衝撃な内容。ゆったりした音色からとんでもなく後味の悪い感じでこの曲は終わる。「4年ぶりに帰って来たのは おじいさんのおそうしきの時 変わり果てたその姿 ママは泣いて パパは激怒した」・・・まず、両親に相談しとけよ。
間奏のハーモニカソロが何だか可愛らしい。

ビーチだよ!電気GROOVE
作詞 電気GROOVE
作曲 良徳砂原
本作唯一の砂原による作曲された曲で電気としては初となる。全体的に常夏のビーチに置いてあるラジオから曲が流れるような演出が洒落ていて、波の音がサウンドより大きめなのも地味に凝っている。サウンド自体は夏の海に相応しいようなレトロチューンでギターサウンドがメイン。サウンドとは別に瀧演じる海をこよなく愛する泳げない漢が登場するのだが、彼は最終的に遊泳中に溺れるうえにサメがやってきたので最後は救急車に運ばれてしまう事態に陥る事となり、これまた衝撃な内容でアルバムが終わる。
日本盤だけボーナストラックの扱いだが、このアルバムは元々日本盤しか存在しないとのこと。

現在所有しているアーティストCD・音源(邦楽編)
https://note.com/odmssyw/n/n4d7ea2d38165

現在所有しているアーティストCD・音源(洋楽編)
https://note.com/odmssyw/n/n9e4b10ae1dce

現在所有しているアーティストCD・音源(その他)
https://note.com/odmssyw/n/n34964b507575

現在所有しているアーティスト DVD・Blu-ray
https://note.com/odmssyw/n/n47d6b0d7eb31

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