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電気グルーヴ「FLASH PAPA」 レビュー

1991年発売の1枚目のオリジナルアルバム。発売当時のメンバーは石野卓球、ピエール瀧、CMJKによる3人でCMJKが唯一メンバーとして参加していおり、このアルバム発売後に脱退する。レコーディングはイギリスのマンチェスターで行われた。プロデュースはトニー・マーティン、ティム・オリバー、ダーリン・ティドセイ、サイモン・クロンプトン、アンディ・バーキンショー、マーク・ホール。
このアルバムの特徴は何といってもおふざけ路線のヒップホップを取り入れたテクノ、ハウスとなっており、この路線は3枚目のアルバム「KARATEKA」まで続く。また前年に発売したインディーズアルバム「662 BPM BY DG」から数曲がアレンジと改詞されて収録されている。

メンバー
石野卓球・・・ボーカル、サンプリング
ピエール瀧・・・ボーカル、瀧
CMJK・・・シーケンサー、DJ

収録曲
1.ウィー・アー
2.生ゴミOH2
3.マイアミ天国
4.M.O.C.
5.カフェ・ド・鬼
6.ビコーズ
7.ラガモン~証城寺の狸ばやし~
8.CATV
9.Bingo!
10.電気ビリビリ

ウィー・アー
作詞 石野卓球、ピエール瀧
作曲 石野卓球
ミニアルバム「662 BPM BY DG」収録曲のアレンジ。アレンジ自体はそんなに変わらないが改詞されている(この曲に限らず歌詞は以前のものの方が過激さがあって好き)。このアルバムの中では唯一瀧が作詞に携わっている。
所謂自己紹介ソングその1。電気節の歌詞がたまらない。

生ゴミOH2
作詞・作曲 石野卓球
電気の前身であるZin-say!の頃からある同名曲のリメイクで生ゴミのような連中を皮肉った曲。
歌詞が全体的に大好きで特に「エラソーな顔して日本批判 文句ばっかタラタラゴキブリ外人 僕の国ではこうなんだけど そんなに嫌ならとっとと帰れよ」の部分。
カラオケで歌うと意外と難しい。

マイアミ天国
作詞 電気グルーヴ
作曲 CMJK
自己紹介ソングその2。全体的にピコピコしたサウンドが心地良い。「エーブリバディサンプリーング♪」が妙に頭に残る。
90年代初期はよくライブでも演奏されていたが近年はあまりない。
ところで、「わからなーい」の声はCMJKだろうか?

M.O.C.
作詞 石野卓球
作曲 CMJK
生ゴミOH2同様皮肉ソングで日本の音楽に対する皮肉を歌っている。
M.O.C.が何の略かはセルフアレンジアルバムの「FLASH PAPA MENTHOL」によると、Mは「maximum(マキシマム)」、Oは「orgasm(オルガズム)」、Cは「ちょっちゅね(沖縄の方言で「そうですね」)」、だそうだ…w

カフェ・ド・鬼
作詞・作曲 石野卓球
後々のカフェ・ド・鬼シリーズの原点。よくわからんがもはや国家いや、地球や宇宙にまで影響を及ぼすレベルの大食漢を歌った曲。
サビのコーラスは現地の子供によるものらしい。
瀧パートは「鬼」という部分だけだが、レコーディング中何故かOKが出されず何度も言わされる羽目になり、生きてきた人生の中で一番鬼と言わされたこの日(1990年11月17日)を後に鬼日と制定している。

ビコーズ
作詞・作曲 石野卓球
自己紹介ソングその3。どちらかというと卓球と瀧の自己紹介のような内容。落ちついた感じのバンドサウンドが特徴。終盤のギターがいい。

ラガモン~証城寺の狸ばやし~
作詞 石野卓球、野口雨情
作曲 石野卓球、中山晋平
とにかく女を持ちたいムラムラした男の焦燥感を歌った曲。サビは申し訳程度の童謡「証城寺の狸ばやし」のカバー。何故この曲を入れたのだろうかw
曲の前半はゆっくりとしたテンポだが後半からぶつ切り気味にテンポが変わるのが特徴。割とテンポが変わる曲は結構好きだったりする。

CATV
作詞・作曲 石野卓球
歌詞は一応あるものの、ほぼインストに近い曲。
この曲をライブでやると瀧が消火器のホースの先を咥えて吹く(?)。
意外とカラオケにも収録されていたりする。

Bingo!
作詞 石野卓球
作曲 石野卓球、CMJK
卓球とCMJK唯一の共作。ハウステイストの曲。
言うまでもなくビンゴの歌。イントロのギュギュギューって音のシンセと「これで寿司屋も怖くない」という歌詞が何故か好き。

電気ビリビリ
作詞・作曲 石野卓球
自己紹介ソングその4で初期のライブでは必ず演奏されていた超名曲。「662 BPM BY DG」収録曲のアレンジ。「ウィー・アー」同様に元の歌詞の方が過激で好みなのだが。
しかし歌詞を変えてもなかなかにお下劣な部分は相も変わらず、加えてサウンドもいちいちかっこいいから困る。
この曲に限らずだがライブだとかなりアレンジが利く曲でトリを飾る事が多かった。

まさに電気グルーヴ本格的に幕開けの1枚といった感じだ!それにしても1枚目からいきなりイギリスでレコーディングというのも改めて凄い気合の入り方だ。


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