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生命の流れに耳を傾けて〜詩集〜

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「記憶と存在」以後の作品をまとめています。前の作品集ではペシミスティックな作品が多かったですが、本作品集では暗澹たる雰囲気が形を潜めています。とは言え、翳がなくなったかと言えば決…
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記事一覧

海をたゆたふ花

暖かい光に 煌めく生命のすみか みづから望むこともなく たゞ 古へからの ならはしに從つ…

橘井秋霜
1年前
15

春の旅立ちに寄せて

その一 いつもと 変わることなく しずかな朝が おとずれる しかし――朝日に照らされるの…

橘井秋霜
2年前
9

雪のかたみ

空から 雪が流れてきた! 果敢なげな ほほえみを 陽にむけた まっ白い雪は まよいなく …

橘井秋霜
2年前
8

またある季節に

秋はまたたくまにかけ 冬が目のまえまでやってきた! 寂寥を身にまとった風が 木々の眠りの…

橘井秋霜
2年前
5

睡蓮の夜想曲

風が草のにおいをはこんできて 黄昏のおとずれをささやく ちいさなかげをきらめかせながら 水…

橘井秋霜
2年前
2

冬の訣別

その一冬がかえってきた! 雪はかがやいて光っている 深いしじまをひびかせながら 浮き雲は冷…

橘井秋霜
2年前
4

秋の追憶

その一 あつい灰色の雲が陽をかくし すきのないかげが一面に落ちる 明暗のおりなす繊細な模様は 大地の底でまどろんでいる しかし 雲をすく淡い光は はっきりとうつしだしていた うすやみに包みこまれた ひどく傷つきやすい世界の全てを ……風が山のうえをかけめぐる 生命をおえた枯葉は 褐色の雪となってまい散った 冷たい風が 乾いた枯葉が しずかにほほをくすぐる 小さな 小さな雨のきざしとともに…… その二 たえまなくそぼふる 秋雨は何かをささやいている 世界を優しく包む

夏の秘めごと

その一陽ざしがかくれようとしている しずかにきらめく夕ぐれの光は 空と大地のあいだから 生…

橘井秋霜
2年前
6

春の鏡

その一 澄んだ空の奥底からは 柔らかい光が溢れ 淡い雲の狭間からは 冷たい結晶が…

橘井秋霜
2年前
3

めぐる世界での再会

空をめぐる夏の風は 窗のところにかえってきて 少しのためらいも感じさせずに ぼくの部屋に入…

橘井秋霜
2年前
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