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認知症になった母のこと(その5)

そんな風にうちに預かったり、
デイサービスと特養のショートステイを併用して利用するようになって
1年半くらいたった2020年12月に特養から連絡があった。

特養ホームに空きが出ましたと言った内容だった。

ちょうど母が特養ショートステイをしている時だった。

そして返答は早急に数日中にして欲しいとのことだった。

待機人数が多いため、入所しないのであれば早く次に回すそうだ。

私はすぐ、弟と姉に連絡し相談した。
ふたりの返答は自分の判断に任せるとのことだった。

あまりに突然でずいぶんと悩んだのだ。
心の準備が出来ていなかった。
しかも猶予は数日間という差し迫った状況だ。

先延ばしにしたとして、次に声がかかるのはいつになるか分からない。

自分はともかく同居している弟家族が大変なのはよく分かっている。

このタイミングで決めた方がいいかも知れない。

特養に相談に行くと、基本面会も自由に出来るのだが、
インフルエンザやコロナの感染予防の観点から
現在は月2回1回15分に制限されているとのことだった。

一瞬ためらったがやはり1月から入所させることを決断した。
感染症予防といってもすぐ落ち着くだろうと思ったのだ。

そしてショートステイから帰る29日の前日に
今度はケアマネージャーさんから連絡が来た。

一度帰ってしまうとまた来所するときに
前の時のように暴れたり抵抗されたりする恐れがあるので大変だから、
このままショートステイを延長してそのまま入所したらどうか
と提案されたのだ。

前回はひどく腹を立てて「絶対に家に帰る!」と送迎車に籠城し、
職員に物を投げたり下ろそうとした手を引っかいたりして
自分にも連絡がきて迎えに行こうとしたら、
降りましたから大丈夫ですとまた連絡がありと、大変だったのだ。


いや、でもちょっと待って。
年末年始だしお正月ぐらい家で過ごさせたいよと思った。

しかし弟は会社でコロナ対策の責任者になったり、
嫁さんも保育園の仕事で同じくコロナ対策で色々忙しく残業も多くて、
みんな普段通りではなかったのだ。

いつ仕事場から緊急連絡が来てもおかしくない状況で、
母が戻ってきても満足に見られる状態ではないだろうとの懸念があり、
出来ればそうして欲しいと云う気持ちがわかった。

そう、一緒に住んでるのは弟夫婦家族なのだ。

そんな経緯もあってショートステイ延長をOKしてしまった。

後々この決断が自分を苦しめることになるとは思っていなかった。


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